「大窪山 鹿の楽園」 2007.11.17〜18
                   2009.05.23
topへ
 岩手県気仙郡三陸町・・・現在は大船渡市三陸町ですが、毎年この町にある大窪山から夏虫山にかけての稜線伝いの高原に通っています。でも大抵は春に九輪草が咲く頃に訪れます。この春も来たのですが、秋も初キャンプにやってきました。
 キャンプ地はキャンピングカーコーナー「走るテント」にある場所です。我が家からはダートをバイクで最短距離で60分ほどですが、車で回り道をするとプラス20分くらいでしょうか。
 このあたりから五葉山にかけては本州鹿が多く生息する鹿の楽園です。楽園とは申しましても、実は頭数が増えていまして、毎年相当数が「有害駆除」されます。まあ、牧場でひつじがかわいいといって撫でる一方で、ラム・マトンをいただくといった感覚でしょうか。今回もたくさんの鹿に会うことができました。
 
「よかったところ」topへ
 国道45号を南下して大船渡市越喜来(おっきらい)から分れて西に進みます。途中にある夏虫の湯っこに立ち寄りゆったりとお湯につかります。近くには子供も楽しめるアスレチックや、泊まったことはないのですが別荘風の宿泊施設、鹿園、ハム工場などのほか、パラグライダーの着陸場もあります。
 あまり大きな施設ではありませんが、食堂や休憩機能もあります。
 岩手県内でも国道4号より東の北上高地には浅いところの地熱で湧き出る温泉はありません。大深度まで掘削して湯温が温泉法に適合するのですが、これらはほとんどが単純泉(化学的成分が少ないもの)です。
 こちらは人口温泉ですが、温度だけの単純泉に比べれば有用成分は多く含まれて居ます。何より山の中にあるお風呂というのが魅力的です。
 入浴のあとは鹿牧場のあった所へ向かいます。稜線で今日の太陽を見送ることができました。
 谷沿いにすすむと夕闇が迫った中に1頭のオスの本州鹿がこちらを見て立っていました。カメラを取り出すとゆっくりと林の中に消えてゆきます。
 5月から11月までは「森の学び舎」(位置案内)いう施設が開いていて、この地域の自然について学ぶことができます。森林関係の本もたくさんあります。
 開所時間が16時までで、閉まったあとでした。ここは以前分校があった所で、牛の体重を量るはかりが片隅にあったりしました。
 学び舎の前は広場になっていて夏の間は蕨採りやハイキングの人も多く訪れます。
 少し先に行くと今度はメスが数頭いました。牧柵の後ろに居るのがわかるでしょうか?
 道は牧場の中の峰に沿って曲がりながら続いています。牛さんが逃げ出さないようにフェンスがあるのですが、鹿さんはその中にも外にも居ます。
 あたりは次第に闇が深くなってきました。谷沿いに3頭のオスがいて、時々角を付き合わせたりしています。鹿の生態はよくわからないのですが、この時期はオスメス別々に行動しているようです。
 宿泊目的地に近づいてきました。もう車は前照灯を点けないと進めないくらいになってきました。その灯りに光る目が遠くにみえました。ビデオカメラ内蔵のデジカメなので10倍ズームで撮ったのが右のROです。こちらが進まなければ向こうも立ってこちらをじっと見ています。
 翌朝、いつも山でのキャンプでは日の出の時間に起きて眺めるのですが、この日は寝過ごしてしまいました。
 三陸海岸では冬季は標高の高いところでないと日の出は水平線ではなく岬の陰から昇ることが多いのですが、見逃してしまいました。



 日は昇るにつれて赤→橙→黄→白 と次第に変わってゆきますが、もう昼の色に近いころに朝の散歩にでかけました。
 上の「パノラマ写真」は、下の画角(約35ミリ相当)の写真4枚をPCソフトで合成したものです。つなぎ目は本当にわからないくらいです。カメラ内で合成する機能をもったものも使っているのですが、精度がまったく違うようです。

 別項でも出演していましたが、初秋の引き締まった空気の朝にリビも走り回っています。

 峰伝いにつながる五葉山が望まれます。また鹿さんがたくさんいました。
 今回は見つけられませんでしたが、この地域では他にアナグマを6割くらいの確率で見かけます。
 里に近い地域ではカモシカも多くいます。こちらは天然記念物なので、手出し無用です。が、むこうからは人家にやってきて、以前ウチでは池に乱入して金魚が2匹犠牲になったことがありました。

 一回だけですが五葉山寄りの林道で熊にあったこともあります。
 牧柵の中では春にはワラビが採れます。鹿の子が迷子になって柵の中に残っていて、リビと大運動会をしたこともありました。

 姫神の曲を聞きながらもみじの中を里に下りて行きました。 



  ↓ リビと運動会をした鹿の子(2001年)

2009 春の大窪山・夏虫山
 何度か「最近の出来事」のコーナーでは登場しているのですが、この2つの山の周辺に広がる牧場と、九輪草の群落は毎年通ってみる価値があります。この日は曇り空でしたが、蓮華躑躅と九輪草が咲き始めた頃なので、三人で訪れました。
 まず最初に向かったのが下の地図の「夏虫山」です。ここはパラグライダーのTO(=TakeOff=離陸)ポイントになっています。
 山の上はまだ春が浅いので、牧草も前年の枯れ草の色調が基本です。でももう牛は放たれていて、若芽を食べています。

大きな地図で見る
 いつもの群落に向かうと、まだ九輪の下の方の段だけですがきれいに咲き始めていました。これから2〜3週間で、上の段の方まで咲いてゆきます。
 
 りびを無理やり座らせてモデルにしました。九輪草は小さな流れのほとりなどに多く咲いています。
 こちらは旧分校跡にある岩手県の施設「もりの学び舎」です。中には動植物や生態系のほか、PCゲーム(オリジナルソフト)2台があって、楽しく、興味深く過ごすことができます。森に関する図書類も多くありますので、いつかじっくりとここで時間をすごしてみたいものです。
 ここは入館者に記名してもらっていますが、一日2〜3組の来客が平均的なところのようです。空いているところが好きな私としてはすごい穴場です。
 入場無料でトイレ休憩にももちろん使えます。この山域には少し南の園地にもトイレ(水洗)がありますのでうまく使うと女性も安心です。

 九輪草とともに楽しみなのが蕨採りです。ここの蕨はあまり太くないのですが、歯ごたえがちょうど良いくらいで、味もイケます。今回は弟子と孫弟子と三人で採りましたが、孫弟子はまだうまく見つけられないことが多いようです。
 他の山菜にも言えるのですが、自然の野山の画像情報の中から、「これは食べられる山菜!」という形を瞬時に見つけ出すには、アタマの中に「山菜図形認識ソフト」をインストールして、しかもオペレータがその操作に習熟する必要があります。
 右の写真で蕨がどこにあるか見つけられますでしょうか?
 採った蕨にはアク(灰)をつけて、その後の調理がしやすいようにしてから持ち帰ります。
 いつもの蕨畑の近くに、樹齢200年ほどの ブナとミズナラの大木があります。今年は初めてそのあたりも見学しました。3Dでの散策をお楽しみください。3Dについてわからない人はこちらをご覧ください。
 蕨採りと野草鑑賞のあとは、いつもの海を見下ろす秘密のスポットに移動して昼食にします。その後は大自然の中で心ゆくまで昼寝の時間です。
 この日は曇り空でしたが、晴れると下の写真のように空の青と海の蒼が溶け合う絶景になります。 今回は珍しく鹿には会うことが出来ませんでしたが、ゆったりとした時間を過ごすことができました。
※アプローチには複数のルートがあって初めての方はわかりにくいので、自信の無い方はお問い合わせください。