「ジムニーごっこ」  
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 ジムニーとは、悪路を走ることに特化した軽自動車の名称です。私が初めて自分の給料で買った車がジムニーでした。それまでに乗っていた、家の普通乗用車で野山に出かけて、幾度となくスタックを経験しましたので、その反動からか、悪路に強く、価格もクロカン四駆の中では安いジムニーの中古を購入しました。初代の形式で排気量は360ccでしたので非力でしたがそれなりに楽しみました。それ以来、これまでに自分で買った車は、10台ありますが、2駆は1台のみで他は全部4WDです。
 さて「ごっこ」というのは、当地では魚のことを意味したりしますが、一般的には子供の遊びを示します。30〜40年前にある車雑誌に「ジムニーごっこ」をしている人たちの記事が載っていました。廃車にしても惜しくない程度のジムニーを改造して極限状況で乗り回します。例えば吸気管に雨どいを繋いで水を吸わないように持ち上げ、運転席が水没しそうな深さの川へアタックしたりしていたようでした。
 今回は、そこまで過酷な使用は想定しませんが、山道へ出かける際に、バイクで行くのには準備と片づけが大変だし、上手ではないので転倒もするし、疲れるし、ということで、気軽に野山へ入るための手段が主目的です。そしてキャンピングカーと同じように改良の課程も楽しみの一つです。
 
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a@項目 概要
02 タイヤとホイールの交換     〜タイヤが減っていたのでサイズアップを兼ねて交換しました。ホイールも好きなデザインのものに
03 内装の汚れと臭い除去     〜なるべく元の状態に戻すことを目指しますが、ニオイはフタをしてしまいます
04 ワイパー周りの整備       〜ゴムとウォッシャー液噴出に関する難点を修正してゆきます
05 フェンダーの凹み直しと塗装  〜実用上は支障ないのですが、さすがに目立つところは自分で治します
06 キーレスエントリーの復活   〜付属のものがだめでしたので、何とか復活を目指します
07 セルフレスキュー用具の準備  〜単独走行しかしない人は、野山でのスタックでは自力復帰が基本です。
08 スロープを用意           〜車体下にもぐる際には、スロープ・・・ではなくブロックを使います。
09 軽でも白ナンバー          〜色のデザインという点では、プレートの黄色は合わない場合があります。
10 車中泊を可能に            〜山奥で、テントよりははるかに快適に寝ることができます
11 バックドアを中から開けるには   〜内側にはロックノブはありますが、開けるためのハンドルはありません。
12. リヤアンダーミラーを取付     〜後方視界が良くないので、後退時の目安がわかるミラーを設置しました。 
13 スコップホルダの取付       〜スペアタイヤに乗せるスコップホルダはイヤです。
14 フリーハブの作動確認       〜燃費があまりよくないので、フリーハブの自動切換えがうまく行っているか確認しました。
15 地図に車道が無いところへ     〜2万5千分の1地形図で、破線しかないところを通過できるでしょうか
16 エンジンとターボの交換        〜車体購入費用よりも大きい出費になりましたが、これでしばらく安心して乗れそうです
17 山の奥へ                〜ジムニーが一番活躍する場所へ時々行きます。

01 2017.06.01 ジムニーがやってきた
 中古車探しは、刑事ドラマではありませんが「足で稼げ」で、現物を見て回るのが基本です。しかし、店舗が広範囲に散在していて、目当ての車種がある確率も高くないので、現実的な選択としてヤフオクで探しました。凹みや汚れがあるものの、下回りに錆がなく(北国の凍結防止剤の影響がない)、エンジンの調子がよさそうなものを安くGETできました。陸送費用が千葉から岩手まで4万円あまりかかりましたが、自分で取りに行く経費と時間と危険性を考えると妥当な金額です。出品者が個人の場合で陸送業者と契約が無いと割高ですが、普段から陸送を利用している中古車業者などは契約で2割くらい安くなるようです。今回相手の方が契約している方でしたので、私が調べたよりも安く済みました。近くの広場でキャリアから降ろしてもらって、事前に交付(交換)を受けていたナンバーをねじ止めして、家まで乗って帰ります。軽ではない場合にはナンバーの封印がありますので仮ナンバーが必要になります。
 

02 タイヤとホイールの交換
 現車を見て、走行や下回りの状態は良いようですが、幸か不幸かタイヤが減っています。これは市販のジムニーを見ていて疑問なのですが、タイヤのパターンがほとんど舗装路用のものが多くなっています。車の性格を活用するには、悪路にも適した機能を持たせたいと思うのですが、純正装着品はほとんど意識されていません。
 もっとも、ジムニーを実際に山道や悪路で活用しようという人は案外少ないのかもしれません。あとで取り上げますが、リフトアップや着色パーツを多額の費用をかけて装着すること自体に目標を見出している人や、全く街乗りだけなのに、ジムニーを日常の足として使っている方も多くおられるようです。

 それでは交換検討過程についてです。


 変更前(純正装着、上写真)と、変更後のタイヤサイズです。分かりにくいのが最後の、SとLの部分ですが、規定条件下での最高速度がそれぞれ 180kmと120km となっています。ジムニーでさほど飛ばすつもりはないので十分な値です。
 荷重指数の 91は 630kg、  105と103はダブルタイヤとシングルタイヤで使った場合の違いで 925kg、875kgのようです。
 タイヤ交換に当たっては様々な検討必要事項がありますが、次のような条件とします。 キャンピングカーの場合にはロードインデックス(耐荷重)が最重要課題となりますが、ジムニーの場合には 純正サイズでも91s(630kg)あるので、車両総重量1210kgに対して、4本では2倍の余裕となり大丈夫です。

1.ホイールのサイズは変えない(16インチ)
2.外径を少し大きくする
3.幅は、軽規格上、はみ出せない。内側にも干渉制限有り。
4.パターンは悪路にも対応出来るものにする
5.価格が高すぎない

 まず、ホイールの径を変更することは、小さくすると内部に干渉する恐れがあり、大きくするとオフ車ではタイヤの厚みを優先したいことに反します。ので純正サイズで進めます。

 外径の拡大量についてです。大きくする理由は、最低地上高(多分デフの部分)を上げたいということです。もちろんデメリット等もありますが、詳細は別記予定です。いろいろ調べると、リフトアップしないで入るサイズは下記の2つでした。 185/85R16と、195/80R16

 純正サイズ(175/80R16)の直径は 690ミリ、候補の二つは両方とも約 720ミリです。半径では15ミリのアップ、率からすると4.4%増になります。
 
 装着について調べた中では、リフトアップしてもしなくても少しは干渉するという報告もありました。またJB23の3型までは、ボディマウントに干渉しないが、4型以降は多少当たるというものもありました。私の車は3型なので、大丈夫と見込んでこの2種から、はみ出しの危険が少ない 185/85 のものを選びました。結果はボディとの干渉は感じられません。

 外径の変化率は4.4%となりますが、スピードメーター誤差範囲の関係で、少し超える可能性があるので速度違反に注意です。加速と最大登坂能力は下がります。見かけ上の燃費は悪くなりますが、実燃費は多少良くなるかもしれません。
 溝形状は、メーカーの説明だと ラギッドテレイン ということで、中央部はオン寄り、肩部分はオフ寄りの設定とのことです。大昔ですが、タイヤパターンはあまり多くなく、オフ車はラグ、オン車はリブパターンが普通でした。その折衷としてリブラグタイヤというものがありましたが、基本的にはボーズタイヤに大きな凹みを付けたといった感じで、やはり現代の製品に比べると性能は明らかに低かったようです。またパンクもしやすいものでした。

 オンでのノイズは少なく快適です。ただし雨の日には相当なノイズを発生すると同時に燃費にも影響しそうです。 肝心のオフでは、まだ林道の濡れた石・草交じりの赤土路面しか走ってみていませんが、ほとんどスリップすることなく急斜面を登っていきます。
 次にホイールの変更です。購入時には純正アルミホイールが付いてきましたが、デザイン感覚的にはイマイチなので、それは冬タイヤ用に回して、自分の好きなデザインのホイールを選びました。マッドマゲイヤという製品です。JWL−Tマークが入っているので強度的には安心です。欠点は多分純正より重いことでしょうか。燃費に影響する可能性もありますが価格的には新品でも満足いくものでした。
 バルブはホイールに付属してきました。オフ車では特に異物との接触によるバルブ破損の可能性があるので、ゴムバルブにすることが安心ですが、全体が黒いとデザイン的には一段落ちます。付属してきたバルブは本体はゴム製ですが、先端に近い部分とキャップは金属製で、良いバランスのものでした。
 2017年の冬を迎えるにあたり、冬タイヤも準備しました。ホイールはデザイン的にDishタイプが好きなので、しばらく中古品を探していましたが、タイムリミットが来る少し前にやっと調達できました。中古ホイールは消耗したタイヤとセットの場合が多く、送料・組み換えバランス手数料・廃棄費用がかかります。でも新品よりは安く、デザイン選択幅も現行品以外で気に入ったものが選べますので広くなります。
 タイヤは夏タイヤと違って純正サイズにしました。乗用車用のタイヤよりも貨物車系やRV用はモデルチェンジ周期が長いのですが、やはり最新モデルを選択します。脱線しますが、BSの広告では氷上停止性能のグラフを誇大表示していて、他のメーカーも真似をして不正表示をするようになってしまいました。不満はありますが市販されている中では優秀そうなのでこちらを選択します。12月に峠の脇道で深雪に入ってみましたが、それなりの性能を発揮してくれました。

03 内装の汚れと臭いの除去
 製造から17年近く、前オーナーは喫煙者らしく、灰皿にはヤニが付いています。まず一番の臭気発生源である、灰皿の強烈なにおいをどうするかです。パーツクリーナーなどで洗ってみましたがだめです。かといって灰皿を外してしまうのは小物入れが一つ減ってしまうし…。対応を考えました。
 結論は「臭い物に蓋をする」です。臭いの発生源を、臭気を通さない皮膜で覆ってしまいます。ふつうの透明ラッカースプレーなどは、次回に熱が加わった際に焼ける恐れが大きいので、マフラー等に塗る耐熱塗料の銀色が少し余っていたので、灰皿の引き出し部分全部を覆うように塗りました。天日で乾燥させて完了です。ほとんどにおいません。見た目もそこだけ塗ったので違和感ありません。
 次は座席生地などの汚れです。左下写真は購入前の説明写真ですが、汚れ自体は機能的には問題を起こすものではありません。最悪の場合にはシートカバーをかけてしまえばわからなくなります。でも一応復活を試みます。
 この対応には界面活性剤を使わない汚れ落としが最近出回っているのでそれを使いました。実はキャンピングカーも現在の車は1年半落ちくらいの中古で買ったのすが、座席に相当なよごれがありまして、このクリーナーでかなり落ちた経過があります。
 左写真はその製品で、吹き付けてすぐにタオルでゴシゴシこすると、汚れがタオルに移って写真のようになります。タオルが皴になって、当たらなかったところはきれいですが、汚れに接触した部分ははっきり着色しています。このあとタオルを水洗いすると今度は汚れは水に移ります。

 下の4枚の写真は、左側が処置前、右側が清掃後です。写真うつりの関係で必ずしもこんなにきれいになるわけではありませんが、ほぼ満足です。。

04 ワイパー周りの整備
 現状で購入した中古車ですので、消耗部品のワイパーなどは摩耗して拭き取りが悪くなったり、後のものはゴムの一部が切れそうになっているのが普通です。最近はワイパーゴムの価格が下がってきて、税込み300円程度で買えるところがありますので交換します。モノタロウなどでは長さにもよりますが、ゴムだけではなく金具まで付いていて300円以下(税別)だったりします。
 ウォッシャー液もチェックします。あまり寒く無い地方では水で薄めたり、あるいは水を足すだけのメンテになりかねないのです。見ると相当薄そうでしたので、灯油ポンプで一度全部排出して、原液に入れ替えます。排出時には中の汚れも掃除します。
 私は年中原液(−20〜ー30℃)を入れています。というのは、季節は移り変わりますので、一度薄めてしまうとそれが残っているうちに冬がやってくることがよくあるためです。
 噴射ノズルは、前方は良いのですが、後方は音だけして出てきません。ホースが外れているのか、後部用のタンクが別置きなのか、原因がよくわかりません。スペアタイヤと奥のカバーを外してみて原因がわかりました。左写真中央やや右が出口ノズルですが、カエルの目玉みたいなノズルの方向が狂っていて、スペアタイヤのカバーに当たっているために、窓まで上がって来ませんでした。少し窓寄りに角度を変えて解決しました。

05 フェンダーの凹み直しと塗装
 このような大きな右前フェンダーの凹みがあることも大きな理由で、安く購入することが出来ました。現状で我慢してこのまま乗るか、修理して乗るかのどちらかで納得していましたので特に不満ではありません。
 しかし実際に乗っていると、さすがに目立ちます。もし、簡単に修理が出来るのであれば実施するに越したことはありません。プロに頼むと多分、聞くのも恐ろしい金額が出てきそうです。なので自分で直すことにします。

 まず、フェンダーを部品ごと交換することを考えます。一般人が自動車中古部品を探すのは、これも本体と同じヤフオクで探すのが便利です。同型部品は出品されていますが、同色はなかなかありません。また、あとでわかったのですが、同じ色番号のものでも、古めの中古になると塗膜の色の変化が起こり、さらには同じ車体の中でも場所によって色が相当違ってきているようです。
 中古のフェンダーを購入してもそのままでは、色が違うか、変色退色のため、フェンダー一枚全体を塗装する必要があります。 メタリック色ではない全塗装は自分で行ったことがありますが、メタリック色を他の車体の部分と合わせて塗装することは素人には出来ない物と判断しました。
 なので修理の方針は、フェンダーを取り外して形を自分で修正し、小さい範囲の塗装剥離部分をタッチアップする・・・ということにしました。

 フェンダーを取り外したことはありませんので、情報収集すると、プッシュクリップという部品は外したあと破損して再利用できない場合もあるようなので、予備を購入します。通販でも扱いがありますが、意外に安くて適量で売っていたのが市内のアストロプロダクツでした。このクリップのサイズは出来るだけ正確に測定して適合品を探さないと、合わずに無駄になることがあります。

 取り外し方も諸先輩の記録を参考にして何とか完了しました。(上の写真)
 フェンダーを自体を外す前に、泥がフェンダーの内側に入って行かないようにするための少し柔軟性のあるプラスチックカバーを外す必要がありました。そのカバーを止めているのが左上段写真のクリップです。
 それに対して金属製のフェンダー本体を止めているのは、#3のドライバー又は二面幅10ミリのスパナ等のどちらでも回せるボルトです。このボルトが初回は塗膜での固着もあってとても硬くて回りません。6点支持のメガネ又はコンビネーションレンチを使う必要がありました。またバンパーやワイパーも取り外す又は緩める必要があります。でも面倒くさがり屋の私は、バンパーにドライバーを差し込む穴を開け、ワイパー下の覆いプラ部品を一部切り欠いて、次回の作業が楽にできるように「改良」しました。


 自動車の板金加工は初めてですが、金鎚で直接叩いたのでは多分細かい凸凹が残るので、表と裏から木材を当てて少しずつ修正してゆきます。
 遠目にはまあまあ目立たない程度に出来ました。出来れば叩き出しの練習が可能だと良いのですが、その準備にも手間がかかるので一発勝負となりました。
 叩き出した後の状況が左写真ですが、実物は写真よりだいぶと凸凹しています。でもすれ違いざまなどだとわからない程度にはなりました。反省点とすれば、当てた木材にもっと丸みを持たせておくべきでした。角の部分が意外に鉄板に跡を付けてしまいました。

 次は塗膜が剥離した部分のタッチアップです。サンダーに微細目のスポンジベース砥石を付けて周囲の塗膜を薄く削って行きます。そのあと購入した純正色塗料で、細筆でタッチアップするのですが、色が違うのと、スプレーや幅広の刷毛で塗るようにはフラットには仕上がらず、なかなかうまくいきません。
 費用とのバランスで、ここまでとしました。、

06 キーレスエントリーの復活
 これも中古車ですので、キーについてもあまり期待していません。まずキーは1本しか付いてこないので、ホームセンターで複製を取ります。カムロードの場合にはイモビ付で、簡単には複製できませんでしたが、ジムニーの場合にはワゴンRなどと共通部品で、リモコンの無いキー複製は普通に出来ました。
 何本か作ったキーの一つは、出かけた先で紛失した時などに備えてケースに入れて秘密の場所に装着しておきます。
 リモコン部を開いてみると、基盤はありますが、開閉用の押し釦のゴムが破れていてありません。作動もしませんでした。 
 電池を交換してみたいのですが、型番が1220とのことで、地元の百均にはありません。(あとから見たところではやや規模の大きい百均ではありました)通販で購入すると大抵送料が高くなります。こういう時に役に立つのがヨドバシの通販です。送料無料で翌日配送されます。早速2個注文しました。
 リモコンの電池を交換しましたが、反応しません。次に同車種に近いリモコンユニットだけを入手して試しました。車体との暗号・同期設定方法がわかりましたので、その手順に従って試しましたがやはり反応なし。
 ダメモトで、元のキーで初期設定操作をしたところ、何と!動くようになりました。ゴムカバーも後から入手したものが使えたのでほぼ復活です。後から買ったユニットが使えませんが、その後調べたところでは、ユニットのケースの色が写真のような青や灰色などがあり、元の黒色と違うと同期設定が出来ないようでした。でも元キーが復活したので良しとします。

07 セルフレスキュー用具の準備 単独走行しかしない人は、野山でのスタックでは自力復帰が基本です。
 車に常時積んで置く物が増えると燃費が悪くなるという弊害があります。でもたまにしか使わない物でも、それがあったためにものすごく助かったという例も何度かあります。自分が助かるだけではなく、その積載物を利用して他の車が困っているのを助けたことも何度かあります。
 市街地しか走らない車には、周りに助けてくれる人がたいてい居ますので今回アップする用具は要りません。でもうちの1号車(キャンピングカー)と3号車(ジムニー)の場合には山奥など、助けを呼びたくても数キロ以上歩かないと期待できないとか、普通の人と車を呼んできても役に立たないような状況が想定されます。

 左と下の写真はコルドバンクスに常時積んである非常脱出用具です。
木片(レベライザー・ジャッキ補助兼用)・牽引ロープ・ブースターケーブル・エア(排ガス)ジャッキ・ツナギ・手袋・三角停止表示版・スノーヘルパー(脱出補助板) 等々
 ジムニーでは収納スペースに余裕が無いのと、キャンピングカーとは想定スタック状況に差がありますので、少し違った内容で準備をします。
 左写真はRVボックスで、ジムニーJB23にちょうど良いサイズがありますのでそれを使います。その中には左下写真のハンドウィンチ・エアジャッキ・スノーヘルパー(鋼製)などを収納します。
 下の写真はジムニーのジャッキスペース余白に詰め込んだものですが、紫とオレンジがナイロンスリング、右下の水色の細いロープが新素材(UHMWPE・合成繊維) ウインチロープで、サイズ:4.8mm X 15m 耐荷重:2500kg、価格は3200円太いクレモナはおろか、ワイヤーロープより丈夫で使い勝手がよいです。軽く、キンクも発生せず、直接結ぶこともできます。
 ハンドウィンチはダブルラインで2tの能力です。ジムニーが1tまで無いので、横引きにはシングルでも間に合う場合が多いと想定されます。引き上げ用具の選定候補にはチェーンブロックやレバーブロック、チルホール(≒ルーパー)などもあり、価格面と大きさを除けばチルホールが揚程が長くて理想的ですが、総合評価でハンドウィンチを選定しました。
 スノーモービルでの使用では、もう少し小さい荷重で、揚程が大きいものとしてハンドウィンチでもドラム式のものを加工して使っていました。揚力は0.5tですが揚程は10m以上あります。
 クロカン4WDで昔から使われるのが電動ウィンチですが、信頼できるメーカー品は価格が高くて重く、体積もある他に、前部にマウントするものがほとんどです。ジムニーでのスタックを想定すると、横や後ろに引きたいケースが多そうです。この点でもハンドウィンチのほうが使い勝手がよさそうです。資料上では「センターウィンチ」というものを見たことがあります。車体中央近くにウィンチ本体があって、ロープを出す方向を前後左右から選定できるというものですが、ハマった状態から切り替えできるのかという疑問もあります。
 さてハンドウィンチのシングルとダブルの切り替えは、純正ではE型止輪を差し替えて動滑車の位置を変える必要がありましたが、緊急時にそのようなことをしている余裕はないので、あらかじめ二つ目のフックを入れておきます。切り替えはフック先端を懸け替えるだけです。(左上写真)
 荷役・玉掛の補助用具も各種ありますが、シャックルは通せるものの大きさの他に、耐荷重が重要なのは言うまでもありません。一見同じ大きさでも設計荷重が違うことがあります。また破断荷重と安全率まで見込んだ使用荷重の表示がまちまちなので気を付けて選定します。
 最近のジムニー用の牽引用具を見ているとS字フックが多いですが、同じ用途で昔からあるのがCフックです。ロープサイズが合えばこちらのほうが安価で丈夫そうです。
 そのほかに使える収納スペースに、スペアタイヤの内側があります。カバーが付く車種なので、路上で他社を牽引したりされたりする伸縮ロープはここに入れておきます。
 Youtubeやジムニー関連のHPを見ていると、悪路や雪でハマってしまった場合の対応で、まず初めに皆さんが行うのが、ほかの車に引いてもらうということのようです。繰り返しますが、他者(車)がいないところへ行く人はその手は使えません。大抵はスノーヘルパーを噛ませれば脱出できます。
 側溝に落輪した場合はどうでしょうか。エアジャッキで持ち上げて、下に詰め物やスノーへルパー(鋼製)を入れれば脱出できます。ハイリフトジャッキは引っ掛けるポイントが無いと使えませんが、エアジャッキは数センチの隙間から持ち上げることができます。
 そして土や雪を相手に活躍するのがスコップです。これはこちらの項目を参照ください。
 あれこれ工夫準備するのも楽しいのですが、現地で必要に迫られて使う段になるととても緊張します。なるべくハマらないように慎重に行動するのが第一です。

08 「スロープ」を用意
 車の下に潜り込んで各部を点検する際に、私の場合には舗装面や室内での作業は出来ないので、不整地での点検になりますが、ポリカの波板を敷くと、薄くて熱も伝わらず、滑りも良くて具合がいいです。
 しかしながら大抵の車は最低地上高が低くて背板無しでも潜り込むことは困難です。そこで高さ20cmほどのスロープを当てて、少し自走して乗り上げるようにすると、容易に潜り込むことが出来ます。

 
 そのスロープですが、4輪を持ち上げるとなると2組必要ですし、購入するとしても本体価格のほかに大きなものなので送料がけっこう高くつきます。また用途はラダーと違って本来目的にしか、ほぼ使えません。そのため使わない時に置く場所も必要です。
 そこで、代用品を考えました。よくあるのが木片のやや大きなものを加工してあてがう方法です。これはキャンピングカーの車中泊時に水平をとるために下に何種類かの木片を入れて調整することがあるのに似ています。
 でも近くに製材所でもなければ高さ20cmを確保するのには結構お金もかかりそうです。
 一部の先輩方も実施しているようですが、車に積んで持ち運ぶ必要は無いので、建築ブロック(厚さ10cm)を使うことにしました。ただ置くだけです。傾斜を付けなくても、外径で700ミリ近いタイヤであれば、そのまま乗り上げることが可能です。さすがに2段=20cmを一気に上がることは出来ないので、ずらして1段ずつ上がります。アクセルワークに気を付けないと、通り過ぎてしまいそうなので、ブロックが暴れて車体が傷まないようにします。
 ブロックは8個で千数百円で済みました。
 左写真のナンバーは、加工してありますので実在の番号ではありません。プレートの色は別項で記載しますが、軽自動車でも白ナンバーが取れますので変えました。

09 軽でも白ナンバー
 事業用ではない自動車(二輪除く)のナンバーは、現行では軽自動車が黄色でそれ以外は白になっています。プレートの大きさは同じです。詳しくは専門サイトに譲るとして、初めて黄色ナンバーを目にしたのは半世紀近くも前のことになるでしょうか。変わってる…と思ったのですが、今は自家用軽自動車はほとんどが黄色ナンバーです。
 でも私的な感覚ですが、自動車の各種ボディー色に対して、違和感無く取り付けられるのは白地です。黄色地のプレートがカラーデザイン的に適合するとすれば、黄色か暖色系のボディーカラーだけだと思って見ていました。寒色系の車には、はっきり言って合いません。そこへ軽でも白ナンバーにできる手段が現れましたので、喜んで手続きにかかりました。 写真は変更前と後です。ナンバーの数値は画像加工で変えてあります。
  
 これも専門サイトに詳しく載っていますが、軽の白ナンバーは、オリンピックとラグビーと図柄入りご当地ナンバーという三種類があります(下の図の左から順にあるとおり)。※後日一部訂正:軽自動車のご当地ナンバーは、外周に黄色い線が入ります。
 私は図柄は不要なので、図柄の入らないラグビーナンバー(下の図の中央)を取得しました。この場合でも大会費用への寄付をすることが出来ます。数字にかぶさる図柄は入りませんが、プレートの右上に左写真のようなロゴが入っています。
 なお、白ナンバーでも軽に割り当てられる小さな数字は580番台と590番台とのことなので、どちらか色で判断がつかない場合でも数値で分かります。
 デザイン的にスッキリして気に入って乗っています。
      

10 車中泊を可能に
 これは昭和53年頃から乗っていた初代ジムニーです。詳細説明は別途行うこととして、昭和29年に改正された規格で、、
   現行規格(660cc、長さ3.4m、幅1.48m)
 より小さく、
   排気量360cc、長さ3.0m、幅1.3m に収まるものでした。
 この中古車を買う少し前に規格は拡大されて
   550cc、3.2m×1.4m となっています。
 外観で550cc規格車と見分けるには、ボンネットの盛り上がりと、オーバーフェンダーと、スペアタイヤが車体後部にはみ出て取り付けられているかなどになります。写真の詳細と規格についてはあまり深く検討されないようにお願いします。

  さて、この360ccのジムニーでも真冬に車中泊をしたことがあります。幌タイプでしたので密閉性はありません。高性能の寝袋には潜り込みますが、呼吸するために鼻が冷たくなるので大変でした。また室内長が短いのはもちろん、運転席・助手席の後ろには強度部材のパイプがあるためリクライニングはできません。ですので「ベッド」は後部荷台と、前2席の間から足を出して、その下に木製の台を作って寝たのでした。

 今使っているジムニー(JB23のV型)で寝る場合はどうでしょうか。前の席を目いっぱい前方にスライドさせて、背もたれをリクライニングさせるとちょうど後席の座面に合わせることはできます。 しかし後席の背もたれは途中までしか倒れませんので、身長が140cmくらいまでの人以外は足を伸ばして寝られません。
 先輩諸氏や各ショップが作ったベッドの労作をみると、真っ平なところで寝られるように、板で分解/組立式のベッドを構成する方法が見受けられます。寝心地は最高でしょうが、ベッドを使わないときの収納はどうするのでしょうか。また座席の上に設置すると、有効室内高が犠牲になり、座高の高い人は座るのも大変そうです。
  後席座面は3型の場合、跳ね上げしかできないので、基本構造としては次のような方針 とします。
 1.ベッド構成時には後席座面は取り外す。
 2.後席背もたれは前に倒し、前席背もたれと隣接させる。
 3.取り外した後席座面は、前席座面の上に置いて、平坦化を図る。
 4.取り外しはなるべく簡単に工具を使わずにできるようにする。
 5.最後部には収納ボックスを置いて、ここでも平坦化を図る。
 6.最終的な平坦化の仕上げは1〜2インチのエアマットで行う。

 ←助手席側の完成形。後席座面を前席座面の上に載せたところ
 上記項目4.の部分についてです。座面を止めているねじの規格を調べます。自動車関係ではよく使われる細目ねじのようです。材質強度まで調べられれば完璧なのですが、シートベルトアンカーなどと違って、高強度の物までは要らないと判断しました。
 メネジ側は、ボディに埋め込み固定してあります。ボディの裏側からボルトをねじ込めれば良いのですが、裏側はデッドスペースのようです。蝶ボルトで上から止めることも考えましたが、位置決めして取り付ける作業が難しくなります。座面を取り付ける際の作業は、車体から突出したオネジに座面の穴を差し込めば位置決めが楽です。その上から蝶ナットで締め付けます。
 出来上がりを見ると簡単ですが、各部の寸法を測定考慮して材料の入手から加工取付まで、試行錯誤で調整する部分が多く、意外に手間がかかりました。 
 車中泊で究極の快適さを求めると、キャンピングカーになります。逆に山奥などで最低限の宿泊をするのに必要な道具はテントです。
 わたくしはどちらもいつでも使える状態でスタンバイしています。(が、使う機会は最近なかなか無いのです…)ジムニー車中泊はその中間のようなケースで役に立ちそうです。 〜キャンピングカーでは到達できないが、ジムニーなら行けるところでキャンプしたい。 
 ジムニーの車内は軽自動車の中でも平面的には狭い方です。しかしそれでも個人装備の山岳テントに比べれば「黄金の御殿」で、風雨耐性や撤去不要など多くのメリットがあります。
 バイクで山奥に行きテントで寝ることもありますが、ジムニーが行ける限界とバイクの限界はいくらも違わない… というのが私の経験と技術からの判断です。

11 バックドアを中から開けられるように
 ジムニーはバックドアも入れて3ドアです。前のドアにはドアロックノブがついていて、運転席のノブから集中して施錠解錠が出来ます。
 以前の5ドアなどのステーションワゴン系の車では、バックドアのロックを設定・解除するために、電気スイッチがついていて、外側のドアハンドルとは別に機能していましたが、ジムニーを見るとバックドアの内側にロックノブがあり、助手席のノブと同じような動作をします。
 でもこのノブを操作するのはどのような場合でしょうか。後部席にいる人でなければ手は届きませんが、外からドアを開けようとする場合には、運転席の集中ロック解除ですでに開いていることしか想定できません。
 でも別項で説明予定ですが、車中泊などで車内からドアロックをした状態で、バックドアだけを開けて何かしたいといった場合があります。ドアロックは車内が狭いので運転席に手を伸ばして開けることができます。しかし内側からバックドアを開けるためのハンドルはありません。
 ↓ ノブは無理をすると折れますので、作業時には回して外すのが賢明です。
 つまり、ドアロックノブは有っても無くてもいいのですが、内側からバックドアを開けるためのハンドルは欲しいな…ということになります。
 ロックノブの下のあたりに開くことが出来そうなフタがあります。でも開けてみてもドアの開閉が出来そうな機構は見当たりません。
 一体型の内装トリムを引きはがしてみると、雨水侵入防止のビニールカバーの奥に、外側のドアハンドルにつながったリンクがあります(左写真)。ハンドルを持ち上げるのと同じ動作をさせるためには写真の上部にあるリンクの穴を下に引っ張れば良いことになります。
 太めの針金等を使った「ハード」構成でも可能かもしれませんが、より簡単なのは紐を通して引っ張れば済む、という構造で目的を達成できそうです。
 結局、上記のフタの内部に紐を導いてきました。でもそのままでは、素手でフタを開けることが難しいので、フタに指が入る程度の穴をあけておきます。
 これで車内からもバックドアを開けることができるようになりました。

12 リヤアンダーミラーの取付
 ジムニーの初代は、軽自動車規格が360ccだった時代になりますが、スペアタイヤは運転席の後ろ(車内)に少し斜めに積載されていました。スペアタイヤを固定していたのは運転席と助手席の後方に横断して設置してある、おそらく車体強度部材であった丸鋼管でした。その後車体幅・全長とともに排気量が550ccに拡大されて、オーバーフェンダーとスペアタイヤが外に積載されるようになりました。まもなく新型が発売されるという話もありますが、現行のJB23の側面図を見ると、なんと、スペアタイヤは軽自動車の全長規格の外にはみ出して装着されているようです。突起物にあたるのでしょうか?
 さて、後にスペアタイヤを背負たジムニーの後方視界は良くありません。駐車枠に後退して納める場合などは、ドアミラーだけではよく確認できません。もちろんルームミラーからは死角になります。
 当然メーカー純正オプション用品としてアンダーミラーが販売されていますが、その形状は写真左のようにドア鋼板に穴を開けて設置するもので、一度取り付けると、視界(視点)の位置もほとんど選択できません。
 今回採用したのは汎用のミラーですが(写真右)、各部の自由度が高くなっています。
 価格的にも純正品よりだいぶ安く抑えられるし、視界選択の自由度も高く、取付もボルトオンで簡単にでき、納期もショップによっては翌日配送なので、ほぼ満足の製品で、オススメです。
(このサイトでは販売ページにリンクを貼って手数料を稼ぐことはしていませんので、ご了承ください。読者の皆様の探し物の楽しみと、選択の自由を尊重したいと思います)
 取付基部の拡大ですが、バックドアに穴を開けることなく、ボディとドアの隙間に支点を差し込んで、ねじを締めると、ドア表面を傷めることなく取り付けが可能です。支柱の長さは260ミリあって、基部のネジを緩めることで角度を自由に調節できます。つまりリヤウィンドウからどれくらい離した位置にミラーを固定するか選択できます。また支柱のひねり方向の調節も可能です。長さが足りない場合には長尺タイプも販売されているようです。
 上の左の写真は装着前、右が装着後です。ルームミラーをカメラで覗いて撮りましたので、カメラが写り込んでいるのと、ピンと位置が違いますがご容赦ください。
 左写真はカメラのズームで、ルームミラーを通して見た、今回取り付けたリヤアンダーミラーの拡大です。細長い白い板は車体後端(スペアタイヤ)から約50cm後方に置いてありますので、この位置からあと50cmほど後退できるという目安になります。また右上の白い四角と左端の何やら陰のある物は車体幅に合わせておいたものなので、この左右視野幅いっぱいであれば、衝突の危険は少ないということになります。


13 スコップホルダの取付
 初めに用語説明ですが、スコップとシャベル(ショベル)の使い分けについてです。以前関西人の同僚から聞いたところでは、左写真のような両手で持って穴を掘る道具を、関西ではシャベルと呼び、移植ベラのような小さな細長いものをスコップと呼ぶのだそうです。
 私の住む東北を含めて東日本ではその逆で使われているようです。パワーショベルなどはデカイので、西日本の表現の方が合っているのかもしれませんが、ここではスコップという呼び名で進めます。
 初めてスコップホルダを意識したのは、2tダンプの鳥居に備え付けられたものでした(左左写真)。現場で荷台や、荷下ろし後の路面をきれいにする作業に備えて、角スコ(角型スコップ。反対は剣スコで、左右写真のようなもの)をさりげなく常備できる受枠が付いていました。バネ性のあるホルダにはめ込むだけで、着脱は簡単に出来ながら、振動で脱落したりすることはありません。実用性は最高でした。

 これまでに幾多のスタックで自力回復をこなしてきた(他車に牽引してもらって脱出したのは1・2回のみ)私としてはその重要性を把握したうえで、デザイン的にもアクセントになるスコップホルダの制作を目指しました。
 市販でも多数のスコップホルダがありますが、ほとんどが上の写真のように、背面スペアタイヤ固定ねじを利用したものです。あまり丈夫ではないバックドアに、ギリギリ最低限の強度で取り付けられているスペアタイヤブラケットにさらなる負荷をかけるのは得策ではありません。またデザイン的にも、いかにも「付け足し」「間に合わせ」です。
 完成状態になってしまいますが、左写真のようなものを制作しましたので、経過を説明します。
 スコップ本体を除くホルダと車体の取付状態は左のようになります。市販品の多くは、スペアタイヤよりさらに後方にはみだして取り付ける例が多いです。たまに私と同じような取付位置があっても、荷重を受けるのはスペアタイヤブラケットで、そこから延長したリンクに取り付けてあるものが多数です。
 せっかくの中古車なので(新車ではさすがにボディに傷を付けることはためらわれるという意味)、合理性の追求で思い切った加工を施します。ホルダの支点は、ドア本体に穴を開けて取りました。上端にM6ネジの穴が2点、下端にも同じサイズのネジをドア外板に貫通させて、裏側からはアングルとやや厚みのある押さえを入れて、セレート付きのフランジナットで締め付け、ドア外板への荷重を分散させて変形を防ぎます。また支点の位置は外板が3次元で変形する場所の近くにすると、平面の中央付近に取り付けた時のようなベコベコ変形する心配が減少します。
 それでは素材の選択と加工経過について説明します。最初にスコップのネックを締め付けて固定する部分ですが、多くの先輩方が実施しているように、足場パイプ等の組み立て締結に使うクランプを使用します。ただし、クランプとスコップでは径が合いません。またクランプが対応する直径には2種類があって、言わるゆる足場パイプの直径48.6ミリと、ローリングタワー等の部材直径42.7ミリにも対応する「兼用型」があります。スコップのネックは細いので兼用型を使って加工します。
 地元のホームセンターに行くと兼用クランプはありましたが、直交方と自在型しか見つけられませんでした。垂木固定型があれば加工が楽なのですが、直交型を購入して分割加工することにしました。あれこれ試して相当な工夫と時間を費やしてやっと分割できました。元々空いている穴は対角上で2種類の大きさがありました。
 それから、締め付け可能直径を小さくするために、全閉時に当たる部分を一部切り落とします。またボルトも長すぎるので先端を落とし、ナット脱落防止用のピンを通す穴も開けておきます。
 加工制作の詳細は省略しますが、使用した材料は上記の兼用クランプのほか、次のようになります。

1.建築金物(大引受金物)2個 上下のフット
2.山形鋼 40ミリ 主フレーム
3.カンヌキ受金具 下部スコップ取手を掛ける
4.ゴムシート t=3 クランプとスコップの径を合わせる
5.散水ホース 内径Φ15 カンヌキの緩衝材
6.ネジ類 M6・M5 フットと主桁・ドアとを締結
7.鋼材端材 ドア鋼板の裏当て用

 加工は溶接に外注することはせず、鋼材の切断・穴あけ・研磨と、ボルト(小ねじ)による締結で行いました。塗装は亜鉛含有の防食塗装の後、目立たない黒色を吹いてあります。
 一見簡単そうですが、ねじの干渉対策や鋭角部の面取りなどの加工を、考えながら行うので、延べ工作時間は10時間をだいぶ超えました。

 出来上がりはほぼ満足です。強度的にも振動が発生したりしない程度にしっかり取り付いています。見た目も他車・他社のスコップホルダが粗末に見えます。

 スコップ使用が想定される場面は、経験上 雪掻きが多いです。特に氷交じり・凍りかけの雪には、今回採用したような土木工事にも使えるホンモノのスコップが必要になります。掘る場所はタイヤの進行方向よりは、腹がつかえた部分などが多いです。また別項でも説明しますが「スノーヘルパー」を差し込んだ下に、土砂や雪を詰め込んで、脱出開始時のグリップ向上を目指すのに使います。

14 フリーハブの作動確認
 私のジムニーは3型で初期の形式なので、2WD・4WD-H・4WD−L の切り替えはレバーで行い、表示もLはありません。
 過去に乗っていた360ccの初代ジムニーでも、トランスファー(副変速機)から直接伸びた切替レバーを動かしていたような気がします。当時は前輪にはフリーハブの設定は無かったと思います。その次に乗ったダイハツのタフト(1000cc)では社外部品でフリーハブを取り付けて使用していましたが、手動のため、急に4WDが必要になった場合などには停車して降車して操作しなければならず、非常に不便でした。
 フリーハブをご存知ない方のために一応説明を加えます。パートタイム4WDにおいては、2WD走行時に非駆動側(当車の場合は前輪)の駆動系部品であるドライブシャフトとディファレンシャルギア、左右車輪の駆動軸などを回していることは、オイルの粘性抵抗やギア損失等により無駄に動力をエンジンの力を消費しています。前輪のハブと駆動軸の間にクラッチを入れて、切断と接続が切り替えて無駄を無くするのがフリーハブの役割です。
 当初は上記のマニュアル切替しかありませんでしたが、そののち車体を前後に少し移動することで切り替わるオートマチックが使われていました。
 ジムニーもJBx3型になって、知らなかったのですが、エアロッキングハブと言って、エンジンの負圧を利用して走行中でも4WDに入れると、ロックされるフリーハブが採用されるようになったようです。

 さて、私のジムニーは燃費が良くないので、もしかしてこの切り替えがうまく行かず、ロックしたままになっているのではないかという疑念が生じました。方法は両前輪を浮かせるようにジャッキアップして、片方を手回ししてみます。ロック(接続)されていれば、ドライブシャフトは固定されているので、デフを通して反対側の車輪は逆方法に回ります。切断されていればその車輪だけが軽く回ります。結果は… 異常ありませんでした。

16 エンジンとターボの交換
 普通車のトラックなどでは20万キロとか50万キロでも平気で走っている例を見かけますが、軽のターボではやはり無理があるのでしょうか、入手から断続的に7か月余り使ったところでエンジンから異音が発生しました。時々音が変わったりしますが走りには変化を感じられませんでしたのでトンネルや峠道を走っていくと、途中でまた音が変化して十分なパワーが得られなくなってきました。スピードも60kmくらいしか出ません。ターボの不具合らしいことはわかりましたが、全く走れないこともないので、何とか自宅まで戻ってきました。
 かかりつけの工場に持ち込んでみてもらうとやはりターボチャージャーの不具合です。ほかの工場にも電話で聞いてみましたが、ターボだけを交換してもすぐにエンジン本体にも不調が移ることが多く、両方の交換を勧めるとのことで、費用は30〜35万円くらいということでした。
 車両購入価格よりはるかに高額な費用を払って、ジムニーを復活させるかどうか悩みましたが、ヤフオクの落札価格を見ると、20万キロ近く走っていても相当な金額で流通しています。リビルトのエンジンとターボを組み込めばもっと高額での売却も可能そうです。
 それに、すでにあれこれと補修や改良を施していて、少し愛着も湧いてきたところですし、交換したエンジンは3年間、距離無制限で保証が付くということなので、ここは思い切って交換することにしました。
 年末の忙しい時期と冬タイヤ関連の作業が重なって、少し時間がかかりましたが、交換後はパワーと燃費が向上したみたいで、満足して乗っています。
 ちなみにリビルトパーツは、純正部品の消耗部分を整備して流通しているもので、エンジンなどの大物は、交換した旧品を販売元に返送することを前提にした価格設定になっているようです。個人でもリビルトパーツを入手することは可能ですが、保証を求めた場合には責任があいまいになって問題化しかねませんので、整備工場に調達から取り付けまで一括して発注するのがよさそうです。

17 山の奥へ
 ジムニーを使う大きな目的は、深雪の冬道や、タイヤ以外の車体が接触して走られないような不整地を進んだり、急傾斜地を上り下りすることにあると私は思っています。
 でもオーナーの中には街乗りしかしないという方や、改造部品を組み込むことが主目的で、悪路などもってのほかという方もいます。個人の所有物がどのように使われようと持ち主の勝手ですが、もし機械(車含む)に意思があって本望という考えがあるとしたら、悔しく思っているのではないでしょうか。
 このことは機械ではなくわんこにも言えます。犬種にもよりますが、ほとんどのわんこは外を元気よく走り回って泥だらけになって遊ぶのが大好きです。それをさせないで、家に閉じ込めて運動不足にして、散歩は汚れるから抱っこして行く…なんて私には虐待に見えます。
 
 というわけで、ジムニーには時々野山に連れて行ってもらいます。上の雪道の写真は、スノーモービルでなければそれから先には進めないようなところまで行って戻ってきました。これにさらに4輪チェーンを巻けばもっと奥へ進めるのですが、コースアウトしたりするとリカバリが大変なのでこの日はここまでです。
 右は、現在は使われなくなった牧場の管理道路の奥です。春には蕨がたくさん採れます。ここもじむにーでないと到達困難です。
 下の写真は何十年か前に植林作業のために使われた道路の奥ですが、この類の道はたいていは生えてきた樹木や路面・路肩の崩落で行きどまりになります。引き返すには普通の車であればずっとバックをしてきますが、ジムニーではアプローチ・デパーチャアングルに余裕があるため、こんな地形でも斜面に乗り上げて切り返しをして方向転換を済ますことができます。ランドクルーザーなどでも可能と思われるかもしれませんが、大きな車体では途中の道幅やスイッチバックや路面のうねりで、ここまで来ることができません。オフロードバイクでも可能ですが、私はあまり上手ではないので、ジムニーで行ける限界と大差はありません。
 キャンピングカーと同じく、オフロード車も森の中が似合います。

18 ラジエターの交換と錆対策
 12か月点検で指摘された事項が2点。ラジエターの上部から漏れがあり腐食しています。今のところ減液には至っていないのですが、対策が必要そうです。
 点検時に修理見積書を作っても良いかと聞かれたので、作ってもらったところ4万円を超えています! ここでまた過去の経験とケチがあわさって、自分で換えたらいくらで済むのか検討してから方針を決めます。以前にラジエターを交換したのは職場の上司の車で、材料はスクラップの山から類似車種を見つけて安価に(多分1000円くらい)仕入れて、休み時間と放課後の作業で交換完了したのでした。
 交換に必要な材料費を検索すると、ラジエター本体が6200円、クーラント・ATFフルード・大きな注射器状のスポイト(等々上写真)を含めて1万円ちょっとで済みそうなのと、作業手順をネットで学習すると出来そうなので、自力交換することにします。作業手順は先輩諸氏のHPやYoutubeに詳しくあるので大方省略しますが、追体験で補充した方が良い情報を少し記載します。
 クーラントの抜き取りコックを開けながら、上写真の右側にあるネジを緩めてクーラー配管をずらした後、冷却ファンの取外しにかかります。少し迷うのがファン電源カプラの抜き方です。左写真で分かりにくいのですが、マイナスドライバーを二本使って、一本はロック外しに差し込んで、もう一本はこじって抜き取るのに使います。
 各所止めネジの外し方は他の記事に譲ります。ファンを取り外すことにより、ラジエター本体の下部接続配管にアクセスして取り外すのが簡単になります。
 下側のATFクーラーホースを抜くと、ATFが多めに出るので、ホース側には用意した10oのボルトを差し込みます。熱交換器側から出る分を吸い取るウェスも必要です。
 取り外した旧器と、交換する新品を並べて、何をするかというと、ATFホースコネクターの方向を合わせてナットを締めます。また下部固定グロメットやホースクランプ等も移設します。
 最後に戸惑ったのがラジエター上部止めネジがなかなか入らなかったことです。下部グロメットがずれているのかと思いましたが、上部のナット代わりのクランプが奥まで差し込まれていないせいでした。
 次に下回りの錆対策です。点検するにしても処置するにしても、やや高い位置に持ち上げる必要があります。金属製のスタンド(うま)もありますが、別項で記載の木こりをしていて、余った材木を任意の高さにカットできますので、35cmの高さのうまを4個用意しました。
 この車両の購入時は、関東で動いていた車ということで、下回りの錆はあまりない状態でした。でも岩手の冬を5回ほど過ごして見た目の錆が多くなってきました。
 左と下段の写真は中古購入当時(新車からだと17年経過後)の状態です。泥汚れはありますが酷い錆は見えません。
 ここから下の写真は5回の冬を越した後です。タイヤ交換の時に一部は見えるものの、こんなになっているとは思いませんでした。もう少し進むと強度に影響が出そうです。原因は冬の路面に撒かれる融雪剤と思われますが、走行の後に下回りを洗浄すればよい…とも言われます。しかし現実に冬季に洗浄機でその都度下回りをくまなく洗い流すことは現実的ではありません。どこかドライブスルーで下から融雪道路のように洗浄水が噴き出すところを通過できれば良いのですが。1100円くらいでもいいので。
 下回りの錆対策では電気防食が最強と思われますが、新たに設置するのも金額・手間的に面倒なので、錆転換塗料(サビキラー)を塗ることとしました。水性塗料で使いやすく、他所の利用では今の所良好です。(完了写真はありません)
(つづく・・・)