桃洞の滝・奥森吉 2003.9.26
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 秋田県最後の秘境と言われる阿仁・森吉町に跨る奥森吉の原生林。鬱蒼とした巨木の間に細い流れを遡って行くと、平らな岩盤の上をせせらぎが足を撫でる広い渓谷に出ます。夫婦+リビでご案内します。
 私の住んでる岩手の太平洋側からですと、この奥森吉へは5〜6時間ほどのドライブとなります。盛岡から仙岩峠を越えて田沢湖町へ。森吉町、阿仁町と進み、杣温泉・国民宿舎森吉山荘の前から山道へ入ります。
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 キャンピングカーで連泊する時に、お風呂はどうしましょうかと言うと、日本は温泉がたくさんありますので、風呂屋に入って行きます。といっても普通の銭湯はいまや見つけるのが困難。
 今回入らせていただいたのは秋田内陸縦貫鉄道にあるクウィンス森吉という温泉つき駅舎。駐車場もあってゆっくり入れます。空いてて、入るほうはいいのですが、ちょっと経営の方が心配です。
 風呂上りには、むかいのスーパーで夕食の買出し。地元の商店なので果物なども安く買えます。おいしいスチューベンをGet
 十数年前までは未舗装で普通車のすれ違いも大変だった奥森吉への道はダム工事で立派になっていました。 以前からある、尾去沢鉱山に電力を送るために作られた太平湖の森吉ダムのずっと下流に森吉山ダムが建設中です。右の写真中央下部にいるのが普通の11tダンプです。その右が50tダンプ。奥にあるバックホウ(ショベル)の大きさは想像を絶します。
 ダムを説明する見学施設がありますのでためになります。

 道草をしながらでしたので目的のオートキャンプ場に付いたのは日が暮れてからでした。
 他にもクマゲラ保護センター付近もトイレもつかえますので見てみましたが、なんといっても広々として高原の上にあるここが良いようです。
 ところが… 他に誰もお客さんはいません。
広大なキャンプ場は3箇所のセンターハウスがあり、あわせて100台ほどのキャンプができますが、ハウスの明かりだけが浮かび上がっています。まるで千と千尋の世界に迷い込んだようで、本当にここ使っていいの?という感じです。おまけにここは無料なのです。トイレは水洗で快適。もちろん洗面所などの水も出ます。管理人はさっきすれ違った軽トラックで帰ってしまったようです。

 夜中に雨が降りましたが、キャンピングカーは快適。翌朝は朝霧が晴れて快晴です。
リビを連れて散歩。他に誰もいないので放し飼いです。

 クマゲラ保護センターの駐車場に車を置いて歩き始めます。展示資料とトイレがあります。

 傾斜のあまり無い地形をしばらく進みます。巨木と湿地があり、流れも複雑に巡っています。
 3Dで巨木の森をご覧下さい。3Dの見方は
こちらをご覧下さい。
 森の中を40分も歩くと赤水沢との分岐に出ます。落ち着きのないリビを抑え込んで看板の前で写真をとります。さらに少しゆくと最初の流れの段差(滝)が現れます。
 次第に広い渓谷の中をベールのような流れと落差が段々に連なった今まで体験したことのない景色になってゆきます。
 出発して1時間ちょっとでしょうか、桃洞(とうどう)の滝に着きます。向かって左の山の方からも細い滝が注いでいます。さらに上にも行けそうですが、あま運動神経がよろしくないので引き返して赤水沢の方へ回ってみるのに時間を使うことにします。

 付近は9月なのに紅葉が始まっています。

 下のように飛び石が設置してありますので増水時期でなければ靴を濡らさずにたどり着けるかも知れませんが、いろんなところを歩き回りたいので長靴ででかけました。急な坂道等は無いのでホールド性などを余り気にする必要はありません。
 下の黒っぽいところは深みになっています。石が渦で転がって掘れて行くのでしょうか。
 桃洞の滝から、赤水沢への分岐までもどります。「赤水」と呼ばれるのは植物が分解されてできる成分(フミン質)が多く含まれているからでしょうか。この付近の沢はほとんど着色しているような感じがしますが、赤水沢は特に色が濃いようです。
 ところが分岐点付近に湧き出ている水溜りはご覧のように青みがかった透明感の底に白砂がちりばめられていて、そのまま口をつけて飲み干したいような気になります。→
 またリビを連れて流れを渡ります。所々にある深みを人は上手にまたいで進みますが、リビは視線が低いので深みの位置を把握できず、時々泳いでしまいます。↓
 分岐からの赤水沢はしばらくまた密林の中を行きます。歩道は桃洞の滝までとは違って通る人が少ないせいか、藪の中を進むような感じの所もあります。
 しばらくしてまた広い岩盤の渓谷に出ます。段差(滝)とよどみと開けたせせらぎが交互に現れますが、次第に上流に進むのが困難になってきました。
 全身が濡れても構わないような装備でないと困るようなところで引き返すことにしました。ここから先は沢登りに近い人達のエリアになるようです。


 さて、のんびり渓谷の散歩を楽しんだ後は、里に下りて昼食にします。そのあとは少し欲張って次の目的地、安の滝を目指しました。 この滝は日本の滝百選に入っているようです。水量は余り無いのですが岩壁を筋のように伝い、周りの木々とのバランスが何ともいえません。遠くから見ると右のように白い点が中央に見えるだけですが、近づいて行くと次第にその規模に圧倒されます。

 そして2泊目は玉川ダムで出来た宝仙湖のほとり。トイレと水のあるこじんまりした広場が空いていました。
 じつはダム下流にもキャンプできる場所があるのですが、広場にはローリング族のタイヤ痕が無数にあり、先にいたキャンピングカーでは犬を放し飼いにしていて、うちのリビのところに嗅ぎまわってやってきました。そして△△はたれっぱなし。最低限のマナーはお願いしたいところですね。
 でもおかげで湖を独り占め(二人と一匹?)にできるスポットを発見しました。

 初めてのキャンピングカー連泊でしたが、歩き、眺め、泊まり、快適に過ごすことができました