「早春の秋田内陸縦貫鉄道」 20250329 よかったところ」topへ
2025年の早春・まだ雪が多く残る第三セクター経営の秋田内陸縦貫鉄道に 区間往復で乗りに行ってきました。 |
||
北東北にある、乗ってみたい三セク鉄道・廃線の危機が話題に上るローカル線は沢山ありますが、その中で昨年は冬の北上線に乗ることが出来ました。 | ||
これまでのところ、乗ってみたいのは、由利高原鉄道と秋田内陸縦貫鉄道でしたので、今回は雪がまだ沢山残っている内陸線にしました。実は最も雪の多い2月に乗りたかったのですが、都合が付かず3月下旬となりました。 | ||
乗車区間は、列車ダイヤとにらめっこしながら、往復区間を選びます。決まったのは角館駅から阿仁合駅までで、阿仁合では90分近く散策時間が取れそうです。 JRの角館駅は目立つのですが、秋田内陸縦貫鉄道の角館駅はその隣にありました。 |
||
車で出発地まで行くので、朝早い列車だと前泊が必要になります。角館は花見の時期にしか来たことがありませんでしたが、車中泊のできる郊外の駐車場は押さえてあります。でも花見シーズン以外には中心部に近い駐車場でも利用可能ではないかと思い、行ってみると、案の定お客さんはほとんどいなくて、道路向かいにきれいで暖かいトイレがあるところを利用することが出来ました。 桧内川沿いの桜並木はまだつぼみで、雪の塊も溶け残っています。 |
||
始発列車は6:33ですので、間にあうように準備して駅に向かいます。 | ||
前日夕刻に偵察に来た時には、窓口が開いて待合室にも高校生がいましたが、開くのは9時で、始発時には無人駅です。きょろきょろとホームの辺りを見て回ります。 白鳥が北に帰る季節で、上空を飛んでゆくのを見たりしながら折り返し列車の到着を待ちます。 |
||
折り返し発車の20分ほど前に到着しますが、車内準備のためしばらく乗車を待ちます。 私たちの他にも中年男性数人のグループが、鷹巣まで行くようで乗車しました。 車両は昭和63年製のようで、懐かしい感じいっぱいです。 |
||
編成は一両完結タイプで、前後に運転席と料金システムがあり、トイレもあります。車両の中央寄りは対面ボックス席で前後出入り口付近はベンチシートです。(右写真) この列車ではたまたま新人運転士?と指導員の方の二人体制での運行でした。経路上各所でのスピードコントロールや注意事項を細やかに指導しています。(右下写真)) |
||
秋田内陸線と平行する国道105号、阿仁街道は何度も通っていますが、鉄道で平行する区間があるのを横目で見ていました。何か所もこ線橋があります。 | ||
八津駅の名物はカタクリ館です。4月中旬には栗畑の地面をカタクリの花が覆います。写真は2024年のもので、八津駅とカタクリ館は200m栗しか離れていません。その時とった写真に写っているのは、この日に乗った黄色い車両でした! | ||
列車は川を右に左に鉄橋で渡り、国道の下をくぐり、トンネルを通りぬけ、小さな無人駅に立ち寄りながら進みます。 車内のモニターには、沿線の紹介や行事やお店など、秋田内陸線の魅力を目いっぱい映し出していて、それを見たりするので、結構暇がありません。 |
||
2011年の2月11日、車で当地にやってきました。途中 大覚野峠がカーブと積雪の難所で、途中で除雪車を追い越したりします。 その峠の手前に上桧木内の集落があり、そこでは毎年紙風船(熱気球)が夜空に舞い上がるイベントが行われます。 右と下 計4枚の写真はその時(2011)のものです。 |
|
|
|
|
|
|
ですがこの時には1日違いで上桧木内での日程が合わず、祭りの後の昼の会場(左上写真)を横目に通り過ぎ、鷹巣を経由して鹿角市道の駅にやってきました。そこでは紙風船の出張実演が行われていました。私たちも参加して一緒に飛び上がる風船に触れて、何かわかりませんが感謝とお願いをしたのでした。 それは… 3月11日の一か月前だったのです。 |
|
震災と津波の記録は別項にありますが、正常性バイアスに自分独自の判断が勝って、津波襲来区域に入るのを 1/2の確率で思いとどまり、助かったのは、もしかすると鹿角で紙風船に触れることができたためかもしれません。 |
||
|
|
|
|
震災から3年後の2月10日に、念願の西木村での紙風船祭りに参加させてもらって、お礼を申し上げることができたのでした。 (左と上の計4枚はその際のもようです) |
|
沿線の駅には最寄りの名所案内がありますが、いくつかは行ったことがあります。森吉山は頂上までは夏季に一度だけですが、スキー場のてっぺんまでは冬季に樹氷を見に2度訪問させたいただきました。 山を越えた宝仙湖側からバイクでやってきたこともあります。深山に突如立派なトンネルが現れたりして、何度か山越えをしましたが、冬季は閉鎖で、夏季も豪雨被害にあいやすく、不通になっていることがよくあります。 |
||
|
||
|
楽しんでいるうちに今日の目的地の阿仁合につきました。車で来たことは何度かありますが、列車では初めてです。駅舎へはホームから線路を渡りますが、向こうから列車がやってきました。どちらに分岐するかわからないので見守っていましたが、左にそれて、右の駅舎へは無事にたどりつきました。 | |
阿仁合駅の近くを、帰りの列車までの時間で巡ります。残念ながら駅売店以外の商業・見学施設まだ開いていません。阿仁町異人館は、鉱山の技術指導に来た外国人技師にかかる展示等があります。周囲はまだ雪がたくさん残っています。 雪の手前にあるのは銀杏の実です。だれも採らないみたいでもったいないですね。 |
|
|
|
以前に二度来たことがありますが、外の展示はみませんでした。今回は鉱夫の試験石という、技能試験を行った石などを見学できました。 | |
日中になると開店するらしいお店の装飾も何カ所か工夫が凝らされていました。 | |
|
|
|
|
|
早い時間から開館していた「内陸線資料館」(無料・無人)を見学します。この鉄道は北の鷹巣からと、南の角館からの路線を繋げて完成したもので、地域の方々の熱意が伝わってきます。 マタギとクマの皮の展示もあって、座れそうですが少し怖いです | |
|
駅舎二階には森吉山などの紹介コーナーと休憩所があります。最近の展示は、立体地図に上方からプロジェクションマッピングで各種情報を紹介するものが多いのですが、こちらにも取り入れられています。 ←左写真 上方の黒いのがプロジェクター 下が立体地図 |
|
沿線の面白駅名ですが、笑内 という文字を おかしない と読みます。北秋田市名産のバター餅と併せて その名のチーズ饅頭を買ってきました。バター餅よりおいしいかも。 |
|
|
|
帰路の列車はやや豪華な、テーブル付きのボックス席です。意外に大勢の方が乗車して、また雪の中を右に左に、映像紹介も見逃したところを再視聴しながら角館に戻りました。今回もローカル第三セクターの鉄道旅を楽しむことができました。 | |
今回記事の関連動画はこちらにありますのでご覧ください |