「栗駒山 昭和湖と竜泉が原」  2019.07.05

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 栗駒山の頂上までは4回ほどしか行ったことがありません。私的な好みで言うと、この山の魅力は頂上からの眺めよりも、周辺にある湖沼や湿原、それに温泉だと思います。岩手側の登山口にある須川高原温泉は無料の足湯(少し熱いのですが自然の流れ)や、同じく無料の饅頭ふかしや、旅館には大浴場も内外にあって楽しめます。
 登山までしなくても、賽の河原や名残が原を気軽に周回散策出来ますし、湿原も泥炭地や秋田湿原などあります。湖も須川湖などは車でそばまで行けます。中腹の昭和湖まで行ければ良いのですが・・・以下は説明文をご覧ください。

 梅雨時の東北地方では、太平洋側が曇りや雨であるにもかかわらず、奥羽山脈を越えた日本海側では晴れている、ということが度々あります。今回もそれをねらって岩手から奥羽山脈の一部、栗駒山の北にある須川高原温泉のあたりを目指しました。
 高曇りの岩手の平地から、標高を上げて行くと雲の中に道ははいりますが、県境に来ると明るくなって、時折雲が切れます。左下写真で左が太平洋側です。右の秋田側は晴れています。
 この日はここまでの行動予定なので、須川高原温泉旅館 にある内外の温泉のうち、外にある大浴場に入ります。紅葉シーズンと違って、週末でも夕方はあまり混雑しません。プールのような浴槽から見上げる大日岩(左写真)には、黒い点々ですが、イワツバメがたくさん飛び回っています。
 温泉の前に、秋田湿原と呼ばれる所に行ったことが無かったので少し歩いてみます。手元に「栗駒山の自然を訪ねて」という本がありまして、平成12年とだいぶ前の改訂になっていますが、そこに紹介されている場所に以前から行ってみたいと思っていました。

 車をこちらの駐車スペースに置いて歩き始めます。
 道は元々は車道のようですが、大きな石を置いた車止めがあります。資料の確認不十分だったのですが、右のような道をしばらく行くと湿原や池塘があるようです。しかし手元の地形図(スマホでGPS連動表示)にある湖沼はこちらだけです。位置確認してヤブを10m程かき分けると、ひっそりと沼が広がっていました。

 ↓ スマホの山ナビソフトで確認した位置と実際の沼
 モウセンゴケがたくさん生えて、岸辺はふかふかになっています。道はすぐそばをとおりますが、訪れる人もないこのような沼に出会うのは楽しみです。
 本来の秋田湿原の中心部は数百メートル進んだところにあって、そちらには見晴らしがよくて到達も楽な池塘もいくつかあるようです。(先の資料図書)次回の楽しみにします。

 陽がだいぶ傾いて、栗駒山の頂上まで見渡せるくらい晴れてきましたので、今回最大の目的である、昭和湖と竜泉が原のドローン撮影に挑みます。
 須川高原温泉付近から離陸して、昭和湖に向かう途中に、賽の河原(右写真の右より)と剣岳(同中央岩峰)を越えて行きます。
 今回の飛行では、操縦者(私)から見て目的地は山の陰になりますので、経験上電波が途切れて自動帰還モードになることがあります。障害物自動回避機能はありますが、絶対安全帰還を目指しますので、極力制御可能な状態を継続したいものです。ですので低空飛行はあきらめて上空からの観察することにします。 いつかは山の上から見下ろす形で操縦して池塘まで極低空飛行をできることを目指します。
 2Dの写真では立体感がわきませんので こちらの動画でお楽しみください(解説字幕入りです)。
 剣岳は左に巻いてあまり上昇しすぎないように、かつ絶対に接触はしないように進んでゆきます。

 栗駒山は東北地方にある活火山の中でも活発な状態にあります。2019年3月に岩手側の登山コースのうち、地獄谷・昭和湖を通るコースは立入禁止になっています。頂上へ行くには15分多くかかる別のコースを迂回するようです。ドローンで観察する分には、目視外飛行の許可も得ていますので問題ありません。現状を観察に向かいました。
  下写真は昭和湖の上空です。私の記憶では、だいぶ前ですが青緑色をしていたと思った水面は、火山活動が活発なせいか白濁しています。でも近くにある丸い小さな火口跡湖に溜まった水は青い透明のように見えます。やはり近々噴火するとすれば、昭和湖本体の方でしょうか。
 昭和湖を後にして竜泉が原に向かいます。ここは先の参考図書が発行された平成12年には立入禁止にはなっていなかったようですが、現在は足を踏み入れて池塘を近くで見ることはかないません。
 正しい名称かどうかはわかりませんが、さらに一段高いところにある湿原「奥竜泉が原」を目指します。それにしてもこの池塘群の不思議な形と配置はどうでしょう。日本列島のように見えなくもないですね。
 現地で見ると目線が低いので広がりがよくわかりません(のはずです)が、上空からだととてもよくわかります。
 帰還まで最遠水平距離で2.1km余り(垂直距離を合わせるともっと遠い)でしたが、何とか制御可能な状態を継続できました。
 帰路は最短で直帰しました。出発時に晴れていた温泉付近には霧(雲)がまたかかっています。今回もすばらしいフライトが出来ました。