この年の春にも八幡平を巡りましたが、田沢湖方面から北に向かう場合にはたいていこの宝仙湖・ダムに立ち寄ります。いつもより青緑の色が濃いように感じます。この色は銅イオンの色かと思います。 トイレの中にクイズが貼ってあって、この湖に流入する川の酸性度はどれくらいかという問題もあります。上流に玉川温泉があって、温泉としては最高レベルの酸性水を流しだしているのは周知のことです。でも下流への影響を抑えるために中和処理処理施設がだいぶ前から運転していますので、現在は中性に近いのではないかというように私は思っていました。 答えを見ると強い酸性でした。今でもこの湖には魚がすめないのでしょうか。数年前に田沢湖で絶滅したとされていたクニマス?が富士山麓で発見されたというニュースがありましたが、田沢湖へ発電のために未処理の酸性水を入れたことが原因でここでは絶滅したものの、現在は回復しているということを聞いたような気もするのですが、真相はよくわかりません。 昼食のあとダムの上を散歩します、延長440m、高さは100m近くあるそうです。いつか中も見学させてもらおうと思います。 一部で紅葉が始まっています。 |
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14時近くになって宝仙湖を出てブナ森トンネルへ向かいます。宝仙湖畔を通る国道341号と、北秋田市を縦貫する国道105号を結ぶ道は何本かあるのですが、最も山奥を通って険しいのがブナ森を通る旧道です。 リンク先の地図にある「ブナ森トンネル」が新道です。R341側の起点は右写真にある湯淵端の南端です。一方旧道の基点は戸瀬プレイパークのあたりです。最近のネット情報では旧道は災害通行止めで、新道が通行可能のようです。 幸兵衛の滝に行くのにはどちらを通っても良いのですが、トンネルがあってやや低い部分を通る新道のほうがよさそうです。入ってみると入り口に「災害通行止め・北秋田市へは通り抜けできません」というたて看板があります。どのあたりで通行止めで、いつからなのかわからないので、湯淵橋の北端から入る未舗装のルート(右写真)を進んでみると、トンネルを通過するまで支障はありませんでした。 |
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こんな山奥に、こんな立派なトンネルがなぜ?というかんじで通り抜けます。通行止め看板のせいか誰もすれちがいませんが、旧道と合流してしばらくして北秋田市の車とすれ違い、その先で路面の土砂を除けたあとがありました。多分この土砂崩れで通行止めとなり、作業が終わったので看板を回収に向かったのではないでしょうか。 地図上にある幸兵衛の滝へショートカットする道もあるようですが、普通の車では通れそうもありません。向こうの山肌を見ると所々木の生えていない岩盤が見えます。多くの滝や底の丸い形をした渓谷が発達しているところです。 |
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道をまっすぐ進むとR105に出ますが、幸兵衛の滝へ右折して入ります。ハイシーズンには駐車場が一杯になるとのことですが、紅葉はまだ始まったばかりで、時刻も15時に近いので、他に車はいません。でも工事用のホイールローダが作業を終えて変えるのにすれ違いました。 |
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幸兵衛の滝までは片道一時間ほどなので、暗くなるまでには帰ってこられる予定です。装備としてはライトや雨具等はもちろん携行します。 外を歩いたら蚊が居て刺されましたので虫除け、かゆみ止めも加えました。 7月の大雨のせいでしょうか、渓流を渡る箇所に架けてある一本橋が流されています。現在は水量が少ないので近くの飛び石から楽に渡ることができました。歩道もあちこち崩れた土石で覆われていますが、さほど通過困難ではありません。 |
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ほどなく一の滝が見えてきました。西日が当たって虹がかかっています。夕刻に訪れた人だけへのサービスです。 | |
一の滝を右に見ながら斜面を折り返して登って行きます(地図)。そのまま上りが続くのかとおもいきや、峰に右写真のような標識があってまた20mほどの高度を下って右岸から左岸へ流れを渡ります。わたるところには右下の写真のような丸太橋がかかっていてワイルドです。本当の丸太のままでは滑り落ちそうなので、上部が平らに削ってあって滑り止めも刻んであります。先般の大雨で流されそうになったのか位置が最短距離でないところに架かっています。帰り道には2段下写真のように、水位が少ない状態なので橋を利用せずに飛び石で渡ることも出来ました。 ★動画:一の滝 |
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増水時には水没してしまった跡のある、左岸の道を少し進むと「1.5の滝」が見えてきます(上の写真)。その少し上に二の滝があります(左写真)。便宜上名前をつけているようですが、所々に滝が散在していて、目立つところが二ノ滝と呼ばれているようです。 |
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右の二つの写真は二ノ滝(左)と幸兵衛の滝(右)の滝全景です。まだ紅葉がほんの一部しか始まっていません。また夕刻で陰と日向のコントラストが強く、三脚を使ってシャッタースピードを落として流れを筋のように撮ればよいのですが、さほど吟味しても傑出した写真が撮れるわけではないのでオート任せの撮影です。 下の写真は幸兵衛の滝の上部と下部です。全高が105mもあるということです。滝の見学通路はこれで終わりかと思って戻ったのですが、翌日もらったパンフではもっと上の林道まで登る道があるようです。2万5千分の一の地形図には載っていませんが、いつかまた来て見ようと思います。 それから9月下旬には大丈夫かと思っていたのですが、蚊がものすごく居ましてけっこう刺されました。翌日の桃洞の滝はさらにひどい状態でした(後述) ★動画:幸兵衛の滝 |
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山歩きの後の温泉は、打当温泉 マタギの湯です。だいぶ前にも入りに来たことがあります。その時は上述の玉川ダム
宝仙湖畔まで車中泊としたのですが、積んできたバイクでブナ森の旧道を越えて(新道トンネルはまだ無かった)入りに来たのでした。往復80km近くで帰りにはとっぷりと日が暮れてしまっていましたが、それなりに楽しい思い出です。下の図はその際のルートです。赤い十字があるところが新道のトンネル南端です。現在は新道のみ通行可能で、旧道は通り抜け不可とのことです 当時は質素な建物でしたが、豪華改装されて宿泊施設もあり隣にはマタギ資料館もあります。この日のお宿はいつもお世話になる 道の駅あに です。いつも冬でうず高く詰まれた除雪の山の中というイメージなのですが、夏は周りが良く見えます。 |
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二日目の朝は阿仁町の中へ入ります。前回入ったときには阿仁庁舎の前で朝市が開かれているところにあたりましたが、今回の朝市は阿仁前田(旧森吉町)で行われる日のようです。(後述) 右の写真は何度か見学したことのある異人館と鉱山資料館です。この時は時間が早いのでまだ開いていません。いつも近くに来ながら見たことのない所へ車を進めてみます。河川公園があるみたいです。 子供用の遊具もあります。本当は自分で乗ってみたいのですが、大抵体重制限があるのと、壊れると申し訳ないので見るだけにしています。 そして大きな発見はカラミ山の存在です。私の地元には製鐵原料の鉱滓(こうし。こうさいと読む人が多い)を廃棄した「産業遺産」がありますが、阿仁町でも鉱石を精錬して残ったものを゚山(カラミやま)と称して積んであるところです。形状はブロック状の物等があって、その上に家が建っているところもあるそうです。 |
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カラミ山の表面を見ると、火山の表面に似ています。その岩肌に生えている植生を見るとやはり火山の砂礫地帯に生えていそうな種類がおおく、仮にコマクサなどがあっても違和感のない雰囲気です。 阿仁合の駅にやってきました。いつか秋田内陸縦貫鉄道に乗ってみたいと思っているのですが、なかなか機会を作れないでいます。田んぼアートが何箇所かあるみたいで、回り道をして探してみましたが、車の道路からは発見できませんでした。また後の楽しみにします。 阿仁前田の駅から徒歩2分くらいの所で朝市をやっていました。新鮮な魚介類や雑貨や野菜類などがトラックに積んで並べられています。このような商文化は大切にしていきたいと思います。いくつか買い物をして、森吉山ダムへ向かいます。↓ |
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上流の森吉ダム=太平湖は、建設の主目的が山を越えた鹿角の尾去沢鉱山への電源供給だったようですが、その下流にさらに大規模に造られた森吉山ダムは、下流の治水が一番の目的のようです。 以前に大雨で阿仁前田の駅前が2m近く冠水した時に、たまたま奥のキャンプ場でキャンプをして早朝に脱出して来ましたが、そのときにはまだこのダムは未完成で治水機能は発揮されていませんでした。 ダム湖の畔に広報館が建っていますので、これから行くところの情報収集に立ち寄ってみます。そこで見つけたのが館内にも貼りだしてありますが、登山道が載っている地図です。 普段山歩きに使う地形図は2.5万分の1ですが、それには載っていないルートもふんだんに書き込まれています。例えば幸兵衛の滝から上部・東へ伸びる歩道などは、これまで見たどの資料にも載っていません。しかも情報が新しく、発行されて間もないようです。 |
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次の目的地は桃洞(とうどう)の滝です。野生鳥獣保護センターの前の駐車場で準備をして、歩くと暑くなるのでTシャツで歩き始めようとしたところ、センターの中から担当のお姉さんが出てきて、蚊がすごくて刺されるので準備をしていったほうがよいと助言をいただきました。一応長袖シャツや防虫スプレーは持っていたのですが、はじめから装着することにしました。 おはなしのとおり、戻ってくる方々はヤッケのフードをかぶって、蚊に気をつけて といいながらすれ違いました。スプレーを随時かけながら、長袖、手袋で進みます。それでも油断するとズボンの上から刺されそうになります。私たちの帰り道ですれ違った人たちは、手袋もスプレーも用意していないようで、戻ろうかと話しながら先に進んで行きました。 片道約4kmですが、3.5kmあたりまでは森の中のほとんど平らな道を進みます。この時期咲いている花は春ほど多くなく、いちばん目立つのはトリカブトでした。左下写真はその白花です。 標高の割合にはこの時期でもまだ紅葉はあまり進んでいません。 ★動画:鳥獣センター前に現れたアナグマ ★動画:桃洞の滝への道 |
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桃洞の滝まで、残り500mのところから、急に河床が広がって浅瀬と、甌穴と、落差が続く天国の散歩道のようなところを進みます。水量が今までで一番少ないくらいでしたので、普通の登山靴(防水・ゴアテックス処理)でもほとんどの部分を自由に歩き回ることが出来ます。 ダイモンジソウ(大文字草)が桃洞の滝の近く、九段の滝の下に控えめに咲いていました。 ★動画:桃洞の滝 ここでクイズです。標識の「笑内」はなんと読むでしょうか。 答えを知りたい人は、おいしい食べ物持ってきてください。お菓子無い? |
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※ 以下資料編です。 以下の地図は、前述のパンフに記載されているものを転載しました。発行元は 北秋田市商工観光課 他です。 2次的に同所を訪れるお客さんに情報提供することを目的にコピー転載してみました。もし不都合がありました際には掲示板からご連絡をお願いします。 |
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↓桃洞の滝周辺。上部記載の三階滝へは、太平湖の遊覧船からのアプローチが一般的(片道30分くらいの歩行) | |
↓ 安の滝と幸兵衛の滝周辺。裏安歩道は国土地理院の地形図には掲載されていませんがブナ森付近から少し入ってみたことがあります。、 | |