「裏岩手・大松倉山」 2006.10.9       
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 台風二個の勢力を引き継いだ低気圧のおかげで、大雨・強風・高潮で被害が拡がった3連休の初日10月7日。翌8日から天候は回復に向かいましたので、日帰りでも可能な県内の大松倉山へ秋の散策に出かけました。
 実はこの山域は私にとって長い空白の場所でした。高校生の頃から裏岩手連峰(岩手山から八幡平までの稜線)全コースを縦走してみたいとは思っていたものの、なかなかまとまった時間は取れないので、一部区間を区切りながら30年かけて少しずつ積み上げてきたのですが、最後に残った区間が網張温泉近くの大松倉山から三ツ石山荘までの区間でした。これまでの経過は次のようになります。
 (3Dも少し入れてあります)

 1.網張温泉から岩手山  S46・S54・S55
 2.八幡平からモッコ岳  S56
 3.松川温泉から大深岳・三ツ石山  S59・H15
 4.馬返しから岩手山   H8
 5.八幡平から大深岳経由で鶴の湯  H14
 6.今回の大松倉山  

 
リンク先の地図の矢印は単なる図の中心です。 拡大すると登山道も載っていますが、細い車道との区分が不明確ですのでご注意ください。配色が見にくい場合には左側のメニューで変更できます。
 
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 8日は小岩井牧場で「岩手めぐみフェア」がありましたので、寄ってみましたが、嵐の影響で出店等はほとんど中止になってしまいました。常設の売店で「スープカレー」と「ラム焼肉」をget。リビに少しわけてあげながらおいしくいただきました。

 スープカレーとは、ご飯の代わりにジャガイモが入っています。結構おなかにもたまるし、カレー味のスープがとても具と良く合います。
 出店がない分、期待して集まったお客さんが常設売店に集中して、この日はすぐに売り切れてしまいました。でも、翌9日は出店も戻って大盛況だったようです。
 翌朝なるべく早く山を歩けるように、例によって8日は道の駅雫石あねっこでPキャンとしました。
 ここは天然温泉もあり、盛岡秋田間の幹線ですので毎回他のキャンパーも見かけます。この日は他に5台ほどいました。隣接して乗り入れ可能なキャンプ場もありますのでそちらを利用する方もいます。洗面所はお湯が出て、トイレは洗浄付きです。
 場内を散策すると花のような芽のようなものがたくさん生えているところがありました。(RO)
 

 ↓雫石バイパスから網張温泉へ向かいます。目指す大松倉山が見えてきました(中央のやや平らな山)。
 網張スキー場のリフト乗り場は素通りして、「奥地産業開発道路」の一般車乗り入れ終点まで進みます。
 車を使った山登りでは、何らかの方法で車に戻るようなコースをとらなければなりません。今回は車を置いた地点から出発点のリフト乗り場までは下り坂ですので自転車を利用することにしました。ウチのコルディーにはリアキャリアは取り付けてありませんが、折りたたみ自転車2台を後部収納にしまいこんであります。
 稜線を歩くので風があるかもしれないのと、足元も濡れる可能性があるのと、自転車の下りで吹かれるのとで、最初から完全装備で臨みます。途中でスパッツ等を装着するのは結構面倒ですが、脱ぐほうは割合簡単です。
  
 ↑「夏山」リフトの運行で終点周辺だけの散策の人が多いのですが、岩手山方面に行く人も含めて結構混みあっています。

 ←犬倉山肩へ、第一から第三までのリフトを乗り継いで行きます。

 網張には冬のスキーにも何度か来ていますが、「林間コース」というのがあって、細い、アオモリトドマツ林の中を縫うコースがあるので、山スキーの雰囲気だけ味わえます(本当の山スキーはやったことがありません)。↓
 リフト終点から数分で、犬倉山展望台に至ります。↑姥倉山を経て岩手山への道と、→盛岡方面を望むことができます。

 色鮮やかな紅葉というほどではありませんが、だいぶ色づいてきています。
 稜線に沿ったコースのせいか、低気圧の強風の影響が大きく、倒木が多くありました。全体の1割くらいは木が倒れたのではないでしょうか。通過困難箇所が多くあります。まだ不安定な木もあるようなので、太い幹はなるべくくぐらないで乗り越えてゆくようにします。1時間ほどで大松倉山の頂上付近が見えてきました。

 大松倉山の「頂上」は火口の縁が残った形状で、細長い形をしています。南面は結構切り立っていて「大松倉沢」を形成しています。沢の下方にはさっき自転車で下った道が見えます(写真右二段下)。
 振り返ると岩手山方面へ続く、姥倉・黒倉山や屏風岩が見えます(写真右)。
 右前方には三ツ石から小モッコ、大深へと連なる裏岩手連峰が望まれます(写真左)。前述のように八幡平から三ツ石山荘までは歩いたことがあります。右には八幡平市、左には雫石町を眺めながら平らな道を進みます。

 火口壁の西端に着く頃、前方に三ツ石山が見えてきました(写真左下)。三ツ石山との鞍部にある三ツ石湿原と、三ツ石山荘を目指して下りてゆきます。
 
 3D
 三ツ石山荘はこの八幡平周辺の山小屋の中でも最近改築されたものです。
 私の記憶では新しい順に、三ツ石山荘・大深山荘・茶臼山荘・陵雲荘(八幡平頂上付近)・阿弥陀池非難小屋(秋田駒)・田代岱山荘(乳頭山)・焼山非難小屋・八瀬森山荘・・・・でしょうか。大白森山荘はまだあると思いますが、「裏岩手国体コース」のページに記載時点で何とか使える程度でした。
 東北の山小屋は月山や吾妻小屋のように有人で食事が提供できるところもありますが、ごく一部です。ほとんどが無人の非難小屋で、寝具は持参するのが基本です。(田代岱や八瀬森のように布団のあるところも中にはあり)
秋の湿原 3D
 小屋ではちょうど昼ごろだったこともあり、大勢の中高年が昼食を摂っていました。私たちはまだおなかが減っていないので車に戻っていただくことにして、湿原を後にしました。小屋の前では県職員の方がコースの利用状況アンケートをとっていました。
 風による倒木は、三ツ石山荘から奥産道へ至る途中にもありましたが、この辺りでは早くもチェーンソーで復旧したあとがありました(写真上)。
 滝の上温泉からも三ツ石には登ったことがありますが、その道の分岐点に標識が立っています(がまだ板だけで記入されていません:写真左)。
 奥産道から登山道に入るところにある案内地図(写真下)
 小屋から奥産道(車道)タッチまでは30分、さらに一般車乗り入れ終点まで30分、計1時間で車に戻り、車を網張スキー場まで移動させてリフト乗り場近くに置いた自転車を回収、展望の利く駐車場でゆったりと昼食にしました。下のほう、網張第4リフト近くのありね温泉が見えます。冬は雪原ですが今はまだ緑の野原。高原での昼寝タイムにしました。