「八幡平茶臼岳」 2005.7.17
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 岩手県内にある日本百名山は3座。そのひとつの八幡平が百名山に「指定」された頃には山岳観光道路のアスピーテラインは開通しておらず、健脚者だけが楽しめる世界のようでした。今では百名山のなかでも最も短時間で登れる山とされているようですが、便利になったことで、その価値が下がったという方もおられるかもしれませんが、なだらかに広がるこの山域には最短30分の頂上を目指すコースだけではなく、多くの変化に富んだ道があります。 茶臼岳は八幡平の三大展望台の一つで、東端に位置しますが、三つの中でも一番眺めの良いところではないでしょうか。
 この日は朝家をでて、安比高原に行こうか、八幡平(特に場所は決めていない)に行こうか迷ったのですが、ハンドルの向くまま、アスピーテラインを登っていきました。茶臼の前まで来ると、いらっしゃい・・・と言われたような気がして、今日はここに登る事にしました。
 
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 茶臼に登るには、黒谷地又は茶臼口に車を置いて、一部アスピーテラインを歩く事になります。どちらにもバス停があって定期バスを利用できなくは無いのですが、便数が少なく、遅れる事もおおいし、車道のアスピーテラインも歩いてみると結構花や眺望が楽しめます。
 今回は黒谷地に車を置いて、まず茶臼口まで車道を歩く事にしました。
すぐそばの池塘にはまだミツガシワが残っていました。赤い花はなんという花でしょうか?
 ↑ 山奥の登山道を歩いていてもあまり見かけないのですが、アスピーテラインの車道沿いに群落をなしているのがハクサンチドリです。車道で開けた環境が生育に適しているのでしょうか? 高山植物の中にはこんなところが好きな種類もあるようです。

 いろんな植物の次は、沼が現れます。熊沼は風の当たり具合で半分に漣(さざなみ)が立っています。→

 茶臼岳の急な斜面の中腹を通るアスピーテラインは、時に崩落する部分もあり、昨年はこのあたりで通行止めが一ヶ月近く続いたりしました。 ↓
 
 ←黒谷地から一つ下の茶臼岳入り口バス停まで、歩くとかなりかかりそうな気がするのですが、不思議な形の夜沼を眺めるところに来ると間もなく到着で約30分程です。

 ここからいよいよ登山道に入ります。岩手山を後方に振り返りながら高度を上げて行きます。 ↓

 オオバキスミレ(大葉黄菫)やイワカガミなどの花たちを眺めながら、やや急な登山道を行くと、入り口から約45分程で茶臼岳頂上に着きます。

 茶臼頂上では、なんと「リアルタイム八幡平」のマスター、Tさんと会いました。数年前にも源太森で会った事があります。夫婦で記念写真に入ってもらいました。
 ←向こうにモッコ岳、眼下には熊沼。展望は八幡平随一です。(この写真のみ2001の6月撮影)
           頂上には石楠花も。
    
 昨年改築された茶臼山荘です。最近の山小屋はし尿の浄化に工夫をこらしていて、バルコニーの下に浄化槽があります。水分は雨水を貯留して調整するようにできているようです。その機構の部分は施錠されていて見学することはできません。
 大抵の山小屋には「地階」があって、非常用品や燃料が収納されていたり、予備の居室になったりします。ちょっと「通」じゃないと入り口が発見できなかったりするのですが、今回は部屋の立派さに気をとられて探すのを忘れて来ました。
 茶臼からは黒谷地へ少し石ころのなだらかな斜面を下ってゆきますが、道端の草むらには小さな花や大きな花が咲いています。イワカガミの完全な白花ではないのですが、色の薄いのを見つけました。

 ニッコウキスゲもたくさんありますが、この花は一日花なんだそうです。一輪は一回一日だけ咲くと終わりということで朝顔なんかと同じなんですね。その割には群生する湿原にはすごい数が咲いているので、シーズン合計では一坪あたり百個くらいになったりするのだそうです。
 
 低い展望ステージのある黒谷地のこの季節の「花」はワタスゲです。綿毛は花の咲いた後の種子につくものです。
 空の雲は高い山の上では相対的に高度が低くなります。そのため写る影も輪郭がはっきりしています。雲の影がサーッと手前から向こうに向けてコントラストを変えてゆきます。
 三脚に大きいカメラを据えて、レリーズを握ったまま湿原の方をじっと見て座り、、このコントラストの絶妙な間合いにあわせてシャッターを切っている人がいました。
 黒谷地からアスピーテラインの車を置いたところへ戻る途中に熊の泉があります。いつ飲んでも冷たい水です。多分このあたりの年間平均気温に近いのでしょう、数度でしょうか。コップが置いてあったりします。
 ほとりにはキンポウゲが咲いていたりしますが、蚊も来るので対策が必要です。


 このあたりの木道は通行量が多いので複線になっています。リビも降りないように木道の上を歩かせて、小さな沼を回って行きます。イワイチョウが水辺に似合います。
 一歩きの後は温泉。
この日は秋田側へ下りて蒸の湯(ふけのゆ)に入りました。露天風呂もありますが、大谷地に近いほうの露天風呂は混浴で入るのに勇気が要りそうです。もちろん宿に内風呂もあり、女湯からは直接隣接の露天風呂にもいけるようになっています。
 ここの風呂の上がり湯は、飼い葉おけのような丸太をくりぬいた横長の槽に真水のお湯をためておいて、使う人がすくいとって使うようになっています。少ないお湯を貯めて有効に使う、なかなかいいシステムだと思います。

八幡平頂上ホテル 2007.7.16-17
 八幡平の山頂に最も近い宿は藤七温泉ですがアプローチ経路からは、岩手側では八幡平御在所温泉(八幡平スキー場)、秋田側では大深温泉です。
 車道の峠部分にある見返り峠駐車場にレストハウスがありますが、そこにホテルがあればこんなすばらしいロケーションはありません。
 まだ台風と梅雨前線の影響が残って、小雨が降る中を出発しました。盛岡近辺は降ってはいないもののどんよりとした曇り。
 ですがアスピーテラインを上ってゆくうちに明るくなってきて雲が切れ、青空がのぞきました。

    右が岩手山、奥が早池峰山 ↑


 途中の御在所温泉・みどりの湯に入ろうかと思いましたが、泉源トラブルのため入れないとのこと。近くでボーリングをしているようなのでまた再開を楽しみにして、頂上近くの藤七温泉にしました。
 頂上から少し下ったところにある藤七温泉では夕方で空いている展望露天風呂で大満足。こちらは日本秘湯を守る会の宿です。ですが、髪を洗うことなどを目的に入ると、男湯も女湯も給湯器具の不調な洗い場がほとんどで、なんとかすすげたという感じでした。
 岩手山↑        茶臼岳→
 どちらも手前が露天風呂

 露天風呂は男女別のところと、泉源に近い混浴大露天風呂がありますが、男女別の方は茶臼岳から岩手山までの展望が見事です。混浴の方は近くの車道から丸見えですのでおおらかな人向きです。30年以上前から時々入っているのですが、以前はコンセイ(金精)様が浴室にあったのですが、今回は見えませんでした。男女は時々入れ替えたりしているようです。たまにだれもいないと宿の人が、「好きな方に入って」と勧めてくれることもありました。
 風呂から上がって(車道の)頂上駐車場に向かいます。陽はだいぶ傾いてきました。
 焼山の近くにある澄川地熱発電所の湯煙が大きく昇っています。稜線も西日を浴びていつもと違った表情に見えます。

 今宵の宿は・・・そう、八幡平頂上ホテルです。秋田側に沈む夕日と、岩手側の夕映えをホテル(キャンカー)の窓から眺めながら、まずビールをいただきました。こちらのホテルでは、西の窓から秋田の水平線に沈む夕日が、東の窓からは時期により水平線からの日の出を望むことができます。

 翌朝は4時過ぎに自然に目が覚めました。山小屋などに泊まるとなぜか日の出の時刻に起きてしまいます。
 高所にある「ホテル」ですのでガスがかかったり強風で揺れたり、たたきつけるような雨粒の音で眠りが浅かったりすることが多いのですが、この日はほぼ無風で、気温も下界より特に低くはありません。
 夏至からまだ1ヶ月も経っていないので、日の昇る方角は真東よりもだいぶ北寄りです。このため日の出は茶臼岳と源太森のあいだの稜線からになります。
 ← モッコ岳(もっこという漢字が出ないのでカタカナを使用しています)ではまさに日の出が望めるようで、赤く染まっています。 左上は岩手山の笠雲です

 秋田側を見ると、自分の立っている稜線の影が大深沢周辺の山々に影をつけています。

 ホテルで朝食をいただいたあとは茶臼岳展望台と、黒谷地のお花畑に向かいます。

 黒谷地入り口の駐車場に車を置いて、茶臼口までは車道を歩きます。この区間にはバスも通っているのですが、まだ朝で便がありませんので、30分間の足慣らしにします。
 登り始めてすぐ、野いちごがたくさんありました。(RO) 同種のものを低所で食べたことがありますが、香り・味とも普通のいちご(やや昔の品種)のようです。
 茶臼展望台からは熊沼とモッコ岳のいつ来ても最高の眺めです。
 黒谷地までゆるい下りを、花を眺めながら進みます。しばらくワタスゲやニッコウキスゲを眺めて帰途につきました。
 ご覧のようにリビもなるべく連れて山歩きをしています。ですが、一部に「国立公園内にはペットを入れてはいけない」と勘違いして、公職にありながらそれを押し付けている人たちがいるようです。この件についてはまた後で記入したいと思います。

八幡平雪上散歩 2008.06.08
 八幡平頂上ホテルは大自然の真ん中にありますので、曇りや雨の時も多くあります。
 土曜の日没に間に合うようにやってきましたが、霧の中でのホテル泊となりました。他にホテル泊は2台ほど。翌朝にはハイカーが数台やってきました。
 時々薄日が射すので、回復を8時ころまで待ってみましたが変化がないので、樹海ラインを松川方面に下ってゆきました。

 藤七温泉を過ぎ、標高を下げてゆくと次第に雲の層の下に抜けて青空の世界となりました。右上の写真ではうっすらと岩手山も見えています。東方には大揚沼が望まれます。ここもいつか行ってみたいところですが、現在は廃道しかなく、沢沿いに下るしかないようです。アスピーテラインが開通する昭和40年代なかばより前には、藤七温泉までの経路として松尾村(現八幡平市)寄木からこの大揚沼のほとりを通って「ジープ道」が通っていたのだそうです。
 空を見渡すと奥羽山脈の稜線より西(秋田)側に雲が厚くかかり、少し東に出た茶臼岳は頂が見えています。肝心の八幡平頂上も顔をのぞかせ始めましたので、引き返して雪上散歩をすることにしました。
 5月には車道から歩道に入るとすぐに雪の上を歩くのですが、今年は残雪が少ないのとあわせてしばらくは石畳の上を行きます。


 歩道の見返り峠を過ぎると雪道となり、2〜3分でガマ沼のほとりに出ます。下はパノラマ合成したガマ沼です。
 沼のほとりには山桜がほころびはじめていました。八幡沼展望台とガマ沼展望台があります。
 八幡沼は5月には一面氷雪に覆われていますが、この時期はほとんどが水面になっていました。左手は山小屋の陵雲荘、奥に見える小さなピークは、いつも周回する源太森です。
 再び雪原を頂上方面に向かいます。八幡平の頂上は「アスピーテ」というだけあって、なだらかで突起がありませんので、昔は土を盛り上げて見通しを確保していましたが、現在は木製の展望台があります。これも次第に周囲の樹木に覆われて、展望の2割ほどが遮られるようになって来ました。
 ここからまた原生林の中を通って駐車場に戻る道をたどります。
  西から雲がやってきてはこのあたりで消えるのですが、雲のない部分の青空は平地とはまた違って濃い青色です。
 夏の遊歩道石畳は雪で見えませんので、竹の先にピンクのリボンを付けたコース案内を探しながら歩いてゆきます。この目印がない場合には、踏み跡をたどるのですが、前を歩いた人も適当で、結局道に迷うことになります。このあたりは地形の傾斜からは方角がわかりませんが、アスピーテラインを通る車の音がするほうに行けば最終的には車道に出られます。ですが、雪の残量が中途半端な場合には、やぶに阻まれて進退窮まり、遭難ということにもなりかねません。通信手段と地図・磁石は必須です。でなければ道しるべの無い所には入らないことです。
 ←リボンの付いた竹が見えます
 木の根の周りが空洞になっていて、時々踏み抜いてしまいます。深さは50センチ以上のこともありますので、足腰を傷めないように注意して進みます。
 歩道が右折すると眼鏡沼が見えてきます。沼は周囲に雪が残り、水中の雪は緑色に透き通っています。
 
 最下段の鏡沼はまだほとんど雪の中です。下はパノラマ合成したものです。
 まだコース途中には花は少なく、ショウジョウバカマと左のノウゴウイチゴ(?)くらいでした。車道脇には水芭蕉が、雪解けの終わったところから咲き始めています。

左下は駐車場から見える水芭蕉群落
 車に戻るとお客さんも増えていて、駐車場の営業も始まっていました。東に少し離れたところには無料の駐車場もありますが、例年こちらに停めて管理費の一部に充てられる駐車料金に協力させてもらっています。
 
 このあと盛岡別荘に寄りますが、下りのアスピーテラインからはいつも通りの裏岩手の山並みが望めます。
 
 右下は御在所温泉近くに進められている温泉または地熱発電の試掘でしょうか。温泉が出なくなって、八幡平スキー場の営業もこの冬は休業になってしまいましたが、なんとかまた再開してほしいものです。



黒谷地から八幡平へ 2009.06.28
 2009年、今年初めてのハイキングは、ホームグラウンドの八幡平です。土日の連休はとりにくい状態になりましたので、土曜の夜出発して22時前に到着した八幡平頂上ホテル(アスピーテラインの見返り峠駐車場 車中泊)に泊まります。
 明け方にかけて日の出を見にやってくる車が増えてきました。バンクベッドの窓から外を覗くとまだ霧が深く、見通しが利かないようです。でも結構明るくなってきたので外に出てみると雲海は下がって、おひさまも少し高度を上げてきたようです。
 
 ↑右端が茶臼岳

 風も弱く、しばらく肉眼とデジカメとビデオカメラで景色の移り変わりを楽しみます。
 今回は頂上ホテルの中でも北よりの「お部屋」に泊まりましたが、日の出を見るには山腹の陰になりますので、少しでも南寄りで見たほうが、赤い太陽を望むことができます。
            雲海に浮かぶ岩手山 →

 ゆっくりと朝霧が流れ下ります。
 奥は茶臼岳  ↓
 ↓ 南の大深岳から源太ヶ岳   ROでモッコ岳。その左奥には秋田駒ケ岳
 見返り峠駐車場の南にある人工の展望台から見た北側のレストハウス方向です。左端は現在の岩手秋田共同のレストハウス。右奥は旧岩手県側レストハウスで、このさらに北側に「時間外トイレ」があります。昨年までは新レストハウスの避難スペースにもトイレがあって24時間利用可能でしたが、今年度から閉鎖されたようです。通常観光地のトイレは夜間閉鎖が多いのですが、駐車場北端にあるここのトイレは17時から翌9時までが利用時間になっていて、そのほかの時間帯は立ち入り禁止チェーンが張ってあります。
 やはり山頂付近なので、日の出を見にやってくる人が多いせいでしょうか。 

 
さて、三人で朝食のあと、岩手側に200mほど下ったところにある駐車場に移動して歩き始めます。いつもですと、黒谷地口に車を置いて、茶臼岳を一周してくるのですが、今回は頂上近くに置いて、黒谷地まで車道(アスピーテライン)を歩きます。
 盛岡からやってくる路線バスもあるのですが、本数が少なくて、昼近くにならないとやってきません。さっさと歩くと黒谷地口までは30分程度ですので、準備運動もかねて歩きます。
 この区間の車道を歩くのは初めてです。車だと5分もかかりませんが、歩くと車では見過ごしたものが見えてきます。
 車道沿いにはこの季節、生育環境が合っているのか、ハクサンチドリが群生しています。今回本当に白い株をみつけました。数千株をながめて歩いてゆきましたが、1株だけ、薄い色のものは見たことがありますが、これだけ白いのは初めてでした。
 まだ朝なので車の通行量もあまり多くなく、車道沿いのお花畑もなかなか充実しています。
 お花畑は車道の北側、山沿いにつながり、谷側にはモッコ岳、岩手山、裏岩手連峰などを望むことができます。遠くを眺めたりこっちを見てしゃがみこんだりを繰り返しながら歩いてゆきます。
 源太清水にやってきました。ポンプ小屋があって、ここからレストハウスまで水道水を送っています。傍らにはあふれているところがあるので、冷たい水でのどを潤してまた歩き始めます。

 別項でも触れましたが、このあたりには「源太」という名の付く地名が他にも、源太岩・源太森・源太ヶ岳などあります。

 ここからまた黒谷地入り口までの間も結構お花畑が充実しています。
舞鶴草です。朝なので、花や葉の先に小さな水滴がたくさん付いています。
 サンカヨウもみつかりました。
大葉黄菫も、登山道より車道沿いのほうが多くみかけられます。
 30分足らずで黒谷地の入り口までやってきました。小休止して、長袖シャツを脱ぎます。ここからは湿原を縫ったり、林間の小道を行きます。
 水芭蕉は、時期が過ぎていますが、雪解けが遅かった区域ではまだ花が残っていたりします。
 黒谷地までの間にもいろいろな花が咲いています。右はシラネアオイです。
 下はミツバオウレンです。これから源太森までの道の脇にも所々に咲いていました。中には花びらが5枚より多いものもあります。
 イワナシにも花の色が薄いものと濃いものがあります。写真だと大きく見えるのですが、現物は花の直径は1cm程しかありません。

 ミツガシワの花とそっくりなイワイチョウ右上と、ショウジョウバカマです。
 途中の熊の泉で冷たい水をいただいてまた歩き始めます。
黒谷地で小休止します。黒谷地は展望台やベンチがありますので、夏季はここで休む人が多く、誰にも出会わないということはあまりありません。「お先します」と挨拶をして頂上方面への上りにかかります。

 リンク先地形図の「黒谷地湿原」下側の車道から歩いて、左の「源太森」へ向かいますが、途中で北からの「安比歩道」をあわせます。分岐点には右のような標識があり、安比歩道の終点がここ(0km)です。全線を歩いたことは一度しかありませんが、安比湿原やその上のピークまでは始点側から何度か通っています。歩道の始点は赤川砂防ダムのところです。
 やがてこのコースでは一番急な階段状の上りになります。展望が開けてきて、八甲田の山並みが遠くに望まれます。もう少し進むと岩木山も見えてきます。
 頂上方面から降りてきた人から、道路状況を尋ねられました。茶臼岳東面の雪渓の状態はわからないか?ということでしたが、そこは通ってきませんのでわかりません。
 その方の話ですと、今年は残雪が多く、前の週の岩木山では雪が多くて引き返したとのこと。また茶臼口の登山道入り口には「残雪が多いので通行困難」との表示があるとのことでした。

 行って見て滑落しそうであれば雪渓の下側を藪こぎして迂回すれば、そんなに長い距離ではないので通過できるのではないかとお話しました。帰宅後今年の状況をアップした方の写真を見たところ、踏み跡もしっかり付いているようで、ある程度慣れた人なら無理なく通過できそうでした。看板をいつごろ立てたものかわかるようにしてほしいと、その方もおっしゃっていました。
 ちなみに、雪渓の上側を巻くと、滑落するととても危険なので、巻くなら下側ですね。

 道が平坦になって少し行くと、小高い原太森への登り口の標識があります。このコースを通ったらここに立ち寄らないテはありません。
 樹海のむこうに、八幡沼やモッコ岳が見えます。岩手山も見えます。この時期にしては残雪が多いようです。

 源太森から、八幡沼へ向かいます。途中にはチングルマやヒナザクラのお花畑があります。この時期(6月下旬)のこの標高では、まだチングルマは綿毛になったものはありません。
 歩道は八幡沼のすぐ北側を東西に続きます。(南側も周回できます)
 歩道の横には、神様の田んぼと呼ばれる池塘と植物が見られます。このあたりは、駐車場からがんばればハイヒールでも来られるかも知れません。(お勧めはしませんが)
 雪田が融けたところから、遅い水芭蕉が開花しています。
 歩道に沿って形を変えてゆく沼を眺めながら進んで展望台に着きました。八幡沼と岩手山が大きく見えます。
 今回は頂上を経由しないで、本当の見返り峠(トイレのあるところ)から駐車場に戻ります。
 快適な都市基盤の延長である車から、切り替えて自分の足でしばらく歩いて、また快適なレストハウスに戻ってきました。
 今回のハイキングはちょっとした楽しみでしたが、避難小屋やテント宿泊で長い距離を歩くのも面白いものです。でもなかなか家族ではできません。
 子供たちは3人とも、避難小屋泊の山行は小学生のときに何度も経験させていますので、そのうち孫世代にもその面白さを伝えてくれることと思います。


 毎年通っている八幡平、日程が厳しかったのですが今年も無事に楽しむことができました。