滝ノ上温泉は、雫石町の葛根田川上流にあり、直近には葛根田地熱発電所もあります。外来入浴のできる温泉は3箇所あるようです。訪問するのは二十数年ぶりでしょうか。最後に訪れた時は、ここを起点に乳頭山・千沼が原・平ヶ倉沼と回りました。その前には三ツ石山まで全行程徒歩で往復したこともあります。どちらも子連れでしたが、今回は夫婦で温泉に入るだけのツアーです。 |
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R46から葛根田川沿いに進む道に 松ぼっくりアイス があります。美味しい割合に価格も抑えたままで、味のバリエーションも豊富なので、いつも大勢の人が買いに訪れます。土曜日のせいもありますが、店内に入り切らない人が外で長蛇の列です。 私たちは横の野菜類をおもにした産直目当てなので、なす等を買って先に進みます。 | |
葛根田の大岩屋跡(玄武洞)です。(地形図はこちら)何年か前に大崩落を起こして、柱状節理の上部に張り出していた部分が無くなりました。以前(30年以上前)には川を渡って、岩屋の中に入れたのですが、今は立入禁止です。手前にわかりにくいのですが鋼製のネットフェンスが設けられています。駐車場が一段高い所にあってトイレもあり、休憩・販売店もあります。Pキャン可能かもしれませんが、崩落のことを考えると悩みます。 | |
道路沿いに現れる次のポイントは、平ヶ倉沼・千沼が原経由乳頭山への登山口です。私は下山口として通過したことしかありませんが、滝ノ上温泉の駐車場に車を置いて、白沼・乳頭山・千沼ヶ原・平ヶ倉沼と巡って戻ると、昭文社の登山地図のコースタイム合計では、なんと!7時間を超えます。(休憩時間は含まれていません) 現在の体力では多分バテるか故障を発症しそうです。今考えると若い時に行きたいと思い立ったところはどんどん行動に移してよかったと思います。でも山岳会の人達みたいに毎週行くとなると、家族や他の生活を圧迫しそうでバランスが良くありません。 |
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滝ノ上温泉 なので、手前に鳥越の滝があります。その手前にトンネルがあって、支流(南白沢)の砂防工事(多分)をしていました。 | |
トンネルを抜けるとすぐ滝を見下ろせる場所に出ます。落ち込みのあたりまでは見えないのですが、深くて怖そうな滝つぼと、側壁の隙間から噴き出す温泉の高熱蒸気が混じってすごい迫力です。 | |
最初に現れる温泉場は 滝観荘です。その先に駐車場と休憩所があります。休憩所の向かいに みやま荘 の看板があります。一番奥の橋を渡ったところに 滝峡荘 があります。 | |
駐車場の奥にある休憩所です。2023.9時点で「設備故障中につきトイレ使用不可」との掲示があります。この辺りは観光拠点だと思うのですが、故障を放置しておくのはどんなものかと思ってしまいます。30年余り前にやはりこの辺りにあったトイレは汲み取り式でしたが、便器内にゴミと汚物が詰まって大変な状態になっていたことを思い出しました。建物内部を見ると、トイレはとりあえず利用可能な状態ではありましたが、故障しているのは浄化槽部分なのかもしれません。どんな設備も維持管理が大事です。 | |
休憩所の前にある案内地図を見ていて疑問に思ったのが地名の読み方。以前に読んだ地元の方が執筆した登山案内地図解説書には、「たきのうえ」が正しく「たきのかみ」は誤り。また「ひらがくらぬま」ではなく「たいがくらぬま」と読む と記憶しています。公式の看板なので吟味した上でこれが正しいのでしょうか。 橋を渡って滝峡荘に着きました。17時までの外来入浴利用時間なので、何とか間に合いました。 |
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30年ほど前にも滝峡荘には入っていますが、その当時の設備はあまりよく覚えていません。最近自家用・売電の地熱発電設備を伴って営業再開したとのことで、見学しながら利用させていただきます。 休憩室は外部に展望テラスが付いて、椅子に座って音楽を楽しむことが出来ます。湯小屋は一度外に出て別棟になります。 |
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誰も居なかったので写真を撮らせていただきましたが、一般的な公衆浴場とは違ってシャワーやシャンプーなどはありません。上がり湯は写真のように大きな木の水槽に少量のお湯と水をかけ流してあり、平均的な利用者数の場合にはほぼ満杯になっています。手桶で掛け湯を使えて洗髪も楽にできます。この方式は他の湯治場でも見かけたことがありますが、ピーク対策もできてとても合理的だと思います。 | |
浴槽のお湯は「日本一熱い」とはいいますが、もちろん人が入れる程度になっています。ただし、出湯箇所はとても熱く、しばらく人が入っていないと上層・表面だけ熱いので、よくかき混ぜて入る必要があります。 ゆったり入ることが出来ましたが、屋外の地熱発電設備からの蒸気噴出音がかなり聞こえますので、気になる人はやや大変かもしれません。 |
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温泉地というと、歓楽的な、宴会がセットになった宿を連想しますが、このような入浴に絞った所が私的には好きです。 近年自然エネルギー(再生可能エネルギーという言葉は意味不明)として地熱発電も注目されていますが、近くの温泉地への影響が懸念される場所も多い中で、温泉運営者自らが地熱発電に携わることは注目すべきことです。 滝ノ上温泉の再興プロジェクトについてこちらに詳しい経過がありました。 初秋のおだやかな一日でした。 |
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