「森吉山麓 三階の滝と桃洞の滝」  2020.10
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 秋田県最後の秘境… と観光案内書にも書かれている 小又峡 は、森吉山の東山麓にある渓流ですが、現在は森吉ダムの人造湖 太平湖 にその下流部は沈んでしまってい(ると思われ)ますが、桃洞の滝を経由して源流部まで続く独特の渓谷美がすごいところです。あわせてオートキャンプ場の中では、唯一私が何度も通いたくなる親子ふれあいキャンプ場も紹介します。
 この区域は以前にもアップしていますが、今回は空撮動画もリンクしていますのでご覧ください。
 クマゲラ エコーライン と名付けられた道は、山の中を延々と曲がりくねりながら、秋田県鹿角市から同北秋田市森吉までを結ぶルートです。
 左写真の中央に見える建物が太平湖レストハウス(左下写真)です。三十数年前からこの辺りには通っていますが、以前は食堂や売店が営業していたものの、今は小規模な売店と観光船の発券業務を行っています。でも団体の休憩等には使えるようです。トイレは立派な別棟(左の木造)があるのですが、設備維持が大変なためか閉鎖して、仮設トイレが設置されています。
 結構車が止まっていて、紅葉のハイシーズンにはこの時はまだ早いのですが、標高で100mほど下ったところから出る観光船に乗る人たちがいます。
 前回このコース(船を含めて)に来たのは、2007年、平成19年で秋田国体開催直前だったようですが、今も変わらずに楽しむことが出来ました。船は1時間に一回、小又峡桟橋との間を往復しています。小又峡の近くには昔使っていた森林鉄道の橋脚が残っていますが、鉄筋が露出して崩落も間もないかも知れません。
 遊覧船からは、溶岩が固まる際に出来る柱状節理が良く目につきますが、小又峡から上流には火口からの噴出物が固まった安山岩の所が多く、浸食により一枚岩の急傾斜地と、底が平らなU字谷が形成され、水中の転石による甌穴など、独特の景観が見られます。後述の桃洞の滝から上や、赤水渓谷の先では、ザイル・ヘルメット装備で沢登りをする人たちの聖地のようになっています。
  

 この写真 ↑ は2007年の物ですが、飛び石の形と場所が変わっているようです。浅い、広い岩盤の上の流れを歩いて楽しむには、夏はビーチサンダル、又は長靴で行くとバッチリです。
 遊歩道は片道1.8kmで、標準所要時間は45分となっています。船は1時間おきなので、普通の人は上陸してから2時間あとの便で帰途につきますが、この日は欲張って、上流の桃洞の滝も目指したいので、急いで1時間以内に戻ってくるペースで進みます。しかも途中のビデオ撮影や、滝ではドローンを使った上空からの撮影も行います。間に合うでしょうか?

 右写真は 2007年撮影です→
 下写真は 空撮動画から切り出したものです。真っ赤に染まった葉が出始めています。

 三階の滝という名称は、歩行で手軽に立ち入られる地点から見た形状で、その奥にはさらに何段もの滝が連なっているようです。ドローンでは新しい発見があります。
 左の地図は、北秋田市発行の森吉山トレッキングガイド(H26.7現在の情報)の一部です。三階の滝から上部の渓谷へ直登する一般ルートは無く、時程で5分戻って稜線上に高巻きするのが正規ルートのようです。
 稜線上から所々で渓谷を見下ろせる場所はあるようですが、三階の滝のすぐ上から奥を明瞭に見られるのは空撮しかありません。

 しかしながらこのような環境での空撮は初めてで、様々な困難がありました。
(1) GPS信号の把握困難〜 谷底と樹木で空が狭く、ホームポイントの更新がなかなかなされません。 (2) 接触の危険〜 樹木の枝や複雑な形状の岩が上下・前後・左右にあるため、接触の危険だらけ。(異常接近自動停止は前方のみ作動) (3) 乱気流〜 冷水と気流が複雑なため、レンズが曇ったりあらぬ方向に持って行かれる。上空でも乱気流。 (4) 制御信号の死角〜 滝の上は上下方向の死角となり、渓流を遡上するにも左右に蛇行するので、制御信号が途切れそうになる。自動帰還経路上も障害物が多い。

 三階の滝までの地上歩行動画はこちらからご覧ください。

 三階の滝 空撮動画はこちらからご覧ください。
 私たちはこの日の第二便(10:30発、11:00小又峡桟橋発)で到着して三階の滝まで往復しましたが、第一便でも数人の方が来ていて、途中ですれ違いました。
 みなさん私たちと違ってのんびり歩いていて、第二便に乗って帰るように間に合わせた人は居ないようでした。 第二便で到着した人たちの中でも滞在1時間未満で戻る人は私たち以外にはいなかったようです。 
 歩道の帰途でも、穴滝あたりでドローン撮影をしたりしたので、ますます時間はひっ迫してきて、最後は船着き場迄走ることとなりました。でも気を付けないと写真のような手すりの無い歩道をもし転落すると溺れそうなので大変です。
 何とか3便の復路に間に合って次の目的地、桃洞の滝に向かうことが出来ました。
 初めに親子ふれあいキャンプ場の受付を済ませて、鳥獣センターの駐車場に向かいます。駐車場には秋田のみならず、遠方からも「天国の散歩道」「ウォータートレッキングの別天地」へやってきた人たちがたくさん帰り支度を始めていました。
 時刻は14時過ぎですが、鳥獣センターでトイレを済ませてから出発の準備をしていると、管理人の方が心配して、行く先と、初めてかどうかを聞いてくれました。桃洞の滝までだけなのと、往復2時間程度と撮影時間を見ても、暗くなる17時前には戻れそうです。一応ライト類や雨具は常備しています。
 木漏れ日が気持ち良い林間の道をしばらく歩いてゆきますが、すれ違う人たちの多くは沢登りの格好をして「天国の散歩道」の領域を楽しんできた人たちのようです。高い所や急斜面が怖い私は将来的にも行く可能性は無いのですが、けっこう中年以上の方々もいます。飛び石を渡って、U字谷に小さな滝が現れると間もなく桃洞の滝に着きます。
 ここからはドローン撮影による画像です。一般のハイカーはこの上へは行けないのですが、ドローンで滝の上に進んでみます。三階の滝と同様に操縦は困難を極め、一時枝葉に接触しましたが何とか帰還できました。
 左写真は桃洞の滝の下部。
 下の写真は、左下が桃洞の滝、上方が下流です。
 初めて見る、桃洞の滝の上には、以下の写真のような渓谷がずーっと続いているのでした。まさに別天地です。下の写真では気温差でレンズ上方が曇っています。
 出発点は左上の黒丸● 森吉山野生鳥獣センターです。下部の桃洞滝までは軽装で行くことが出来ますが、9月頃までは猛烈な藪蚊が来ますので、長そで+防虫剤が必須です。
 桃洞・赤水分岐 から右の赤水渓谷にも少し歩いて行ってみたことが有りますが、地図の通り 赤い点線になる辺りで、全身濡れても良い装備が必要となるようです。

 下の写真は、地図の「六段の滝」の辺りです。ここも下から望んでも岩盤が見えるだけですが、上空からだと数段の滝が確認できます。



 桃洞の滝までの地上歩行動画はこちらから

 桃洞の滝上段の空撮動画はこちらから ご覧ください。 
 鳥獣センターに戻ると、係の人がカメムシをたくさん集めたチリトリに外の靴洗い場で水を貯めていました。 もう残っている人は居ませんかと聞かれたので、キノコ採りの人が二人だけですと報告しました。
 この日の宿はいつもの親子ふれあいキャンプ場です。こんな山奥にこんな立派なセンターハウスが、20時頃までは照明点きで、それ以降は人感センサーで点灯するようになっています。初めてここにたどり着いたときはびっくりしましたが、今でもここで泊る準備をすると嬉しくなります。この夜は他にもう一人(1台・一張・一人)だけでした。
 ここから盛岡方面までは直線距離だとあまり無いのですが、田沢湖経由にするか、くまげらエコーライン経由にするか悩むところです。ナビに任せてみたら、後者を選択しましたので、鹿角へ抜けることとします。

 中学生の時からたまにキャンプをしますが、キャンプ場を使うことはまれでした。なぜなら隣のテントの張り綱につまずきそうな距離で、校庭にテントを並べたのとあまり変わらないような環境では、私の好きな「大自然に抱かれて眠る」ことは感じられないからです。
 
 このキャンプ場は、混雑することは滅多にないようです。サイト周辺はきれいに芝刈されていて適度に木立が残っています。隣との距離も適度で、車を芝地に乗り上げることなく止められます。センターハウスも非常時に逃げ込む十分な容量があり、ウォッシュレットは付いていませんが水洗トイレやきれいな洗面所が使えます。周りには谷を隔てて山並みが展望できる丘の上のようなところです。
 下の写真では、センターハウスが2棟写っていますが,右下の方にもう一棟有ります。上空から全貌を確認出来ました。

    
この項おわり