「二戸から八戸へ 」  2019.08.01〜04
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 岩手県の北部には、一戸・二戸…と続く地名があり、青森県の南東部には八戸(市)があります。回数的にはあまり行ったことの無い地域を回ってみました。
 経由地は宮古市の山間部にある亀ケ森です。北上高地の高所には牧場が拓かれていることが多く、草原が広がって景観的に素晴らしかったり展望が利いたりキャンプ適地だったりします。
 ただし標高1000mを越えるこの場所へのアプローチも、細い山間の道を延々とカーブをかわしながら登ってたどり着きます。
 当初は 龍ケ飲水峠(りゅうがはみみずとうげ) という名称に魅せられて、行ったことが無かったので目指したのですが、カーブに飽きてきたところで、展望の利きそうなこちらの亀ケ森放牧地に向かったのでした。
 車道の峠から見える、亀ケ森の頂上へ向かって広大な斜面の放牧地が結構急な角度で広がっています。北上高地にある牧場ではこの斜度と広さは珍しいと思います。左下写真は平地にも見えますが、標高差100mほどの牧場急斜面を見上げたところです。下写真は振り返った遠景です。
 左折すると源兵衛平に至る三差路の直前に東屋と休憩所があります。この三差路は20年程前にバイクのキャンプツーリングで初めて通ったところで、今回は工事中で左折は出来ないようでした。

 一度国道(と言っても300番台で狭い急カーブが多い)に出て、押角峠を越えます。トンネルが完成間近のようで、接続道路部分を作っています。この後反対側出口も確認できました。この区間は貴重な交通路の岩泉線が廃線になったため、マイクロバスで公共交通を確保していますが、峠部分は特に難所なので改良を期待していました。右下は現在の峠トンネルです。
 こちらが下の写真撮影箇所です。
 国道340号は、廃線になった岩泉線と渓谷沿いに交わりながら進みます。橋梁等はまだそのまま残っています。中には駅舎の案内板が国道沿いにそのまま立っているところもあります。

 葛巻町も良いところですが、今回は通過して、涼しい高原にあるキャンプ場を目指します。道の駅折爪でのPキャンもありかなと思いましたが、舗装面はかなり暑くなっています。折爪岳オートキャンプ場に電話して聞いてみると、本来は前日までの予約ですが、遠くからいらっしゃったので、17時までのチェックインに間に合うようでしたらナイショで受け付けます… とのことで、喜んで駆け上がって行き、間に合いました。21あるサイトのうち、他に利用者は2台だけで、涼しく、ゆったりと過ごせます。
 人や車が大勢集まるキャンプ… それは海辺に多く発生します。山ではあまりないです。それに夏場は高所が涼しくて過ごしやすいです。ここでは他に普通にテントを張ったキャンプ場もあるようです。ウッドデッキ上に設置するので、汚れずに済みます。
 今は無いのでしょうが、某屋外活動団体では、テントの周りに溝を掘るのが基本のようですが、現代ではテントの性能やキャンプ場の特性から、それは無くなっているものと思います。
 夕日を見送ることが出来ましたが、こちらのキャンプ場も完成から二十余年を経過して、周りの木々が成長しています。おそらく設置当初は良好な展望が得られたのでしょうが、今は森の中です。
 全ての、自然の中にある人が利活用する施設について思うのですが、たとえそれが国立公園内であっても、本来の利用形態を損ねる場合には植物の伐採を自動的に認めてよいと思います。それができないなら最初から開発を許可するべきでありません。(この稿の記入に当たり念頭にあるのは裏磐梯の各所です。) ここの場合には管理事務所の前は刈払ってあったので、多分予算的な制約で茂っているのかもしれません。
 翌朝は折爪岳展望台に立ち寄ります。広大な山頂部には、各種のアンテナがあちこちに配置されています。非水洗ですがトイレもあるのでよほど暑くなければここでゆっくりしても良いかもしれません。

 当初予定では、この折爪岳オートキャンプ場、又は同じ二戸市内の稲庭岳キャンプ場のどちらかにしようかと思っていたのですが、近い方で一泊してしまったので二日目にあちこち見て回ります。
 平地へ降りて九戸城跡に入ってみます。一戸から九戸まで続く地名の中に唯一欠けている四戸(しのへ)が、「四戸城」という中にあるようですが、観光に多分力を入れてある九戸城を見ることにしました。良く手入れされた場内の一部に、発掘調査中の場所もあります。
 高橋克彦さんの著作に、九戸政実に関する作品があったと思いますが、すみません。あまり本を読まないので内容はよくわかりません。秀吉との対決の際の布陣でしょうか、案内板に武将の名前が載っています。でもドラマで見る分には良いのですが、実際に凄惨な戦闘があったと思うと、何で大昔から現代まで戦は無くならないのかと思います。
 二戸市の観光名所と言えば馬仙峡ですが、だいぶ前に男神岩・女神岩を下から眺めたことがあるだけでした。展望台があるようなので行ってみました。両岩を上から眺めるポイントで、木立の中に組んだ塔の上から見ることが出来ます。でもバス等は道が狭く、転回所も無いので入れません。途中の民家の庭先に肥えた鶏が数羽放し飼いにされていて、飼い主からピーマンをもらってバタバタと喜んで食べていました。夜は小屋に入れるのでしょうが、のどかです。
 後から地図で見たところでは、馬仙境や同公園は川沿いにあるみたいで、近くには「どんとこい岩手」の歌詞に出てくる鳥越観音もあるようです。後日機会があったらまた見たいです。
 安比高原に源流の一部を発する安比川沿いに進んで、稲庭高原に入ります。こちらにも風力発電施設があるのは知っていましたが、やって来たのは初めてです。
稲庭岳の登山口にはキャンプ場があって、近年整備されたらしいレストハウスがありますが、キャンプ場の中は平日ということもあって利用者はいらっしゃいません。散策して、木立を3Dで撮影してきました。
 左写真の遠くに見えるのは今朝出発した折爪岳です。
 上の写真の白い柱は分かりにくいのですが風車の支柱です。後方は西岳でしょうか。牛さんがいて展望の利く場所に車を止めて、冷蔵庫からアイスクリームを取り出して休憩します。

 夏場のツアーではどうしても汗をかきますので入浴場所の選定も大事です。稲庭岳の中腹には天台の湯があります。あまり期待していなかったのですが、けっこう大規模な宿泊施設で設備も良好です。送迎バスもあります。山葡萄ジュースが一杯100円で、自分で紙コップを取ってお金も箱に入れる方式で、湯上りにいただきました。

 次は岩手と青森の県境を越えて田子町に入ります。この道に沿って葉たばこの栽培と加工に係る設備が多く見られます。田子町の名産はニンニクです。ニンニクにちなんだ昼食をいただいたあと、弥勒(みろく)の滝を見学します。車道から徒歩数分で見られますが、感じとしては桃洞の滝に似ていて、丸みを帯びた岩盤と白い筋の流れが組み合わされています。地理的にもあまり離れていないので似た地質かもしれません。
 時間的には早いのですが、今回ツアーのメインである八戸三社大祭に向かいます。交通規制が始まる前に3車線一方通行のところを抜けて給油を済ませ、Net予約しておいた駐車場に入ります。24時間で350円ですが、車中泊して日を跨ぐので700円です。山車の運行経路まで700mほどで、終了後も駐車場所を移動する必要がありません。サイズもギリギリですがウチのキャンカーが入ります。難点はJR八戸線の高架下で列車通行時に騒音が心配されましたが、本数もあまり多くないのでさほど気にならず大丈夫でした。
 夕食は妻の知人(八戸在住)と三人で会食で、運行経路上のお店で美味しいものをいただきます。
 
 東北地方の夏祭りというと、私的には ねぶたと竿灯 が両雄ですが、ねぶた(青森市)は、経路上の電線等の影響で、高さが抑えられた形の山車になっています。大昔に電線が無かった時代にはもっと高かったということを聞いたことがあります。 高さのある山車では、五所川原の立佞武多というのもあるそうですが、まだ観たことがありません。もちろんテレビ等では見られますが、祭りや花火は現物を目の前にした臨場感が全てです。八戸三社大祭の山車は超立体的に展開されます。照明も内外からの灯りが効果的です。通りの幅に合わせて移動できますが、幅と高さに余裕のある通りに来ると、一気にその体積が広がります。 文章で表現してもあまり伝わらないので、動画をこちらでご覧ください。2019八戸三社大祭前半 2019八戸三社大祭後半
 でも繰り返しですが、現物の臨場感委は程遠くなっていますのでご了承ください。

 右写真は今年の最高賞「楊貴妃」です。出展団体は三年連続の一位と聞きました。リンク先は後半のビデオで約11分位から
 下写真は青森ねぶた風で成が良かった山車(すみません名称未確認です)リンク先は前半のビデオで約53秒くらいからです
 キャンカーも止められる駐車場に移動して一泊とします。ネット予約の駐車場を利用するのは初めてでしたが、24時間で350円で、日をまたぐので二日分で700円です。市街地の外に出てもっと快適なところで一泊することも考えられましたが、市内でビールをいただく可能性があったので予約しておいた駐車場を利用ました。

 八戸ではもう一つお目当てのイベントがあります。毎月第一日曜日早朝に開催される舘鼻岸壁での朝市です。まだ一日ありますので、以前から行ってみたかった種差海岸へ向かってみました。
 海辺のなだらかな起伏一面が、天然でしょうか、それとも相当に人手が加えられているのでしょうか、芝に覆われています。
 松林や波打ち際に潮溜まりがあったり、キャンプ場・遊歩道などを散策しますが、真夏で暑いので長居できません。はまゆりも見つけることが出来ました。

 近くの道の駅に行ったり、運動施設や池のある公園や日陰を探して昼食をいただいたり、市内に多くある温泉に入ったりしますが、都市部での快適な場所は冷房の効いた商業施設です。
 イオン下田店で夏物処分品などを購入して夕刻まで過ごした後、朝市を翌日に控えた舘鼻岸壁に戻ってきました。
 広い海辺の岸壁一帯に出店が広がるという情報ですが、駐車スペースも割り当てられています。本部や常設トイレがある辺りがPキャンには良さそうですが、本部の窓に貼り出された今年度のマップを見ると、その辺りは出店スペースのようなので、少し離れた駐車スペースに移動して夕食にします。
 食後は本来機能である漁港に係留されたトロール漁船(多分)を見学します。複数の船で網を引くのだと思いますが、母船の上に引き船を積載しているタイプと、別に自走するらしいタイプがあります。ふだん見かけないのでたくさん喜んで見て回ります。千葉や茨城から来ている船が多いようです。美味しいお魚を獲ってくれるくれる漁師の皆さん、ありがとうございます。
 翌朝は3時を過ぎたまだ暗いうちから、音がするので行ってみると出店者が設営を始めています。やはり本部のある辺りに車中泊していた人たちは起こされて移動を余儀なくされているようでした。
 一番人気で行列ができているのは「塩手羽」のお店です。オリジナルソングを流しながら購買意欲をあおっています。同じお店でも塩手羽以外を買う人は並ばなくて良いようです。
 いろんな業種のお店が、明るくなるとともにどんどん増えて行きます。ザックを背負ってお買い得なものがあると買って入れながら歩きますが、その場で茹でたトウモロコシやブルーベリージュースなどもいただきます。モモは一個30円。少し置いて熟れて食べると美味でした。ブルーベリーはよくみかける450円位の量で180円。二周目にまた買おうとしたら売り切れてました。変わったところでは縫製ミシンの店もあります。キクラゲも生で大盛が100円。花やギョウザやもちろん海産物もあります。
 次女の長男が大好きなカブトムシの幼虫とサナギを、まだ暗いうちからヘッドライトを点けたおじさんが売っていて、アイスボックスから取り出して見せてくれました。どちらもホームセンターで買うより高そうでしたが、妻が買って持ち帰り用に氷も入れてくれたので、寒く無いのかなと思っていたところ、近くで見るとお菓子なのでした。「テレビにも出ておかげで熟れている」ということです。
 一戸から八戸まで(九戸も含む)もいろんなものがあって楽しいところでした。
おわり