「早春の秋田」  2019.3.08〜10
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 秋田県内へは、県南部を中心によく出かけるのですが、久々に二泊で行ってみました。ただし季節が真冬でもなく、かといって緑や花が出てきているわけではないので、人工的なものの見学が中心です。。
 
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 国道107号を北上市から西に向かうと、湯田ダムの下流に岩沢の集落と駅があります。とはいっても、国道からは北上線の踏切をまたいで細い道を入らないと、知らない人は「こんなところに集落が!」という感じのところです。昔はこの奥に水澤鉱山があって、鉱夫だけで700人も働いていた時期があったようです。駅には集会施設や鉱山の資料を展示した部屋が併設されています。最初に立ち寄った際には資料室には鍵がかけられていましたが、その後の2回では中を自由に見学できるようになっていました。冬季は列車が止まる時刻になると、地元の人が来て待合室にストーブを点けてくれたりしていました。(前回立ち寄り時)
 鉱山への道は冬季は積雪閉鎖ですが、いつかは奥を訪ねてみたいものです。その道をさらに進むと夏油高原スキー場に通じるようです。
 各地に鉱山跡がありますが、産出量が減って閉山されることの他に、輸入される国外産の鉱物と比較して価格競争力が無いために廃坑になる場合も多いようです。
 また、こちらの鉱山の場合には撮った写真に十字架が写っていることが多くて、その点の説明も展示にありますが、まだ詳しくは読んでいません。また時折立ち寄って学習したいと思います。
 
 次の立ち寄り箇所は秋田県の羽後町にある、道の駅うご です。各地に新しい道の駅ができますが、こちらもちょっと古い資料には載っていません。 また、羽後町の周辺の横手市・湯沢市・由利本荘市・大曲市・にかほ市などには良く行くのですが、羽後町へは行ったことがありませんでしたので道の駅の後に別のスポットも見学をします。
 西馬音内盆踊り会館に、ナビを頼りにやってきました。雪が深い地域で、まだこんなに雪の山が残っています。毎年8月16日から三日間ここの通りで、会館が本部になって、日本三大盆踊りの一つ、西馬音内盆踊りが開催されます。
 ちなみに他の二つは 岐阜の郡上踊りと 徳島の阿波踊り なのだそうです。いわゆる素人が連想する盆踊りとしてはここが最もわかりやすいです。阿波踊りも盆踊りなのだとは、意外でした。
 踊る方の中には顔全体が目だけ残しておおわれる黒い頭巾をかぶって踊る方もいるようですが、会館の方にその謂れを尋ねると、昔は身分を隠して平等に踊る必要があったためではないかということでした。現代でも特に国際社会においては平等とは程遠い世界が蔓延していることを考えると、700年前から伝わる文化としては、これが普通だったということがわかります。
 館内には人形・記録の写真・映像の展示があるほか、シアターのようなステージを備えたホールがあり、実演展示もされるようです。
 誇れる文化があるというのは素晴らしいです。でもそれを継承してゆくということには並大抵ではない努力が必要なのかもしれません。町内会主催の盆踊りでも運営が大変なのに、私のようなナマケモノには務まりそうもありません。
 峠道を越えて仁賀保高原を目指します。峠の手前までは人家が散在しますが、右写真のようにすごい積雪量のようです。 もしかして冬季は通行止めで、大きく迂回しなければならないかと心配しましたが大丈夫でした。
 矢島の町から、スキー場への山道を登り、高原地帯を進むと仁賀保高原の風車が見えてきました。春夏には幾度も来ていますが、冬は初めてです。風車はその数を増していて、ますますエネルギー開発が進んでいます。でも止まっている風車もあるし、風が吹かない時もあるし、なんとかエネルギーをダムのように貯めておくシステムが開発されないと、太陽光も風力も主力電源にはなりません。
 ちなみにこの高原の裏側(西側)を下りて行くと、化石エネルギーを産出していた、桂坂・院内の油田があったはずです。私が高原に通い始めた1980年代には、原油汲み上げ用の馬の頭のような形をした機械が上下していたのを見た記憶があります。
 仁賀保高原の頂上にはひばり荘が建っていますが、そこから少し北側に土田牧場があります。12月から3月は以前は冬季休業していたはずですが、通りかかると誰かほかのお客さんも居て営業しているようです。私たちも入ってみました。

 こちらに来るといつもいただくのが、ジャージーカントリー(上写真)です。ジャージー種の牛さんの牛乳から作るヨーグルトとソフトクリームを合わせて盛ったものです。乳製品の中ではこれを超える美味しいものは現時点で無いと思います。
 それから辛いソーセージを焼いてもらって、暖かいストーブの前ていただきます。寒い季節に暖かい部屋で、冷たいものと熱いものをいただく、とても贅沢な時間です。

 

(写真モード設定ミスで「ミニチュア」のような撮影になってしまいました)
 冬景色の鳥海山をバックに沢山の風車とならんでひばり荘が建っていますが、こちらは完全にお休みのようです。
 高原を西に下りて、象潟の道の駅「ねむの丘」に向かいます。西日が雲の間から漏れて「旭日旗」の下半分のようになっています。ここは秋田県ですが、沖合に見える平らな島は「飛島」で山形県酒田市になります。このあと夕日がすっかり沈むのをねむの丘の展望台から眺めましたが、夕日は赤く熟れて沈むものの、写真に撮ると白く写ってしまいますので撮影はしませんでした。この日はちょうど飛島の真ん中あたりに沈んでゆきました。(当然季節によって日没の時刻と位置は移って行きます)

左下写真:飛島
 道の駅に隣接する、市場の雰囲気があった売店や食堂は、収益が貯まったのでしょうか、立派な休憩スペースを備えた新築の建物に移転していました。これなら時期や気温を問わず快適そうです。 今回はここでは何も買わずに通過してしまいましたが、反面「きたないそば屋がおいしい」的な庶民感覚も私は好きです。


 ↓キッズスペースもあります!
  道の駅との間には、雨の時でも大丈夫なように渡り廊下的な屋根がついていて、その横に足湯があります。(多分無料) こちらも屋根と側面に透明板が張ってありますので、冬も快適です。夏は暑そうですが、側面は外れるのかもしれません。

 道の駅の4階にある展望浴場で夕日を眺めながらお風呂をいただいたあと、車でビールをいただいてこの日は一泊となりました。
 二日目は日本海に沿って秋田市の方に北上しますが、道の駅岩城まで来て朝食にします。こちらには隣接して、人工島(多分)の漁港があって、橋で繋がっているので歩いて見学に向かいます。漁港ですのでもちろん荷揚げ用の車も走って行きます。

 風や波が強く、砂が風で砂丘のように盛り上がったりしているので、多分天然の地形だけでは漁港の維持が難しいため、人工島にしたのだと思います。ぐるっと防波堤で囲われた漁港内にはけっこう大きな船も停泊していて波も穏やかです。
 また、こちらの道の駅には温泉やコテージもあって、宿泊が可能です。

   上左写真:港に向かう橋の上から
   上写真:港内
   左写真:港外の波
   左下写真:漁港の写真(Googlemapより)
   下写真:漁港から陸側を見たところ
   二段下写真:連絡橋にある絵画(たくさんあり)
 さらに北上して、あきた港にやってきました。隣接して温室状の広場があって、その中にはかの有名なうどんそばの自販機があります。

 複数のテレビ番組で取り上げられて有名になりましたが、昭和40年代後半から50年代には、オートスナックやらバスの待合室などあちこちにあって私もたまに利用していました。残念ながら営業時間前でしたので見学だけとなりました。他にもやはりこの自販機を目当てにやって来たらしい人がいて写真を撮っていました。切り絵風の看板が懐かしいです。
 ポートタワーの展望台(高さ100m)へのエレベーターは以前は有料だったような気がしますが、今回は無料でした。喜んで上がって行ってまだ早いせいか空いている展望台からの景色を楽しみます。
 秋田港にも戦時をはさんで歴史があるようです。また県庁所在地としては少ないと思いますが工業都市でもあります。


 左写真:赤い車の隣がウチの車です
 さらに北上して男鹿市に新しくできた道の駅、オガーレにやってきました。なんか、聞いたことのある名前です。岩手県の紫波町に、オガールという官民複合施設があります。東北の方言では、おがる は成長するという意味で、ラ行の活用で、レが付くと命令(期待)のいみになりますが、その意味をかけているのかどうかはよく確認しませんでした。

 地場産品も多く売られていて、漁港なので生の魚類が豊富です。ハム類も各種あったので家で食べるのに3個で〇〇円をGETします。それから夏の秋田と言えばババヘラですが、バナナボートをそれ風にアレンジして、金足農業高校と共同企画した物がありましたのでそれも家に帰っていただきました。
 今回は男鹿半島の先までは行かずに寒風山だけに車で上ります。この山も比較的新しい火山なので、まだ表土や樹木に覆われない火成岩が露出しているところが多いです。
 回転展望台のあるレストハウスや、一段下の駐車場にある売店などもまだ冬季休業中です。ちょうどお昼時間になったので、車もたまにしか来ない広い駐車場で、展望を楽しみながら昼食をいただきます。テレビのチャンネルを合わせると、秋田の他に山形県の放送局も見通しなのでほとんど入ります。

 これがキャンピングカーの最大の利点ですが、自分が気に入った場所や景色の中で、家にいるのと同じような快適な状態で休憩や食事や昼寝などやりたいことが自由にできます。今回も好きなスポットや初めての興味ある場所に立ち寄りながら楽しむことができました。 

  (完)