「雲の峰 幾つ崩れて 月の山 月山に登りました」                                               2014.07.26
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 前週は鳥海山の北麓を散策しましたが、翌週の7月末に天候の回復が見込まれましたので、近くにある出羽三山の主峰、月山に登ることが出来ました。
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 岩手から山形県庄内地方の鶴岡周辺へ行くには、以前は東北自動車道・山形自動車道を経由して行くのが時間的に早かったのですが、現時点では北上から秋田自動車道で横手まで進み、13号湯沢経由で山形に入り、真室川から最上川沿いに向かいます。高速道路建設の進捗状況によって「時間地図」は変わって行きます。

 今回の主目的は月山登山ですが、2泊3日の日程ですので、出羽三山の一つ羽黒山にも「登り」ます。

 麓の手向(とうげ)にある山門を通って五重塔に向かいます。昨年の秋田県に続き、今年は山形県が「デスティネーションキャンペーン」(意味はよくわかりません)とのことで、吉永小百合さんが羽黒山のCM等に出ていますが、秋田のように「ここでCMを撮影しました」という立て札はありませんでした。
 羽黒山の石段を登り下りするのは、多分7回目か8回目くらいでしょうか。でも前回から20年以上経っていますので、体力的にやや心配で、下りには膝の外側側副靭帯が痛くなるかもしれなかったのですが、標準タイムよりは早く、上ることができました。
 急な勾配の石段と、なだらかな石畳状の部分が入り混じった参道を上って行きます。カップルで上る人が多いですが、歩く早さは概ね年齢に反比例するようです。出発前に羽黒山頂のバス停の時刻を見て、間に合うように上ってゆきました。三山合祭殿でお参りして、方々のお社を見学しながら、バス停のとことまでやってきました…。バス時刻を見ると、なんと!二分前に出てしまったあとでした。1時間勘違いしていたのでした…。やってしまった…。次のバスは80分後です。結局明日の月山登山トレーニングを兼ねて、下りも石段を歩いて戻ることとしました。 庄内みかわの道の駅まで足を伸ばして、スイカを買っていただいたり、隣接する なのはな温泉田々でお風呂に入ったあと、月山ビジターセンターに向かいます。
 ビジターセンターでは山の成因や自然について、いつものように学習しますが、他の山と違うのは、ここ出羽三山が信仰の山であるということです。その点についても説明があります。初めて上った40年前から変わらず、今も白装束に身を包んだ人たちも多く上ります。

 事前の情報収集によると、6月末にやっと8合目まで車が入るようになり、一年で最も混雑するのが7月の海の日の連休で(多分花の時期による)、今日はその翌週ですので多分2番目に混雑する日になります。8合目の駐車場は朝早い時間に満車になって、場合によっては6合目駐車場に車を置いてシャトルバスでの往復になるということもあるようですので、キャンピングカーとしては前日夜に入って8合目で朝を迎えることにします。8合目までの道は40年前には未舗装でしたが、今は全線舗装です。でも所々に待避所があるものの、狭いことには変わりありません。特にバスとすれ違う際には全長の短いこちらの車が数十メートル以上バックして広いところまで戻ることになります。 
 日本海の水平線に沈む夕日を見たかったのですが、その前に雲に隠れてしまって希望はかないませんでした。でも周囲は大体晴れて、すぐ北にある東北第二の高峰鳥海山も頂上まで望むことができます。

 少し前までの天気予報ではこの日の降水確率は30〜40%くらいでしたが、だんだん良くなって前日には午前0、午後10%となり、ついに快晴の朝を迎えました。快晴といっても雲量(そらを見渡して、雲の占める割合)がゼロではなく、頂上方面は少し雲に覆われています。

 朝ごはんを食べて少し休んでから歩き始めますが、カーテンを閉めている間に「影月山」(山の影が日本海上に投影されて見えること)は終わってしまってすぐ近くまで影が迫ってきました。もうすぐここにも陽が当たります。真夜中にも団体が到着してがやがや騒いでいましたが、バスも次々にやってきて、半分以上は白装束の団体です。私たちも6時過ぎにスタートしました。

←月山の影が短くなってきました。
 弥陀ヶ原の縁を回って登山道を進んで行きます。池塘もたくさんありますが、帰り道にゆっくり見ることとして、まずは頂上を目指します。
 前方の頂上方面を見ると、日本海からの上昇気流が雲になって結構激しく流れています。ずっと下流に行くとまた消えてしまいます。これが短い場合には「笠雲」になります。
 松尾芭蕉も月山を訪れています。当時は8合目まで車で来られるはずもありませんので、8里(32km)の山道を歩きました。そうなると途中で1〜2泊することになったことと思います。 その際に月山を望んで詠ったのが…
   雲の峰 幾つ崩れて 月の山   
という句です。おそらくこの日と同じ気象状況だったのではないでしょうか。上昇気流で次々に出来上がる雲は、山の本体に沿って峰のような形となり、それが幾重かに重なったまま流れるように動くので、どこが山の本体か見間違えそうになりながら、時折足元を確認しながらゆっくりと歩を進めて行きます。
 …そのように私はこの句を解釈しました。
 動画でご覧ください〜 雲の峰 幾つ崩れて 月の山


 弥陀ヶ原の頂上へ
まっすぐ向かう木道の途中にもたくさんの池塘や高山植物がいます。黄色いのはキンコウカ。様々な形をした池は、本当は座ってずーっと見ていたいのですが、とりあえず先をいそぎます。向こうに見える建物は参篭所です。トイレや食堂もあるようです。

 湿原を抜けると緩い上りが続きます。雪田が見えてきました。このコースの木道以外の95%は、大きな石ころ道が続きます。その中にも丸い円盤状の人口の踏み石が配置してありますのでだいぶ楽です。そうでないところは、どうしても斜めや尖った部分に足を置くことになるのですが、周辺の土が多数の登山者の靴から付着するため、石の表面に微粒子がついて滑りやすくなります。実際何度か転びそうになりました。
 そして花の種類と数もどんどん多くなってきました。80分ほどでほぼ中間の仏生池と小屋の前まで来ましたので小休止します。たくさんの登山者が休憩しています。
 このあたりはハクサンフウロが特に多く、池とお花畑で気持ちがほっとするようなところです。↓2段下の写真がハクサンフウロ、右の赤いのはお地蔵さんのよだれかけです。
 行く手の右に日本海、左に奥羽山系の山並みを遠く臨みながら高度を上げて行き、冬の風下でたくさんの雪(一部は万年雪)があるところに出るとまもなく頂上です。ここまでの所要タイムは2時間と20分くらいでした。ガイドブックなどでは、2.5〜3時間とありますので、まあまあでしょうか。
 月山の頂上には神社があります。また頂上の少し南には頂上小屋がありますが、東北地方に多くある非難小屋規模のものではなく、相当の人数が泊まることが出来る有人・有料の宿泊施設です。二十歳前後に2回泊めさせてもらったことがありました。当時よりも大規模で丈夫な造になったような気がします。
 
 
 右上は月山頂上にある神社、右は月山頂上小屋

 月山の三角点は、最高地点に月山神社があるために、それを避けて少し北側に設置してあります。帰り道の途中で立ち寄って、近くでビデオを撮っていたおじさんに頼んで記念写真にしました。
    
 頂上からは鳥海山が望めましたが、300mあまり低いこちらの月山が頂上から周囲を見渡せるのに対して、鳥海山は中腹から頂上にかけて先週と同じように雲がかかっています。
 鳥海山は、一度だけ日帰りで登ったことがありますが、現在の体力ではやや心配なのでそのうち出来そうだったらまた登ってみようと思います。

 下りも順調に歩を進めますが、道の2割ほどの所で完全休憩体制に入って、まだ先があるのか〜 などと大声で相談している人たちが居ましたが、あまりがっかりさせるといけないので通り過ぎてきました。
 
 帰り道には、登りで省略した弥陀ヶ原の遠回りの遊歩道を巡って見ます。道標には短いほうが30分、回ると50分とありましたが、あまりゆっくり眺めるのでなければその半分程度で通過できるようです。

 2段下写真:池塘の畔のニッコウキスゲとその下トキソウ
 4段下写真:弥陀ヶ原から望む月山頂上方面
 いろんな形の神様の田んぼ(池塘)がありますが、ほぼ円形の物もあります。右写真は、良く見ると、池のそこに田植えをしたように苗が育ってきています。ちらっ見ると池塘は底が見えないブラックホールのようにも思えることがありますが、ちゃんと底はあります。
 極楽のような弥陀ヶ原の遊歩道を、右に左に池塘を愛でながら回って、月山への登山を無事に終えることが出来ました。
 帰りの一風呂は 月の沢温泉 北月山荘でいただきました。泊まるにもよさそうな公共の宿です。