「岐阜県と宝剣岳へ」
  2010.07.16-19
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 2007年の夏休みでは立山と尾瀬、2008年には乗鞍と西穂高独標 へと向かいました。楽してゆく3000m(近くを含む)峰の3回目は木曽駒ケ岳の近くにある宝剣岳をめざします。また岐阜のよいところも立ち寄って見ます。
 
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 今回のツアーも金曜日から始まりますが、フライングで木曜の勤務終了後に高速道を南下し、福島の国見SAで前泊とします。
 いつものレストランに近いほうの歩道沿いは、本線からも離れていて静かで比較的空いています。このあたりです。
 今年は夫婦+福島別荘管理人での旅とすることができました。早朝にアパートに寄って拾った後、東北道から磐越道への入ります。東北地方から関西方面へ向かうには新潟経由の日本海回りが近道です。
 この時点でまだ梅雨が明けておらず、磐梯山も雲に見え隠れしています。

   関越自動車道は混んでいますが、北陸道に入ると通行量はやや少なくなります。米山SAで休憩してソフトクリームをいただきます。
 高台から海が見渡せてます。(RO)下は180度の画角で「一振りパノラマ」で撮影したもので、小さいですが右のほうには海が広がっています。

 北陸道の難所、親不知にさしかかりました。今までに2回通っていますが、方向が逆で夜でしたので、高速道の構造(海岸高架橋)を見たことがありませんでした。一見不安定な構造に見えますが、以前建設関係の広報誌で様々な建設上の困難の内容を読んだことがありました。
 砺波JCTで北陸道から東海北陸道に乗り換えます。桜ヶ池ハイウェイオアシス城端サービスエリアに昼食をとりに寄ります。
 高速道のSAから一般の施設が利用できるようになっています。場所はこちらです。 ですが、SAから一度こちらに向かうと、SAの施設には戻ることが出来ない構造になっていますので要注意です。
 こちらだけでも結構見所がありそうですが、今回は先が長いので昼食と産直を見るだけにします。3人でおにぎり2種と、カレーと、天ぷらそばを回し食いしました。自動券売機で購入すると、オーダーも自動で入るようになっています。すぐに出来上がって、呼び出してくれます。味はGoodでした。


 今回の旅では記録装置をこれまでの、「デジカメ+ビデオカメラ (ハイビジョン・DVテープ式)」 の2台体制から、「フルハイビジョン映像も撮れるデジタルカメラ」 に変更しました。ビデオ映像については後ほどアップしますが、デジカメの新機能を試してみました。4段上のパノラマ写真は「ひと振り」で撮影したもので、PC合成ではありません。
 左上の写真は逆光補正機能ですが、ストロボは使用せず、外・中共よく見えるように補正してくれます。その下は補正しないで撮影した画像です。
 長めのトンネルを幾つか抜けて、最初の目的地の世界遺産・白川郷に向かいます。

 白川郷インターを降りて給油したあと、白川郷の中心部へ向かいます。駐車場の位置などが良くわからないまま進んでゆくと、荻町交差点から西へ曲がるように誘導されます。短いトンネルを抜けて左下(東方向)に、民家園や美術館などもある大きな駐車場があり、そこに停めます。キャンピングカーは別のエリアに誘導されますが、料金は普通車と同じです。

 荻町合掌集落へは歩道の吊り橋を渡ってゆきます。多くあるワイヤーロープを張った下に橋板(歩道板)を吊る構造ではなく、橋板自体が吊りロープの上に載ったような構造です。相当な張力がかかるはずですが、両端アンカーをしっかりとっているものと思われます。つり橋の例にもれず、多少揺れます。

 各所に水路が通っていて、虹鱒や鯉が泳いでいます。また要らない心配をしてしまいますが、山が迫っているので小動物が来て魚を食べてゆくことが無いのかなと思います。それから鯉はともかく、虹鱒が住める水質となると、この水路には生活排水が入っていないようです。通りにはやはり汚水管のマンホール蓋がありました。デザインは当然合掌集落が描かれています。水質面でのサポートをするには汚水処理施設が必須となります。
 集落の中の家は、公開や観光関連の建物だけではなく、一般の民家もありますが、どちらのお宅もそれらしい佇まいと、周囲の手入れに気を配っているようです。

 「冷やしぜんざい」の張り紙に釣られて「落人」というお休みどころに入ってみました。

 三人で、冷やしぜんざいとゆずティーとコーヒーを注文しました。半地下構造の建物は、冷房無しでも割合涼しくすごせます。天井まで通しの合掌屋根構造です。
 コーヒーは好きなカップを選んで注いでもらえます。黒のコッカースパニエル(イングリッシュ?)がいて、愛想を振りまいてくれます。わんこ好きの福島別荘管理人に撫でてもらっていました。
 この地方の漬物は赤い色をしたものが多いようです。
そして、公開している民家の見学をさせてもらいました。まず1階の部屋と庭に行って見ます。
 天井には囲炉裏の煙が階上へ登るように格子の部分があります。急な階段を上がって3階も見学させていただきます。柱の接合資材は縄なのでしょうか?あまり強度が無いと思われるので、藁縄は屋根葺き材を固定するためだけのような気もします。
 広大なワンフロアです。養蚕のための用具などが展示してあります。じいちゃんを連れて来たら説明をしてくれたかも知れません。 2面の両妻側から遠くまで見渡せますさらに上の階もあるようですが公開はここまでです。
 お土産などを買ったあと、メインストリートから外れた裏道を通って戻ります。さっき渡った吊り橋の下流に早瀬がありました。この川は荘川で、日本海に注いでいるようです。このときの前後には岐阜県内に大雨が降ったりしたようですが、あまり濁ってはいない、きれいな流れです。
 この通りにも普通の民家が並んでいて、やはり合掌造りです。たまたま改修工事をしているところを見ることができました。普通の住宅の構造とは力の支え方が違うようです。
 駐車場に戻るとキャンカーの台数も増えていました。こちらの民家園も時間があれば見たいところです。

 そのあと国道360号に回って荻町城址にある展望台から振り返ってみます。右下のお宅が先ほど見学させていただいた和田家です。
 再び東海北陸道に乗って、次の目的地に向かいます。地図で見るとものすごく長いトンネルがありましたが、中間で地上に出る部分もあるのではないかと想像していました。でも実際に1本で11kmあるトンネルでした。読みにくいのですが、出口まで6km、入り口から5kmであるのがわかります。
 次のインターの飛弾清見で降りますが、飛弾高山までは無料の自動車専用道が繋がっているようです。



 現在も工事中の高山インターで降りてお目当ての醸造店があるところに向かってゆきますと、路面に「古い町並み」というレーン案内表示が書いてあります。
 この辺りの駐車場に車を置いて歩いて歩き始めます。
 歴史と情緒のある町並みは全て、通りに面して運営している方々の努力によって景観が保たれています。

 こちらの漆器店に入って、お箸を買いましたが、店内を見ると、奥に中庭がありました。テーブルには小さく花も添えてあります。 このあと見させていただく建物(商店)にはかなりの割合でこのような風情を感じさせるスペースがあることに感心しました。お話して写真を撮らせていただきました。

 観光用の簡単な地図では現在地が把握しにくく、目標としていた醸造店が見つけにくかったのですが、うまく見つかりまして、朴葉みそを購入することが出来ました。
 一昨年乗鞍の営業山小屋に泊まったときに、朝食に出されたのが初めてでしたので、この辺りの名物なのかなと思っていました。 このあたりも 高山市指定の町並み保存区域になっているようです。
 すぐ向かいには木の雑貨や絵本の雑貨、乳製品のもーもーバーなどがあります。
 本当はゆったりした日程で、駆け足ではなく、興味のある所を一つ一つ見て回れば、もっと充実した旅になるのでしょうが、現役で休暇に制限があるうちは将来の希望としてとっておきたいと思います。
 街角にあった和風ファストフードコーナーで、飛弾牛たこ焼き(タコの代わりに牛肉が入っている)と、飛弾牛の串焼きをいただきました。
 旅先ではやはりその土地の産品をいただくのが美味しくもあり、礼儀でもあります。
 通りに面したお店ばかりではなく、小路の奥に並んでいる所もあります。そのような所でも景観に対する配慮は行き届いています。
 また、先の白川郷では中国人団体客が多く、日本語を話すのが恥ずかしい感じでしたが、こちらでは2〜3割が西洋系の方で、個人旅行を楽しんでおられました。私としては珍しく、一人ずつ写真を撮ろうとしていたペアの方に進んで声がけして2ショットを撮ってあげました。
 高山市内でスーパーを見つけて夕食の買出しをしたあと、飛弾清見インターまで戻って、また一区間南下します。今日の宿は道の駅荘川です。幾つかある温泉付の道の駅です。夕刻に到着するとものすごい夕立がやってきました。雨粒だけではなく、雹も混じっているようです。10mほどですが傘が無いと移動できません。定石どおり、雷雨とともにこの日梅雨が明けたようです。
 温泉付の道の駅ということで、混雑を予想していたのですが、大丈夫でした。Pキャンしたのも数台でした。
 誰もいなくなった時に写真を撮らせていただきました。お湯の滝があって、滝の裏側へも進むことができるようになって居ます。休憩所もゆったりして、思わず足マッサージの器械を利用してしまいます。

 これから豪華な(?)夕食 →
 翌朝の広い敷地内。左の建物は交流センターとのことです。 ↓
 岐阜県内には道の駅が随所にあるようですので、朝食の前に何区間か走り始めます。荘川沿いに5連の大きな水車などがあって止まって眺めたり、川にかかる橋を渡ってみたりします。
 156号線を南下します。「分水嶺」とあるところをを越えましたが、帰ってから地図を見ますと、日本海と太平洋へ注ぐ水を分けるところでした。
 東海北陸道は、前述のように長大トンネルが多くありますが、それと同じくらい橋梁も駆使されています。飛弾清見インターも複雑に入り組んだ曲線の橋で構成されていました。
 大日岳・白鳥と通過して、おなかの減ってきたところで、「古今伝授の里やまと」の道の駅で朝食にします。
こちらの駅も温泉が併設されているほか、隣に産直もあってお客さんが次々にやってきます。
 朝ごはんをいただきながら、気になるまわりの車を観察します。向こうの木陰にはフォールディングテーブルを出して朝食をとっていた多分親子の3人(大人)がいらっしゃいました。ノーマルの軽ワンボックスを最大限に有効活用して車内泊もこなしている「達人」の方々です。もう一台、一人で楽しんでおられる方もいました。
 室内を有効に使うには、無理に固定炊事用具などを取り付けて室内を狭くした8ナンバー軽キャンパーよりも、無改造の方が使い道がありそうです。ただしポップアップルーフで2階就寝スペースが取れる改造は有効だと思います。
 そして、別項でも掲載予定ですが、車体外側サイズに特別な制限が無いのであれば、普通車のワンボックス(貨物車)がはるかに使い道があります。価格面でも軽キャンパーよりはるかに安く、軽ワンボックスの上級グレードと大差ありません。
 朝食のあと、岐阜県内第3の目的スポットである郡上八幡市街に入ります。

 細い路地をぐるぐる回るとぽかりと空いた駐車場がありましたので、そこにコルディーを止めます。
 郡上八幡の街も歴史を感じさせる素敵な通りや建物が多く並んでいて、飽きることがありません。
 町並みとは直接関係無いのですが、日本が世界に誇る産業の一つである「食品サンプル」の工場がこちらにはあります。その製作体験をさせてくれる所があります。予約もできますが、土日はフリーだけのようです。

 2人は天ぷら作り、私はミニパフェを作ることにしました。パフェの方はあらかじめ果物の部品が出来ていますので、「クリーム」を使って盛り付けると出来上がります。

 天ぷらの方は、衣に見立てる液状の蝋を水の表面にちゅるちゅると落として、衣の立体感を出します。水に浮かんだ衣の中に海老や野菜を載せて包み込んで形を整えると出来上がります。
 それから天ぷらのパックにレタスのおまけが付きました。レタスは薄緑色と白の2色の蝋を薄く水面に重ねて流して、根元から葉先にかけてのグラデーションを出します。次に片端から沈めて硬化させ、縦じわを指で形成します。
 こちらの本業は観光客相手ではなくて、店舗用の食品サンプルを作ることですので、その工房も見学できます。
 体験コーナーの奥には、やはり中庭があって、休憩所とトイレもあります。店の道路沿いにはみやげ物コーナーがあって、本当に美味しそうなみかんやケーキが並んでいます。
サンプル工房の次は、散策に出かけます。街を流れる川はゴムボートによる川下りの出発点にもなっています。インストラクターの元で指導を受けているようです。

 観光案内所で聞くまで知らなかったのですが、こちらの橋は毎年盛夏の頃にニュースに出る、高い橋の上から子供たちが川に飛び込む所だそうです。でも慣れない人はけがを擦る恐れがあるので注意との看板がありました。
動画はこちらからご覧になれます。

 そしてこのまちは郡上踊りで有名です。フォークダンスの一分野として日本の民踊もあるのですが、春駒という曲名で振り付けがあります。歩いているとBGMで春駒も流れていました。

 こちらの路地を入って行くと宗祇水という湧き水があります。観光客が時々来る程度でしたが、もしかすると生活に利用されているのかもしれません。
 中心街と思われるところを歩いてみます。こちらの車はたまたま通りに止めてありますが、各戸のやはり景観に配慮してか、車庫は家の1階部分に収めてある所が多いようです。
 また、まちを流れる水路も、だだの側溝ではなくデザインにも配慮されています。公衆トイレも町並みに合わせてあります。水路もトイレも、汚水処理がきちんとなされていることが前提になりますので、やはり渓流魚のデザインのマンホールがありました。(サカサマ撮影でした。すみません)
 こちらは「柳町町並み保存会」が管理されているようです。やはり行政だけではなく、地域にお住まいの方々の意識が高くないとこのようなすばらしい空間はできません。


 郡上八幡
からはしばらく長良川に沿って下ってゆきます。ゴムボートで川下りを楽しんでいる人達が結構います。(小さくてわかりにくいのですが、赤や青のボートが見えます)
 高速道も一部利用して次の目的地、岐阜県関市に向かいます。
 昼食をとるために向かったのは、コックさんという洋食屋さんです。福島別荘管理人が調べてくれていて、美味しいお店などの分析をしているサイトがあるそうで、そこからの情報です。
 オムライスと、ハヤシライスと、あと何だったか忘れましたが、美味しくいただきました。
 最近方々の水族館に凝っていて、アクアマリン福島のパスポートなどもっている福島別荘管理人は、今回も岐阜にあるアクアトトぎふという淡水魚の水族館が目的の一つです。
 場所は各務原市にあります。橋を渡ってすぐお隣はもう愛知県です。この読みかたが今まで適当でした。カクムハラではないのは知っていたのですが、カガミハラだと思っていました。ところが道路標識の英語表示を見て間違いがわかりました。すみません。
 上の写真は木曽川付近の水路です。良くわからないのですが、これだけ巨大な断面の水路でありながら、ほとんど水は流れていません。でも水位が上がった跡はあります。多分洪水調整用の放水路かもしれません。
 さて堤防の上を走って、ハイウェイオアシスからもアクセスできるアクアトトに付きました。
 水族館の内部も、写真では魅力をお伝えしきれないので、微力ながらビデオでお楽しみください。
おさかな1 14秒
   ★ 職場のPCなどでは、サイトに規制がかかっていてYouTubeも該当する場合にはご覧になれませんのでご了承ください。自宅でご覧ください。
おさかな2 19秒
おさかな3 13秒
 場内の観覧車や、近くのツインアーチ138を眺めながら今夜の宿泊地の長野県内に向かいます。 
 おのぼりさんとしては、大都会の高速道路を緊張しながら、名神から中央道へと進んでゆきます。
 濃尾平野の快晴から変わって、向こうの山肌が白く煙っています。
 やがて車は激しい雷雨の区間に入りました。徐行しないと危険なほど降っています。 まもなく恵那山トンネルに逃れ、長野県に入ります。

 いよいよ今回の最大目的である中央アルプス宝剣岳へ至る経路に入りました。陽が傾いてきたころに駒ヶ根インターで降りてロープウェイのある方に向かいます。こちらの駐車場は、24hの自動ゲートでPキャン可という情報を愛知にお住まいのOさんからいただいていましたので、場所とあき具合を確認した後、近くでお風呂をいただきます。
 車は夏季ですので翌日午前中の陽射しに備えて東側の木陰に駐車します。またバスの時刻確認や券売所、並ぶ所などを見ます。
 
 翌朝は始発の1時間前に並んだのですが、かなりの列が出来ています。待ちながら周りの人から情報を得ます。
 まず、並ぶ列は「券を買う人の列」と、「乗車待ちの列」の2本があります。私たちは1人ずつ両方の列に並びましたが、一人だと困りそうです。乗車後でも購入できるという情報もありましたが未確認です。 妻も千葉から来た方と情報交換をしていました。近くの人のお話では、ふもとのコンビニでも乗車券(バス・ロープウェイ)を前売りで扱っているとのことです。乗車前日に買うのが一番効率よさそうです。
 それから待合の列が、枠内に入りきらなくなると、どこかで折れ曲がって適当な方向に伸びてゆくのですが、2つの列の何処が最後尾なのか確認が困難なってきます。係の人が整理にやって来るまでの間は混沌とした中で待つことになります。
 団体は別枠のバスでロープウェイ駅に向かうようですが、一般用はあまり頻繁には来ません。でも臨時便は出ているようです。福島別荘管理人は車の中で寝せておいてバスに乗り込みます。

 バスは曲がりくねった道を、途中で背後の南アルプスの山並みを説明したりしながら、ロープウェイのしらび平駅に向かいます。
 駅でも少しの待ち時間列に並びますのでトイレにも再度立ち寄っておきます。これが遅い時間になると乗車待ち人数がものすごく増えてくるので、整理券を発行して、並ばないで待つ形式になってきます。
 さていよいよロープウェイから高所の眺めを楽しみながら宝剣岳に近づいてゆきます。

 ロープウェイの駅舎から振り返ると、南アルプスの山並みが雲海に浮かんでいます。建物の中に展望スペースがあるので、冬期等にも軽装備でここから冬山の眺めを楽しむことが出来そうです。
 外に出ると目の前に180度のパノラマが快晴の宝剣岳を中心に広がっていました。準備体操と記念写真を撮って深呼吸したあと時計回りに宝剣岳を目指します。

目の前にひろがる千畳敷カールと宝剣岳の山並み ↓
7月中旬でまだ雪が登山道に残っていますが、ステップを切ってあるので特に装備は要りません。団体の列を追い越して、極楽平に向かいます。



 すこしずつ高度
を上げながら、足元の花たちや振り返った山並み、白い雪渓でコントラストが強くなった空を時々立ち止まっては眺めます。
 千畳敷カールからまっすぐ木曽駒に向かったり、乗越浄土から宝剣岳へ上るコースと違って、こちらのコースを取る人はあまり多くありません。先を行くパーティが、最後の雪の階段を上って稜線に出ます。
 ここからは右に左に大展望を楽しみながら、なだらかな道を進んでゆきます。
 極楽平の名の通り、高山植物がちりばめられた、障害物の無い快適な所です。北に見える独立峰(2枚上の写真)は、近くの人に聞いたら御嶽山ということでした。一昨年は逆側の乗鞍岳から望んだ山です。
 南東には、南アルプスの山並みを越えて富士山の頂も望まれます。
 



 極楽平の
ゆるい登りを進んで宝剣岳が目の前に望むところまでやってきました。
 最初の岩場に目を凝らすと、鎖を伝ってやってくる夫婦らしいパーティが見えます。私たちはその逆方向にこれから辿ってゆきます。宝剣岳は、南斜面のほうがやや難しいので、周回するのであれば南斜面を登りに使った方が良いという、先の0さんのアドバイスによりましてこちらから上ることにしたしだいです。
 先を行くパートナー(妻)は、ひょい・ひょいと岩場を伝わってゆきます。斜面の下を見て…わたくしは高い所が苦手だったことを思い出しましたがもう後の祭りです。やせ尾根や手すりの無い、落ちたら何百メートルも転落しそうなところがこれからしばらく続きます。

 頂上までは
小さいアップダウンが結構あります。1枚の岩としてはコース中最も大きい(らしい)所の下りにかかりました。(右写真・通過後に撮影)
 下ってゆく私たちからすると、下が見えないので進みたくなりますが、先に進んで見ていた人が、「上ってゆく人が居るので上で待っているように」とアドバイスをくれました。
 私たちは慣れていないのですが、このような場所では常識的な行動のようです。

 緊張で疲れもあまり感じないまま、振り返ったり横を見たりしながら、頂上直下の登りにかかります。

 他の方々のHPを見ますと、頂上直前にある、右写真の突き出した岩の先に座ったり立ったりして記念写真を撮っておられる方もいらっしゃいますが、そこの下は何百メートルも転がり落ちてゆくような崖です。右下はふもとの方から見たこの突き出た岩の部分です。 ・・・とても私には出来ません。
 宝剣岳の頂上から北の方を望むと、手前の中岳、木曽駒ケ岳のはるか奥に北アルプス、槍ヶ岳のピークも望めます。
 中岳へ登った後は、乗越浄土から八丁坂を下って戻ります。長い下りでは膝に来るので、予め 側副じん帯保護のために専用サポーターを巻いてかかりました。この坂は九十九折が延々と続いているところで登ってくる人達は大変そうです。



 ロープウェイ頂上駅よりも少し低い所にある、カールの底の剣が池を回ってゆきます。向こうの雪渓を横切って乗越浄土に向かう人達の列が見えます。

 帰りのロープウェイに乗ったのは10時過ぎでしたが、私たちの出発が早かったせいかまだ混んでいません。逆にこれから登る人達は山麓駅で何時間もの待ち時間の札を持って周辺の散策などをしながら待っていました。
 やはり夏山は先手必勝でしょうか。これもふもとの駐車場に一泊して朝イチから行動開始できるというキャンピングカーのおかげです。
 留守番の福島別荘管理人は、まだ寝ていましたが、起こして麓の駒ヶ根市で名物のソースかつ丼をいただいて帰途につきました。
剣が池に映る逆さ宝剣です。→


 ここ4年の間に3回ほど岩手から日本アルプスに通い、立山・乗鞍・宝剣岳と、かんたんなコースですが歩かせていただきました。諸々の環境と現状の体力などを合わせると、もっと長期間でもっとハードな部分へ行っては見たいものの、今のところこのあたりがいっぱいのような気がします。また環境が変わりましたらステップアップして行きたいと思います。

 また、行ってきてから報告が完了するまで1年近くを毎回要することとなりまして申しわけありません。年間の周回遅れにならないように、やっと初夏に間に合わせることができました。

これからも、時々ご覧くださいますよう、よろしくお願いいたします