竜飛岬へ 2009.9.21〜22
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 本州最北端は斧の形をした下北半島。本州の中では最果てという感じのところです。ここへ行くには当地岩手からでも結構な時間と覚悟がいります。そして私にとって東北地方の中でも下北よりも遠い存在で、最も行くことが少ないのが竜飛岬です。 
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 半島の先端近くには、演歌好きでなくても多分知っている石川さゆりの名曲「津軽海峡冬景色」の歌碑があり、大音響で歌を聴くことが出来ます。前奏のあと、この地が出てくる2番の歌詞から曲が流れ出てきます。海峡を望みながら歌を聴くと竜飛岬にやってきた実感が湧きます。
 それではやや観光地と道の駅めぐり的な感じもしますが、親子3人での竜飛岬前後の記録をご紹介します。

 2009年は9月がシルバーウィークということで、やや長い連休となりました。日曜夕方に出発して姫神山を望む前森山PAで一泊、翌朝走って何個目かのPAで朝食をとり、大鰐弘前インターで降ります。

 本年度は山歩きがあまり出来ませんでしたので、近くにある岩木山に登るコースを取ります。弘前市街を過ぎてだんだん岩木山が大きく見えてきます。

 今回もせっこきコースで、岩木山スカイラインとリフトを乗り継いで、実歩行時間30分ほどで頂上に立つことが出来ます。
 手軽に登れる山ですが、独立峰なので平野部の景観はすばらしいものです。なので、すごく混み合います。今までに経験したどこの山域よりもたくさん人がいました。
 距離は長くないのですが、ガレ場の急斜面があります。手を付いたほうが楽に登れるところも多くあります。でも3000m級と違って酸素が薄くないので、息がさほど切れることはありません。
 北側には鯵ヶ沢、十三湖から、これから向かう竜飛方面が望まれます。
 南側には、いつも通っている八幡平の上に岩手山が載っています。向こうからも天気が良いと見えますが、初めて登った岩木山からはっきり同定できる天候だったことは幸運でした。

 ↓ROで八幡平・岩手山方面拡大
 他に形と方角と私の知識から同定できた山は、

 左 :鳥海山 (上奥の薄い部分)
 左下:八甲田連峰
 下 :秋田駒ケ岳
 ・・・と思われます。倍率はそれぞれ違います。

 おやつを摂っていると、霧(雲)が昇ってきました。(下の写真)天気予報では下り坂とのことでしたので、もしかするとこのまま数日間頂上は雲に覆われたままになるかもしれません。
 右の写真は翌22日にふもとから撮影したものですが、7合目から上は雲がはがれることは無く、登山日和だったのは21日だけだったようです。




 8合目の駐車場まで戻ると離陸準備中のハングライダーが何機かいました。ここの駐車場に入りきれない車の列が何百メートルか伸びてきているようなので、長居はしないでふもとで昼食を摂ることにします。

 イオンモールつがる柏で買い物をしたあと、今日の宿泊地へ向かいます。何箇所かの道の駅を候補に検討しましたが、比較的新しい「たいらだて」にしました。
 太宰治の斜陽館は訪れたことがありますので、金木から青森湾方向に向かいます。国道280号バイパスとの交差点にこんなかかしたちが並んでいました。たまにこんな企画に出会うと、地元の人たちの心意気が感じられて面白いものです。
 
 黄金色の田んぼの向こうに、野焼きの煙幕がたなびいています。海は見えませんが、田園地帯のまっすぐな道をしばらく進みます。

 バイパスから海沿いの本道に戻る途中に日帰り温泉蓬田がありますので、本日のお風呂をいただきます。一人だと350円と安いです。でも石鹸やシャンプーは備え付けがありませんので、持ち込む必要があります。普段は地元の利用が多いのでしょうが、この日は県外ナンバーが目立っていました。

 青森湾沿いでは多分最大の集落、蟹田の近くで、津軽海峡線の列車とすれ違いました。私たちのコースは蟹田から海沿いに北上しますので列車をここで見られたのは幸運でした。
 なお、食材などを購入する必要がある場合にはこの町にあるスーパーが最後となるようですので、食糧備蓄が少ない場合には補充の必要があります。

 道の駅たいらだては、集落から北に進んだところにありますので、途中で見落としたかなと不安になったころに現れます。
 近くには灯台やオートキャンプ場・立派なキャビンなどがあり、連休ですのでにぎわっています。
 Pキャンしたのは他にキャブコン1台と、ハイエース200系キャンパー3台、普通車数台でした。

 灯台の近くにはペンションもあります。灯台のすぐ脇にある巨大なラッパのようなもの
(RO)は、多分霧笛を出す装置だと思われます。
 平舘海峡を挟んで下北半島が望まれます。白っぽいところは一昨年行った仏が浦でしょうか。
 海岸周辺には遊歩道や東屋などもあります。
 こちらの道の駅で少し気になったのは、メンテナンスです。ツリーサークルの雑草は結構伸びていますし、自販機の前には収集されない空き容器がたまったり散乱しています。多分道の駅設置実現には地元やら自治体の熱意があって作られたのだと思いますが、設置後の運営や維持管理まで十分に行って機能させるだけの体制を見込んでおく必要があります。 あまり実入りのない利用者としては申し上げにくい事項ですが、一般論です。
 翌朝、マグロの三厩へ向かいます。
 ウチでもテレビの旅番組をチェックしますので、行きたいところ、行ってきたところ、食べたいもの等の情報が結構入ってきます。
 前回の下北では大間のマグロをいただいてきましたが、同じ海域の津軽海峡でとれるマグロを水揚げしているのが三厩です。

 280号線の旧道を走りながらそれらしい設備・情報を探しますが、やや事前情報が足りないので手探りになります。
 今別漁協の前まで来ましたが、事務所ですので朝早くてまだ開いていません。張り紙がしてあって、マグロの解体ショーは来週のようです。

 もう少し行くと三厩村漁協があって魚市場の建物もありましたので、作業をしている方に聞いてみました。マグロを食べさせてくれるところは、お寿司屋さんなので、朝は開いていないとのことでした。
 でも写真は撮りませんでしたが、水揚げしたばかりのマグロを出荷準備しているところでした。

 この船が釣って来たのでしょうか、作業が終わってまた出港するところです。
 前夜が道の駅泊でしたので、まだ朝が早く、まぐろをいただくには無理があったようです。気を取り直して先へ向かいます。

 竜飛崎のほぼ先端にある国道がこちらの有名な「階段国道」です。途中まで駆け下りていって、駆け戻ってきました。階段を走るのは疲れますけど気持ちがいいです。
 下の写真は竜飛崎灯台から南東方向を見下ろしたところです。来る途中に道の駅「みんまや」がありますが、駐車場とトイレ(写真中央)がこちらにもありますのでPキャン可能かと思われます。
 中央左寄りが冒頭で紹介した石川さゆりの歌碑です。右下は階段国道の降り口、上左はホテルです。
 RO写真で階段国道の途中にある広場(右写真)のあたりが見えます。
 売店等のある広場からちょっとだけ歩いて灯台に着きます。あたりにはカメラマンの群れがいて、何やら海の方を超望遠レンズで狙っています。鳥でも撮っているのでしょうか?めぼしい鳥影は見えませんでしたし、方向がほぼ同じなので多分マグロ漁船が一斉に帰港するのを撮っているのだと思いました。


 青函
トンネル記念館の開館時刻にあわせて入場の列に並びます。記念館とは言っても、資料の展示のほかに、トンネルの作業坑の跡を利用して、実際に海面下の青函トンネルのレベルまで降りて見学できるようになっています。

 階段状の座席と平行四辺形の車体を持つケーブルカーに乗って急斜面を降りてゆきます。観光地などにあるような、2組の客車が上部の滑車の両端にぶら下がっていて、交互に上下する方式ではなく、全区間単線で、車両も常時に運行するのは1組しかありません。
 海底駅に降りると各種の掘削機械や作業状況の記録などを説明してもらえます。働いている人がいました・・・ではなく人形でした。
 この見学スペースから400m程進むと営業運転をしているトンネルに行けるのだそうですが、非常時以外は繋がりません。
 第2便のお客さんが海底駅に降りてきましたので、入れ替わりで地上に戻ります。連休ですので超満員で、もちろん立ち席もいます。乗りきれなかった人は次の便まで待つことになります。
 こちらのケーブルカーの地上乗降場所は気密室になっていて、二重ドアで仕切られています。というのは、トンネルが開通して北海道と本州を結ぶ空間が繋がると、気圧の差でものすごい風が吹くことがあります。それを防ぐために乗降場を挟んで、待合室側と坑口側の二箇所に気密ドアがあって、必ず片方ずつしか開けないようにしています。開閉時に気圧が上下するので、耳が塞がったようになります。
 上の写真は坑口側の気密ドアが閉まるところで、右は残ったお客さんが皆降りてくるところです。降りたお客さんは気密ドアや車両に興味がありますので、写真を撮ったり、しげしげと眺めています。でも連休で混んでいるので係りの人に促されて半分に切り上げて外に戻ります。
 見学施設をぐるぐる回りますが、こちらには、海底トンネル関係の資料の他に、風力発電・風車関係の展示もあります。ですがこちらの展示場への入り口がわかりにくいのでよく探す必要があります。またその上の最上階には展望室と双眼鏡がありますので、沖を行く船を眺めることができます。

 竜飛からは竜泊ラインを経て日本海側を南下します。
 下の写真は幾重にも折り重なって高度を下げてきたR339です。途中に展望台があります。自転車ツーリングの方もいましたが、相当元気が無いと厳しいようです。
 道の駅やら売店があるようなところでは立ち寄りながら、食べものをいただきます。
 十三湖の畔では、名産のシジミ汁と、2種類のソフトクリームを3人でローテーションしていただきます。

 鯵ヶ沢には道の駅ならぬ、海の駅 わんど があります。
 有名らしいのですが、わさおくんという、人間の基準からすると不細工なわんこが、いつもはここに詰めているのですが、この時間帯は別のホテルの方に行って居ないとのことでした。こちらでもおやつのイカ焼きを3人で食べます(RO)。
 中の産直で買った3種類のお弁当をいただいた後は海辺でお昼寝です。つりをしている人もいました。
 鯵ヶ沢にはバイパスができていますが、「イカ焼き通り」なるものがあって、干物系を中心としたおいしい海産物専門店がずらりと並んでいます。旧道を回ると通ることが出来ます。
 日本海側を南下します。 私は何度か来ているのですが、同行家族が見ていないポイントがあるので、観光スポットに立ち寄りながら進みます。
 地震で海底が隆起して出来たという千畳敷きに降りてみます。車は、水溜りが多分海水ですので、濡れないように注意します。
 進入路の坂道と広場の間に段差と角度の急激な変化があります。キャンカーの場合に特に問題になるのはアプローチアングルよりもデパーチャアングルの方ですので、マフラーがこすらないように気をつけます。気をつけるといっても、ただゆっくり進むのではなく、勾配に対して斜め方向に進むことで角度をゆるくすることができます。
 何箇所目でしょうか。こちらは「道の駅ふかうら」、かそせ(風合瀬) いか焼き村です。
 そろそろ夕ご飯のおかずが気になりますので、サザエと、野菜と念願のまぐろをGETします。津軽海峡から近い海域ですので、三厩と同様(?)のおいしいマグロがいただけるとうれしいです。
 青森に「不老不死温泉」というのは2箇所あるのですが、なぜかこちらの黄金崎不老不死温泉の方がこの露天風呂があるせいか、だんぜん人気があります。波打ち際にパイプでお湯を引いて露天風呂をこしらえてあります。以前は丸い湯船だけだったのですが、次第に「充実」してきて、ひょうたん型に増設、男女別に脱衣できる構造、目隠しなどが設備投資されてきました。
 とはいっても、露天風呂から見る、水平線に沈む夕日はすばらしくお客さんもその時刻を目指して集中するようです。

 米代川の河口付近で夕刻になりましたので、水平線に沈む夕日を見ようと川沿いの道を進みましたが、砂浜でスタックする危険がありそうなので、少し高いところから眺めることとしました。
 しかし、しばらくすると夕日は雲に隠れてしまいました。あきらめて今日のお宿に向かうこととしました。
 八郎湖SAは、トイレ以外の設備はありませんが、将来に備えてか、広大な面積があります。展望台もありますので上れば八郎潟の方が見えるかと思います。(まだ上ったことは無いです)
 ここでゆったりとご馳走をいただいて今回の旅はおしまいです。