「乗鞍岳・新穂高ロープウェー」 2008.08.01-03     
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 08年の夏休みは、昨年の立山に引き続き北アルプスへ、乗鞍岳と新穂高ロープウェーのあたりをめざしました。大きな森林限界のある山域は、豊かな森に囲まれた東北の山とはまた違った魅力があります。東北から中部山岳まで出かけてゆくのは「現役世代」としては少しタイヘンなのですが今年も行ってきました。 運動不足と膝が心配ですので バスやロープウェイ利用のせっこきコース になりましたのでご容赦ください
 
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 今回の出発点は盛岡の近郊、滝沢村からです。高速道経由の時間的最短は、下図左の経路で、郡山から新潟へ抜け、上越市から上信越道、長野道と進む経路です。
 首都高速を経ずに八王子JCから中央道経由で抜ける経路が開通したとの助言もいただきました。また右下のように、群馬県太田経由でも距離的には最短タイなのですが、深夜割引が途切れますので、立ち寄る場所が無いので新潟経由としました。
 黒線の長さは250kmで、全工程は750kmほどになります。
磐越道・北陸道経由 のコース 東北道・上信越道経由 のコース
 16時40分頃滝沢発で、22時ころまで走って磐越道五泉PAで一泊します。こちらのPAは上下とも道路の北側にあり、下り線はやや奥まって静かに過ごすことが出来ます。
 翌朝は5時に走り始めます。長岡JC・上越JC・更埴JCと進みます。巡航速度は100km+○○km位でしたので、予定より2Hほど早く乗鞍高原に到着することが出来ました。


 松本からはR158で乗鞍へ向かいます。このルートも難所続きで、急峻な渓谷に開かれたものですので、トンネルが連続します。昔の規格ですので幅が十分ではありません。 日程の割り振りで、乗鞍の畳平で一泊することにしましたので、登山歩行時間を3時間と見て、麓を13時のバスで出発する予定でいましたが、10時過ぎに乗鞍高原観光センターに到着しました。
 すぐ隣にある「湯けむり館」でお風呂をいただきます。まだ早い時間のせいか、空いていてお湯も温めでゆったりと浸かることができました。
 駐車場は観光センター前(バス発着所)でも金曜でしたので空きが結構ありました。ですが翌土曜には満車になっていました。係の人に聞いて夜間も駐車する場合の区画に留めました。数十メートルほど横の白骨温泉方面林道の入り口付近にある所ですが、こちらはガラガラです。
 昼食のあと歩行と宿泊の準備をしてシャトルバスに乗ります。
 HighLandExpressと名づけられたこのバスは、黒煙・Noxの排出量を抑えたもので、ディーゼルエンジンと電池駆動をあわせたハイブリッド車なのだそうです。
 一般車の終点三本滝を過ぎるとバスはどんどん高度を上げて行き、森を抜けて視界が開けます。岐阜側のスカイラインより遅れて開通したこのエコーラインは道路も険しいところが多くなっているようです。右下のようにオーバーハングした路面も通過します(ROで通過時)。
 長野県側からのエコーラインと岐阜側からのスカイラインの終点が畳平です。 数年前からバス・タクシー・自転車以外の一般車は乗り入れ禁止ですので、駐車場はバスが多めではありますが金曜なのでまだ空きがあります。
 最初に今日の宿白雲荘に立ち寄って宿泊荷物を置きながらチェックインします。食事・寝具付の山小屋ですが平日で混んでいませんでしたので相部屋ではありませんでした。目一杯の定員は一部屋14人のようです。
 剣が峰を目指して歩き始めます。畳平の標高は2700mほどですが、鶴ヶ池を回ってゆくとコマクサが咲いています。岩手では岩手山と秋田駒ケ岳で見ることができますが、標高でいうと1400〜2000mくらいのところです。開花の時期的には大差ありませんので、やはり緯度と標高の違いのようです。13:20
 業務用車道を行くと雪渓が溶け出した水を貯めて、この区域の共通の水源にしてるところがあります。不消池(きえずいけ)と呼ばれるようです。
 車道の緩い鞍部を越えると目指す乗鞍岳頂上、剣が峰が見えてきます。
 少し緩い車道を下ると肩の小屋に着きます。コロナ観測所が青い空に映えて飛行機雲が見えます。
 肩の小屋の横にある公衆トイレが最終トイレです。→
その奥には宇宙線研究所があります。地形図によるとこの陰には五の池があって、眺めがよさそうなのですが、通常のコースからは見ることができません。古い案内図などを見るとここへ下る道が載っているものもあります。
 肩の小屋ではおいしいコーヒーを出してくれるということですが、帰りに寄ることにして左記へ進みます。13:49

 道は今までの業務用車道から、石ころだらけの急な登りになります。昨年の立山の時もそうでしたが、標高2600mくらいを超えると少しの上り坂でもすぐに息が切れるような気がします。
 道はどんどん高度を上げて何回か折り返します。
 朝日岳と剣が峰の鞍部で写真を撮ってもらいました。頂上の手前で道は左右に分かれます。左を回って登りました。頂上直下に頂上小屋があります。14:37
 頂上ではしばらくパノラマを楽しみました。今日は宿へ下るだけですので時間はゆったりとることができます。
 また頂上には神社があって、お兄さんがお守り等を売っていましたので、○○祈願のお守りをいただきました。
 今回は雷鳥を間近に見ることは出来ませんでしたが、それらしい鳥影が動くのをみつけました。右上の写真の右上部分の拡大が右下の写真です。保護色ですが鳥の形が見えますでしょうか
 ↓頂上からの眺め、権現池とROで朝日岳方向
 右写真のレンジャーの方(多分)は、手バサミを持って、岩の隙間に隠れているごみなどを丁寧に集めていらっしゃいました。このような地道な作業があってこそ、私たちが気持ちよく国立・国定公園を利用できるわけです。
 下りは同じコースを戻りますが、今度は一層足もとの花に目を配りながら歩きます。
 東北地方ではあまり見かけることが無いものもあります。

 畳平の近くにあるお花畑遊歩道(木道)も一回りします。写真を撮っている方も多くいますが、大きなカメラと三脚を駆使している人が大部分で、コンデジと、HDVの組み合わせでとっている人はいないようです。

 久々に黒百合もみつけました。35年ほど前に月山でみかけて以来でした。

 今日の宿は乗鞍白雲荘です。夕方に人影の少なくなった畳平、鶴が池の前に戻ってきました。
 事前の情報収集結果では、お風呂は以前はあったけど利用できないということでした。でも、宿のお姉さんの案内では男女別にお風呂があるということ。修理をして使えるようになったそうです。2〜3人が入れるくらいですが、このような環境でお風呂に入れるのはとてもありがたいことで、早速一番風呂をいただきました・・・ですが夕食を待ちながら外のベランダで涼んでいると、断水になったのでお風呂が使えなくなったというお知らせをいただきました。

 建物に付帯する設備で何かトラブルがあったのであれば修理のお手伝いが出来るかと思って聞いてみたのですが、この地域全体の水道の元にトラブルが発生したので、修理担当者を呼んでいるということでした。
 その後魔王岳の麓まで散歩して行くと、その担当の方が「配水池」とそれに付帯する弁・電気設備のことを電話で連絡しながら点検しているようです。その方は、一昨日も星空がすごくきれいでした…ということをおっしゃっていましたので、この地区では断水することが結構あるようです。

 宿のほうでは、最低限の飲料・調理に利用する水は別途確保してあるということでひとまず安心ですが、薬を飲むための水がほしい人は、ペットボトルの水を分けてもらっているようでした。 私も真水を常時少量は持ち歩くようにしていますので、このような時にも役に立ちます。
 ほかにバイクツーリングをしていた時に林道の峠で転倒して下敷きになって、起き上がるときにつかまったのがマフラーでやけどをしそうになったことがありますが、そのときも持っていた水ですぐに冷やすことが出来て大事にならずにすみました。水の携行は野外活動の基本です。
 翌朝はご来光を見るために早起きしました。麓からもご来光バスが3時過ぎに出発して登ってきます。カメラを構えた人たちが結構集まってきました。
 ですが、この日は残念ながら水平線からの日の出は望めず、雲の中に登ってしまったようです。ですのでお日様本体が見えたときには白っぽくなってしまっていました。
←続々到着するご来光バス
 衣類は、Tシャツ+長袖山用シャツ+トレーナー+オールウェザースーツで着込みましたが、未明の2700mに数十分間立っていましたのですっかり凍えてしまいました。 ですがバスでやってくる人の中には、70歳くらいとお見受けしましたが、なんと半そでシャツで降りてくる人もいました。いかに交通が便利でも自然環境の中に放り出されるのですからある程度の自覚は必要だと思います。
 出発時はヘッドライトを付けて出ましたが、すっかり明るくなった鶴が池の周りを一周して宿に戻りました。舗道の縁石の隙間には、環境があったのかリンドウが咲いていました。 
 宿では朝食の準備をしていましたが、食堂のストーブで暖まらせていただきました。 宿泊者は200円で暖かいコーヒーを頼むことが出来ます。
 朴葉みそを焼いてつけながら朝食をいただいていると、駐車場のおじさんが宿にやってきました。「エコーラインは落石のため通行止めになっていて開通の見込みは不明」ということを宿の人に話しています。  
えーっ! それでは帰ることが出来ません! 
 スカイライン(岐阜県側)は通行可能とは言っていましたので、最悪の場合には一度岐阜側に降りてまた長野側の乗鞍高原までバスかタクシーで迂回すれば戻ることが出来るかもしれません。
 バスターミナルに行くと、バス会社の当直の方を数人のおばちゃんが取り囲んであれこれ聞いています。でもやはり再開見込みは不明とのことです。 「大きな落石が道路をふさいでいて、タクシーは何とか通れるがバスは通れない」というようなことを話しています。今朝ご来光バスが上がってきたはずなのにそのあと落石があったのでしょうか?
 それから少しして案内所のお兄さんに聞いてみると、どうやらこの手の落石はたまにあるみたいで、 「これから道路管理者が撤去する業者に依頼して完了して、点検して、その後に乗鞍高原をバスが出発するから、折り返して畳平を出発できるのは10:10ころじゃないか・・・」 という予想を立ててくれました。
 時刻は7時を過ぎたばかりです。山岳パトロールの詰め所に寄って、乗鞍高原まで歩いて降りるとどれくらいかかるか聞くと、4時間くらいではないかとのことで、車道ショートカットの見つけ方を聞いて、歩いて降りることにしました。

 パトロールの方も「落石通行止め」には慣れているみたいで、たぶん落石があったとすれば富士見岳の下なので、歩いて降りるなら一度肩の小屋まで登ってそこから車道へ向かうのが、落石危険箇所を通らなくて済むのでいいんじゃないかと言ってくれました。
 でもせっこきして車道をそのまま下ってゆくことにしました。畳平の長野側出口では左写真のようにゲートが閉鎖されていました。
 車道はもちろん車は通っていません。私たちと同じ考えの人が2人先を歩いています。道路の山側には落石防護ネットがありますがよく見ると上部が曲がってへこんでいます。冬の積雪圧のせいなのかも知れませんが。
 少し行くと工事用のコーンが置いてあります。よく見るとその間に石があります。(右写真RO)3人くらいで回すように押せば動きそうです。
 道をずっと歩いていきましたがこれ以外に落石らしいものはありませんでした。結局この石が原因で通行止めになっていたようです。大勢の観光客の安全を預かる立場とすればやむをえない措置なのだと思いますが、すこし拍子抜けしてしまいました。
 舗道の真ん中をてくてく歩いて、肩の小屋入り口の建物(トイレ?)を過ぎると、小さな沢にそったショートカットの歩道があります。詰め所のおじさんに聞いた、赤ペンキで矢印がある…ということを思い出してそのとおり矢印に沿って登山道を下り始めます。
 遠く穂高の山並みと、左端の奥には槍ヶ岳の穂先も望まれます。振り返れば雪渓を抱えた乗鞍が青空に映えます(RO)。やっぱり山は歩くとお得なことがあります!バスではこの景色を堪能できませんでした。
 ここからは、小川に沿ってチングルマの咲く中を気持ちよく下ってゆきます。地形図を見るとわかりますが、時々車道に出ては、またショートカットの歩道に入る…ということを何度か繰り返します。
 左下地形図の破線からスタートして、右へ車道と歩道を交互にたどります。
 計画ではここを歩くことは考えていませんでしたので詳細な地形図は持っていませんでしたが、迷うようなところはありませんでした。ネットでどなたかがやはり歩いて下った記録を残していましたが、どこかの歩道が通行止めになっているという記述があって、入り口に表示してあるということだけが気になっていました。
 2回目のショートカットを終えるまでに、クレーンつきのトラックが通ってゆくのが見えました。たぶんあれで石を撤去するのでしょう。位ヶ原山荘に着くと店の前につめたい飲み物(沢水をお鉢に貯めて冷やしている)がありましたので、小休止します。とてもおいしく感じます。

 
 失礼ながらタクシーやバスで通る人が多いのにお客さんは来るのかしらと思っていました。でもこの後いただいたお便りで山スキーの基地になっていることがわかりました。それにバスに頼らず歩く人も結構いるみたいだし、このあと自転車で登ってくる人たちにも多く会いました。お姉さんの話でも結構落石通行止めがあるようでした。まもなく通行止め解除になるだろうとのこと。このあとは?と聞かれたので、登ってくるバスとすれちがったら、次のバス停で下ってくるのを待つ予定…と答えました。
 一休みして元気が出た後はまた森の小道を歩き始めます。車道から急な階段が付いているところもあります。
 森の中を歩いている間に、横を走る車の数が増えてきたようで、バスの音もします。ショートカットしている間に乗る予定の下りのバスが通り過ぎてしまうかもしれません。そういえば登ってゆく車の中にタクシーも2台ほどいたっけ・・・あれがそろそろ戻って来てくれないかなと思いながら、また車道に出て歩きます。その時は地形図が無かったのでとにかく歩道があったら入るのが近道と思っていたのですが、どうやら最後の歩道は長くてタイヘンだったようです。歩道にはいる直前、畳平から標高差にして700mほど、半分と少し下ったところで、下ってくるさっきの黒塗りのタクシーに出会いました。 

 でも、料金が心配です。何せバスだと片道で1400円もする区間ですので、一般的にはタクシーはその何倍?? だと半分の距離にしても数千円以上の可能性があります。 止まってはもらったものの、おそるおそる金額を聞いてみたらそんなにかからないとのこと。乗せていただくことにしました。いろいろ親切にアドバイスをいただいて、料金も相談に乗っていただきましたのでとても助かりました。
 鈴蘭地区の駐車場に戻ると、やはり平日とは違って駐車場はほぼ満杯になっていました。バス乗り場にも列が出来ています。近くのお店でお土産を買って、昼食をとる場所を探しますが、少し足をのばして次のポイントでいただくことにします。
 車はこちらに停めたのですが、ここにはほとんど車がいませんでしたので、混んでいるときでもオススメです。舗装されていてトイレも割合近くにあります。

 せっかく乗鞍高原にも来ましたので、お風呂とお土産だけではなく、サイクリングコースに沿った高原の雰囲気を味わいます。沼やキャンプ場もあります。周りの風景は岩手の標高七・八百メートル位の高原と良く似ています。(ここは1400m) 蕨もたくさんあります。採っている人も居ました。
 ここから白骨温泉に向かいます。有料の林道のはず・・・でしたが、料金所には誰もいなくてfreeのようです。

 「スーパー林道」の一部区間が乗鞍高原と白骨温泉を結んでいます。
 丸永旅館の横に、この地域の代表的な地形と地質的な由来を見学できる噴湯丘があります。温泉析出物が沈積してこのような複雑な立体構造を持つ地形が出来上がっているようです。これは白骨温泉のかなりの区域にわたって見られるようです。池があって、濁っているように見えるのですが、金魚や鯉が泳いでいます。

 夏休みの土曜日とあって車も多く、温泉の中心に近い駐車場はけっこう混んでいますので、少し東よりの公共駐車場に車を停めます。 なんというところか忘れましたが、少し川沿いに下ってゆくと渓谷の中に自然のトンネルが出来ているところがあります。
 引き返して昼食をいただく場所へ向かいます。

 お目当ては恵比寿屋というおそばやさんです。駐車場からの距離や地図を用意しないで、案内看板をたどって向かいましたが、結構くねくねした坂道を長く登らないと到達できません。でもうちのコルディーでは道が細くてスペースも広くないのでやはり歩いたほうがよかったようです。店内で話を聞いていたら隣の旅館は親戚のようです。
 店内はわりとごちゃごちゃしていて、民芸品やらみやげ物やら趣味の収集物やら置いてありますが、とろろそばをいただいて、本場のそばを味あわせていただきました。おまけに煮物がつきました。
 有名な公共野天風呂がありますが、乗鞍高原で2日目も湯けむり館でいただいてきましたし、情報ではアタマを洗えないようなのと急な階段をしばらく降りてゆかなければならないようなので省略しました。
 みやげ物店兼日用品店でスポーツドリンクなどをGETしたあと細く曲がりくねった道を国道へ向かいます。
 上高地への入り口を通過し、安房峠道路のトンネル(右写真)を抜けて新穂高ロープウェーへ、とりあえずは栃尾温泉方面へ向かいます。
 栃尾温泉からロープウェイまでは温泉地はいくつかあるものの食料調達の出来そうなところが必要ですので、道の駅奥飛弾温泉郷上宝に立ち寄ってみました。でも土産品レベルの単価のものはあるものの、日配品としての普通の単価の食品はありませんでした。
 「表通り」をサッと見たところではそれらしい店(食品スーパー)はありませんが、小学校のあるような集落ですとそれなりの日用品・食品を売っている店があるはずです。というわけで裏通りに入って洞谷の橋(左写真)を渡ったところにありました。こちらで牛乳やおかずを買い込みます。ちなみにこの谷には写真のように数え切れない程の治山ダム?減勢工?が築かれています。
 新穂高ロープウェーは2本の路線に別れているようです。入浴券などとセットになった割引券(事前にローソンなどで購入が必要)もあるようですのが、これは一番下の駅で引き換える必要があります。混雑や駐車場や乗り継ぎの便を調べて中間駅のしらかば平駅から乗ることにしました。駐車場は段々畑状になっています。麓に近い入り口のほうに駐車場管理人の方が詰めているようなプレハブがありましたが、17時近くでもう誰も居ません。駐車料金システムがよくわからないのですが、入場を制限するようなものも無いのでとりあえず上から3段目あたりに停めます。(最上段はバス専用)

 明日の偵察のために駅に向かいます。まだ最終の下りが到着していません。乗り場や並ぶところの配置がわかりました。外には足湯などがあり、売店もまだいくつか開いていて休んでいる人も居ます。
 後にわかった駐車場のシステムでは、時間外に到着して利用する人は、翌日ロープウェーの乗車券売り場で駐車場利用券も一緒に買うようになっていました。
 
 空いていて翌日まで車が増えるようすもないのでテーブルと椅子を出して外で夕食にします。ロープウェーは最終便が到着したあと、もう一回動いていました。多分上の駅のスタッフが帰着するために運行するのかもしれません。
 朝までは車の出入りもほとんど無く、静かですのでゆっくり眠ることができました。またここは山奥のような感じがしますがauのケイタイが使えました。

 翌朝の第一便に並びます。料金は写真のように往復で2,700円×2人と、駐車場500円です。
 そのほかに携行荷物の重さにより追加料金があります。出札所の横に秤があって、係のお兄さんがザックの重さを量ってくれますが、図る前に手に持っただけで「これは6キロですね」と言ったら本当に6kgでした。7kg以上が有料ですのでもう少しでした。日帰りなのですがいろいろ背負い込んでしまいますのでこれくらいにはなるようです。


 この項目の更新がしばらく中断していましたが、2008年夏の記録ですので、1年の周回遅れにならないうちに再開しました(2009/6/14)
 山岳ロープウェーは、ハイシーズンにはとても混雑するのが普通ですので、こちらでは2階建てのゴンドラに何年か前に改装してあります。計画上では西穂高山荘近くの稜線を越えて上高地まで下りのロープウェーで繋ぐという案もあるのだそうです。いろんな議論があるところかと思います。

 上のロープウェー駅にはなんとモンベルの売店があったりします。ここまでやってきて基本的な登山の装備をそろえるという人もやはりいるのでしょうか。
 厳冬期でも運行しているようですので、軽装でも冬山の真っ只中にガラス越しに接することができるのも便利で楽しいと思われます。右写真に写っていますがポストもあります。
 天候は朝霧が晴れてきて西穂高岳が雲間に見えてきました。




 同様にこれから向かう西穂山荘のシルエットが霧の合間に見えます。ロープウェーで上ってきた方向には笠が岳が望まれます。
 ロープウェーの頂上駅周辺数百メートルは、軽装で散策できるような園地が広がっています。槍ヶ岳開山で有名な播隆上人の像や解説もあります。

 稜線上の小屋まで樹林帯を、他の登山者を追い越したり追い越されたりしながら少しずつ上ってゆきます。帰りに子供を抱えたお母さんがグループから遅れて歩いてくるのとすれ違いましたが、グループなら協力してあげないと、転んだりしたら大変です。
 やはり東北地方の大部分の「非難小屋」とは違って、ほとんど旅館のような設備です。ヘリコプターが近くを飛んでいましたが、残念ながら荷おろしの状況などを見学することはできませんでした。
 ここまででよいかなとも思ったのですが、もう少し上ると上高地の方も見えて見晴らしがよいというのでがんばってみることにします。
 西穂山荘を出て少しの間はこれから向かう先が見えませんが、上高地の方は少しずつ見えてきます。
 前日の乗鞍からの歩行などと合わせると日ごろの運動不足もあって、あまり欲張って先へ進むのも事故のもとになると困るので、目的地は丸山と呼ばれる2452m地点です。そこまで行って上高地を見下ろしたら帰ってこようという計画です。

(下の画面中段やや左の白っぽい三角が丸山のケルン。ROで接近)
  やや疲れながらも丸山に到着して、西穂高の稜線をバックに近くの人に頼んで記念写真を撮ってもらいました。見るとこの先は結構急なガレ場ののぼりが延々と続いているようです。たいへんそうなのでここまでにしましょうか。
 でも。親子連れや年配の方もどんどん上ってゆきます・・・。
 小休止しながら、せっかくここまで来たので相談して、かの有名な稜線の入り口である、独標を目指すことにしました。カメラの望遠で覗くと独標の上に上っている人影が見えます。
 ダブルストックを使いながら、周囲の山々を眺めて、高度を上げてゆきます。
独標の直下ではストックをザックにくくり、両手両足を使いながらの登りになります。
振り返れば遠くに西穂山荘の赤い屋根が見えます。
 ついに憧れの穂高の稜線の一端である独標までやってきました。頂上でしばらく周囲を眺めます。
 今後、時間をとって体力づくりとストレッチなどをしなければ、これ以上先へ進むことはないものと思います。
 上の写真で、右端に斜面を下り始めた人が見えますが、ここから急な下りになり、この下りでてこずるようであればこの先の稜線には進むべきでないといわれています。自分はどうかというと、あまり不安定な高所は好きではないのと、ここまで上ってくるのも技術的にあまり余裕がなかったので、やはりここまででいっぱいというところです。
この先のピークにも、さらにその奥にも、達人たちが居て余裕でアップダウンを楽しんでいます。
 さて、下りには、さっき素通りした西穂山荘で休憩します。なんどこちらの山小屋では各種ソフトクリームや生ビールを注文することができます。早速ブルーベリーヨーグルトのソフトをいただきました。
 
 そして里へ降りての一風呂は、ひがくの湯に入ります。こちらの湯船は、半露天なのですが、内湯が見当たりませんので、寒い時期にはどうするのか、おせっかいながら心配です。
 入り口脇には熱湯源泉かけ流しで、卵をゆでることができるようになっています。気持ちよくお風呂をいただいたあと、また新潟・磐越道経由で帰路につきました。