家のスタートは14時。ルートは東北道を南下、郡山から磐越道で新潟、北陸道で糸魚川まで。写真は新潟付近通過で日没直後のtwilightです。向こうに佐渡島の山並みが見えたのですが、ブレとアングルが悪くてよくわかりません。 北陸道は先の地震で柏崎の周辺は段差ができていて徐行を強いられます。この夜は名立谷浜SAで一泊としました。 (地図中の矢印の位置は内容に関係ありません) |
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このときは台風が九州に接近中であったため、日程を前倒しして、なるべく早く主目的地である立山に着いて晴天のうちに登ることを目指しました。 このSAでは大型車が本線寄りに長く並んで、普通車はそれに並行して建物寄りに駐車場所が配置されています。このため他に比較して静かな夜をすごすことができました。5時前に起きて朝食は途中でとることにして走り始めます。 |
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北陸道を通過するのは3度目ですが、新潟から富山にかけてはトンネルが断続的に続きます。トンネルの向こうにまたトンネルです。いつも通っている常磐道の日立付近もそうですが、建設時の苦労がしのばれます。 糸魚川で高速を降り、R148沿いに白馬村・小谷(おたり)の道の駅に向かいます。川沿いのかなりの区間がロックシェードで覆われています。糸魚川〜静岡構造線だけあって、こちらも地形的に厳しいところに道が開かれています。 |
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白馬村に入ると、急に展望が開け、白馬連峰の山並みが迫ってきました。間近にこのような山々を見たことがありませんでしたので驚きでした。 当初予定の白馬八方尾根も望めますが、明日以降天気が良ければ戻ることにして、大町市へ向かいます。 |
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半年前までは予備知識が無かったので、黒四ダムが立山のどちら側にあって、アルペンルートの最高地点がどこで、何県に属して、宿泊施設はどのようなところがあって、交通機関の構成などさっぱりわかりませんでした。ましてや雷鳥など見られるはずも無いか…と思っていました。 ガイドブックやネット上の先人の記録を見て、少し勉強して、始発のトロリーバスがダイヤでは曜日や混雑日によって違うため勘違いしやすいということがわかりました。 |
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最初の予定では初日は昼頃から八方尾根に登り、その日は扇沢でPキャン、2日目の始発で立山に向かう予定でしたが、家を早く出た分半日近い余裕ができましたので、初日の9時頃にアルペンルートの入り口、扇沢を出発することができました。 がんばれば日帰りで立山登頂をして最終の連絡で戻ってこられる予定ですが、山小屋のキャンセル待ちで空きがあるかもしれないので電話してみたところ、雷鳥荘の予約が取れました。これでゆっくりと歩いてこられます。予約金額は約8500円×2人(2食付、相部屋)。個室だと14,000円位ですが、空きは無いようです。「煙い小屋でも黄金の御殿〜」ということで山では十分です。 |
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↑トロリーバスはトンネルを15分ほど進みます。中間点に往復の車両がすれ違う待避所があります。 扇沢の駐車場は4段ほどの構成になっていて、上部2段が有料、3段目(舗装)と少し下がった4段目(未舗装)が無料です。3段目はいっぱいのようでしたので、4段目の午後には日陰になりそうな部分に駐車しました。 この日は開通何周年とか、毎年8月1日とかの行事で、小学生が記念のはがきと花の種を配っていてもらうことができました。 ←この日第4便の9時発ですが結構人が並んでいます。翌日はもっと大勢の人が並んでいました。 |
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扇沢から黒部ダム駅(黒部川第4ダム)まではトンネルをバスが走るくらいなのであまり高低差はありませんが、到着してダムの上を歩く所へ行くまでには結構な階段があります。山歩きに比べればまったく苦になりませんが、高齢者などにはこたえるかもしれません。そのほかのルート上の各所にもエレベータなどは見当たりませんでしたので一般観光客に向けたバリアフリーという面ではこの観光ルート全体にまだだいぶ改良の余地があるようです。 9:18 駅からダム上への出口→ |
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トロリーバスの終点が黒部ダム駅で、トンネルを少し歩いて抜けてダム上を数百メートル歩いたケーブルカーの基点が黒部湖駅です。時刻表の乗り継ぎダイヤをたどってみるとバスは9:16に着いて、ケーブルカーの発車は9:50でした。34分間の乗継ですので展望台などゆっくり見ながら行けるかな…。ですがもう一度ダイヤをよく見ると、1段上に9:30発があります。乗り継ぎ時間は14分。標準歩行タイムは20分とのこと。急げば間に合うかもしれない…ということで、撮影もそこそこに早足で堤体上を黒部湖駅にむかいました。 |
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ダム上流側の水面↑ ダム展望台→ おかげで7分程で黒部湖駅に到着。トイレに行っても余裕でした。このケーブルカーに乗る時点で、次のロープウェイに乗る際の便を割り振りした整理券が渡されます。 |
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写真が歪んでいるわけではなく、ケーブルカーというものはその車体自体が階段状になっています。ホームもまさに階段そのものです。 ロープウェイとケーブルカーに共通する構造ですが、1本のロープの両端に乗車する箱がついていて、上の駅に滑車があってロープの中間を吊り上げています。箱は交互に上がったり下がったりしています。移動時には中間地点で2つの箱がすれ違うことになります。 |
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ケーブルカーの終点、黒部平駅に着くと、整理番号によって、次のロープウェー発車時には案内するのでそれまでお待ちくださいとのこと。しかし前の番号で並んでいる人を見ると予定より早い車両にも時間的には間に合いそうです。混雑時対策の整理券なのか、駅にしばらく居てもらうためなのかよくわかりませんが、とりあえず屋上の展望を指定発車時刻まで楽しむこととしました。 | |
屋上展望台からはこれから向かうロープウェイの大観望駅とその上に立山の稜線がはっきりと望まれます。 余談ですが、扇沢から室堂までの往復割引料金は8,800円です。JAF割引だと1割安くなります…が、会員証の提示だけではだめで、送付される機関誌に刷り込まれている割引券を差し出す必要がありますので、今後ご利用の方はお気をつけください。(2008からは券は無くなって提示だけでよいようです) 駅舎の前には自然に近い花園と湧き水、休憩所があります。ここの売店の山葡萄ソフトがおいしいとのどなたかのHP情報でしたので頼んだのですが準備がまだできていないとのことで、わさびソフトに変更…。味は私感ですが、わさびというよりはサロ○パスを食べているという風味でした。 9:39 |
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平日(水曜)のせいか、ロープウェイはあまり混んでいません。周囲にあるベンチシートに座りたいのでなければ早く並んで急いで乗り込むことはありません。 前記のように中間地点で上下のゴンドラがすれ違います。こちらのロープウェーは駅の間に支柱が無いものとしては国内で最長のスパンなのだそうです。 9:45 |
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順調に高度を上げて大観峰の駅に着きました。こちらの駅舎でまたトロリーバスに乗り換えるのですが、歩行経路は 一度売店と展望台のある2階のフロアに上がって、また乗り継ぎ先の1階に降りてくるようになっています。 ←ROで車内 10:00 |
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トロリーバスは室堂の駅舎(バスターミナル?)の中に着きます。そこから屋外に出て展望を楽しむには3階まで階段を上ります。出口のドアは意外に小さいものです。出口の前にごみの分別回収の掲示とごみ袋が用意してあります。雷鳥がコメントしたポスターですが、本物の雷鳥には出会えるしょうか? ドアを開けて外(ターミナル屋上)に出ると、まばゆい大展望が目に飛び込んできました。この景色を肉眼で見ただけで半分目的達成です。 10:16 |
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室堂のターミナルはホテル立山に併設されています。11月下旬まで営業しているようですが、シーズン末期になるとこのほかの宿泊施設に行くにはスノーシューなど冬山歩行装備が必要になるそうです。 宿泊施設は近い順に、立山室堂山荘・みくりが池温泉・雷鳥荘・雷鳥沢ヒュッテ・ロッジ立山連峰とあります。 とりあえずみくりが池に向かいます。途中に富山側から運んできた建設機械があったりします。 |
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今回は車を離れて、物を取りに戻れない状態での一泊ですので、宿泊用の着替え等も持参しました。雄山への登頂を考えると、無駄な往復等は無くしたいのと、なるべく同じ経路は通らないようにしたいので、最初に宿泊予定の雷鳥荘に荷物の一部を預けて回ることにしました。 みくりが池には8月に入ったのに雪がこんなに残っています。左の歩道の小さなアップダウンを進むと下の撮影ポイントと、みくりが池温泉に出ます。ここの前の広場からは地獄谷も望むことができます。 10:31 |
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道はやや下りになり、右手に血の池地獄(池塘に多分鉄分のさび色が混じったもの)が、左手には今宵の宿の雷鳥荘が見えてきます。 階段状のくだりにかかると、数人が足を止めて何かを撮影していました。 10:44 |
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夏の羽毛に生え変わって、じっとしていると砂礫地の背景に溶け込んで見つけにくい色彩をした、雷鳥の雌です → 右下の写真では中央下寄りに、雌よりはコントラストの大きい羽毛をまとった雄もいました(ROで×10zoom) どちらも観客には慣れているのか、サービス満点で特に逃げる様子も無くゆったりと散歩しているようで、雌はそのうち砂浴びを始めました ↓ |
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ちょっとだけ坂を上って雷鳥荘に到着です。フロントで荷物を預かってもらって、またコースに戻ります。雷鳥荘の前には公衆トイレがあります。最近の登山者の多い山域のトイレはチップ制(有料)になっていて、こちらも箱がありましたので、2人分を入れて利用させていただきました。 ←ROでトイレ 10:57 これから向かうコースの途中にある雷鳥沢キャンプ場が臨まれます。(ROでアップ)最短コースとしては室堂平まで戻って雄山に向かうのが妥当ですが、せっかく来たので多少アルバイト量が増えてもいろんな景色を楽しもうということで、一度下って迂回するコースにしました。 |
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ここまでとこれからの経路を見てみます。この地域はやせ尾根や回りこんだ沢筋が入り組んでいるので、尾根と沢の見分けや傾斜の方向が見極めにくく、等高線の読み取りには自信があったのですが、事前に等高線から想像した地形と現地とは結構違っていました。 |
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この地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図を使用したものです (刊行物等に少量の地図を挿入する場合・出所の明示) |
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足場は良いのですが、急な斜面を折り返しながらキャンプ場へ向けて下ってゆきます。室堂平からの標高差はマイナス約160m。この時点から膝の弱い方は保護対策を始めることをお勧めします。私もしばらく持病の膝靭帯痛が出ていなかったので、無対策で降りてゆきましたが、後半の雄山からの下りとあわせて戻ってくるまでの下り標高差で800mくらいになりましたので悪化してしまいました。 下に見えていた雷鳥沢ヒュッテと奥のロッジ立山連峰を見上げる場所に雷鳥沢キャンプ場があります。 ここで軽い昼食をとります。 11:15 |
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小さな雪渓を滑り降りて、蛇籠に木材を渡した「浄土橋」を渡ります。対岸で道は別れます。右の一の越方面へ向かいます。 11:20 ↓ |
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ここからは小川と小さな花たち、カール状の沢を見上げながら、のどかな道がしばらく続きます。 | |
透明な雪解け水がさらさらと流れる小川を横切り、池塘を眺め少しずつ高度を上げてゆきます。 森林限界の上の山並みと手前の高山植物の組み合わせは今までお目にかかったことがなかった眺めです。 |
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一の越まではトラバース状の道を行きますが、この区間が結構きつく感じられました。運動不足による心肺能力の不足なのか、標高が高いためか、寝不足なのか、何らかの補給不足かわかりませんが、一の越につく頃には今までの山歩きの中では一番というくらい結構疲れてしまいました。 ↓槍ヶ岳も見えます(ROで×10zoom) |
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一の越山荘の前のベンチに座って休憩し、絶壁を見上げるような雄山の頂上をまえに、あまりに大変なので、どうしようかと二人で考えていると、すぐそばに年配の夫婦が軽装で、ケロっとした表情で現れました。70代にはなっていると思います。ここまで通ってきた経路が違うことを差し引いてもあまりに元気なので、これは負けていられない! と発奮してやはり頂上を目指すことにしました。あと標高差で300mです。 13:07 |
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(しばらくこの項の記載を休んでいましたが、10ヶ月ぶりに再開しました) |
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一の越から雄山神社までは本気で登りましたので、小さいとはいえ、ビデオカメラ(静止画兼用)はザックの中にしまいこみましたので、画像はありません。 売店のある社務所から小さな門をくぐって最高到達点の3003mの祠を目指します。といってもこちらは神社でお払いをしていただくため、有料になります。ちなみに社務所前の三角点は2991mです。 |
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一度に数人ずつ祠の前の平らなところに上がらせていただいて(入りきらない人は下の段で待ちます)、祈祷していただきます。神職の方からこのあたりの自然環境の説明から、生活上のことやらお話をいただきますが、次の言葉がいただいた破魔矢に付属のしおりに書いてありました。 普段は信仰心はどちらかと言うと薄いほうですが、「神」を「自然」と言い換えてみればよくわかります。 |
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私は今、日本三霊山立山の頂上に立った。一万尺巌頭の神庭に相対するものは神と私だけである。心眼に見ゆるものは全て神の光、心耳に聞こゆるものは全て神の声。神は私以外の何ものにも与えない大いなる使命を私に与えている。私は神の子として私一人の尊い人生を力強く生きよう。今、天地合掌の立山頂上に立って私は固く心に誓った。 | |
そして今めぐってきた室堂平が一望にできます。この眺めを見るために登ってきました。まさに3000mの夏休みです。 | |
北には剱岳に続く稜線、南の彼方には、登ることはかなわぬであろう槍ヶ岳も見えます。 | |
→周辺地形図へ | |
一の越から室堂平までの下りは何箇所か雪渓を横切ります。小学生の団体は靴に縄を巻いて滑り止めにしていました。北国で氷などの上を滑りなれている人には特に対策をしなくても苦にならない程度の傾斜だと思います。 | |
下りでまた膝の靭帯が痛くなってきましたのでストックを使いながら立山室堂山荘のあるところまで下りて来ました。あとは比較的楽な道で雷鳥荘まで行けます。夕暮れまではまだ間がありますのでベンチに座って二人でしばらく休憩です。チングルマを中心としたお花畑がきれいです。 |
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キャンプ場のテントの影が横に長く伸びてくるころ、今夜の宿の雷鳥荘に付きました。 相部屋では、2段ベッドが4組置いてあり、上下をパートナーと使うようになります。「山小屋」とはいうものの普通の旅館と変わりません。東北地方には尾瀬のあたりを除くと私の知るところでは風呂付の山小屋はありません。風呂はおろか食事が出る山小屋もほとんど無いような気がします。 ここで少し脱線します。温泉にはお湯が天然に湧き出ている温泉と、真水(沢水等)を加熱しているものがあります。前者のほうがいいような気がしますが落とし穴があります。それは「あがり湯」が無い場合が多いことです。成分が濃厚な温泉では、体はともかく髪を洗いたいときに硫黄泉で漱ぐ気にはなりません。「日本秘湯を守る会」の宿にもそのようなところが多くあります。 入浴を湯治のために行うのであればそれでもかまいませんが、身体の清潔を保つために行うのであれば、真水を加温したお湯もしくは成分の少ない単純泉が蛇口やシャワーから出てほしいところです。もちろん山奥でゼイタクを言う気はありませんし、排水の環境への影響なども配慮しなければならないのはいうまでもありません。その場の環境に応じた設備があればいいなと思うしだいです。 つまり、車が横付けできる宿で高額な宿泊料金をいただいて、秘湯を名乗るのは結構ですが、連泊や夏季に汗をかいて来た宿泊者も安心して髪を洗うことができる設備と排水処理設備を持つことも必要ではないでしょうか。 |
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さて、そのお風呂ですが雷鳥荘のお風呂は上記のような私の希望を、高度に満たしてくれるものでした。入り口近くには、湯船もあがり湯も温泉成分の少ないもので、身体の清潔洗浄を主とした設備になっています。ところが奥の方には、天然温泉成分をたたえた湯船を備えた木張りの展望浴室があるのです。 これは今までに各地の温泉施設に入った中では無かった、カンペキなシステムではないでしょうか。まさかこんな高所でこのような温泉に入ることができるとは思っていませんでした。 |
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そしてもう一つ。食事も充実していました。なんと生ビールも出るのです(OP)。車で物資が搬入できる宿であればともかく、歩荷(ボッカ=人力で山道でものを運ぶ人)の方と何人か出会いましたが、どのような運搬方法や電気・ガス・水道・冷暖房・排水処理が行われているのか知りたいところです。 まだ日が長いので外に出ると夕焼けのショーが終わるところでした。宿泊者も大勢外でこの眺望を楽しんでいます。 |
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朝食はバイキング。早発ちの人が多いので、食堂が開く前にけっこう並んでいます。 内容はこちらも大満足です。こんな山の上でいい夜を過ごすことができました。 白山千鳥や稚児車のお花畑に見送られて室堂平を後にしました。 |
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扇沢に置いた車まで戻る経路はまったく往路と同じです。違うのは多少時間に余裕があるので、見落とした点を拾いながら戻ります。それからお土産も購入します。 トロリーバスからロープウェーに乗り換えるターミナル屋上で野口五郎岳を望みます。 |
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次のケーブルカーに乗り換える駅では、周囲に散策路がありますので、少しだけ出て、昨日登った立山を振り返ることができます。 頼んでシャッターを切ってもらいます。 |
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長いケーブルカーのトンネルを抜けて黒四ダムのアーチをわたります。 秋までは毎日観光放水をしていますので下流側を覗き込むと見事な、巨大なシャワーが見えます。真上からだと虹も見えます。 |
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またトロリーバスに乗るためのトンネルに入る前にぜひ立ち寄りたいところがあります。ダムの東側、少し上流寄りに、このダムやトンネルを完成させるまでに事故死された方々の像があります(黒四ダム建設慰霊碑「六体の人物像」)。171名の方々の犠牲の上に今日の快適な観光と電力供給や治水が成り立っていることを噛みしめる必要があります。 |
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トンネルの破砕帯から引いた水をいただいて、ビールを買い求めてまたトロリーバスに乗りました。ターミナルでは、「NHK、挑戦者たち」で紹介された黒四ダム建設時の映像が流れています。また子供のころ「黒部の太陽」という映画を見に行ったことも思い出しました。 今日の宿の目標は小出の道の駅です。 |
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とりあえずの目的地は鏡池です。大町市で給油のあと、道の駅ぽかぽかランド美麻を経由し、小川町から北上します。天文台のある近くの地場産品と食堂が併設されたところでそばをいただきました。地元のお母さんたちが集まってやっているようなお店です。 店の前に広がる園地 ↓ |
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またくねくねした山道をアップダウンして、戸隠高原の西にある鏡池をめざします。池のほとりにあるレストハウスでソフトクリームをいただきながら、険しい山容の名前を聞きました。ほとんど予備知識なしでやってきたので、戸隠高原がどのような所なのか、いまだに良くわかりません。もったいないのかも知れませんが、時間に制約のある身ですのであとでゆっくり考えることにします。 |
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信濃町ICに乗る前に少し眠くなってきたので黒姫高原スキー場の駐車場で木陰を見つけて昼寝をさせていただきました。 上信越道を1区間南下して飯山で食料を補給します。それから本日の入浴場所を探して野沢温泉に立ち寄りましたが、日帰り入浴の適地をうまく見つけられませんでしたので再び国道117号に戻り、小出を目指します。きょろきょろしながら進むと産直の看板と並んで日帰り温泉がありました! 最初は間違えてすぐ近くにあるクアハウスに誘導されそうになりましたが、普通のお風呂で十分ですのでこちらのなごみの湯をいただきました。 |
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千曲川沿いに進んで暗くなってから道の駅小出に到着しました。(右写真は翌朝) まあまあの環境なのですが、堆肥の香ばしさが濃厚に漂ってきます。市街地と農地または畜産施設が近いとやむをえない現象かもしれません。先に定着していたのがたぶん農畜産関係の方だと思います。 翌朝は朝食前に走り始めて奥只見ダムに向かいます。「奥只見シルバーライン」、ダム建設のために作られたこの道は断続的にですがそのほとんどの区間をトンネルが占めています。トンネルの中に交差点があったりします。延々と何十キロもトンネルが続きます。 |
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トンネルの中は勾配がわかるように水平に反射材が貼ってあります。このトンネルを通るのは30年ぶりです。当時山形の米沢市に住んでいたころ、尾瀬を目指して夕刻の列車で新潟に向かいました。夜半に新潟から小出に到着、明け方まで駅で仮眠のあとバスでこのシルバーライン経由で奥只見ダムへ向かいました。 発電タービン↓ |
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ダム近くの駐車場で朝食をいただいたあと船着場へ行って見ました。時間があれば運行時刻まで待って遊覧したいのですが、眺めるだけにしました。 前回(30年前)には、ここから乗船して「尾瀬口」の船着場まで行き、そこから歩き始めました。当時も尾瀬口にはバスが待っていて御池まで運行していたようですが、そのときはバスに乗らずに延々と渋沢温泉経由で尾瀬ヶ原へ向かったのでした。 |
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シルバーラインは映画「ホワイトアウト」の舞台になりました。また映画の中ではアーチ式ダムの放水の様子として黒四ダムも出てきます。ですのでこの2日間で両方のダムを踏破したことになります。 さて湖畔をくねくねと進む352号線は、何年か前まで午前と午後で一方通行が切り替わったり、バイクは通行禁止だったようですが、現在はあまり心配なく通れる道になっています。 ところどころに沢水が横断して流れるように路面が低くなっているところがあります。減速すれば問題ないのですが、尾瀬口船着場付近の溝で看板を見落としてしまい、激しくバウンドさせてしまいました。浮き上がった瞬間にブレーキを踏んでいたのでABSが働いたりしました。これから通られる方はご注意ください。 この道にも銀山の坑道あとなど見所があるようです。平が岳入り口などを過ぎ、道は新潟県から福島県に入ります。 |
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一般の車は御池にある駐車場に留めてバスに乗り換え、沼山峠に向かいます。ハイシーズンもピークを過ぎているのでしょうか、大きな駐車場には余裕があります。 レストハウスや宿泊施設があり日帰り入浴も可能なので帰りによることとします。 |
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バスの終点にもレストハウスやトイレがあります。沼山峠まで少し登って大江湿原への下りにかかります。 「尾瀬」といっても大きく分けて尾瀬沼と尾瀬ヶ原があります。今回は尾瀬沼のまわりを一周するだけになります。クルマ百合の咲く湿原をゆっくり下って尾瀬沼が見えてきました。 ↓尾瀬沼 ROでビジターセンター |
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長蔵小屋の横のベンチで昼食にします。近くには有料ですが立派なトイレやビジターセンターがあります。ベンチのわきにはオダマキが咲いていました。 30年前にはテント2泊でしたが、2泊目はこの長蔵小屋の近くにテントを張りました。奥只見湖からずっと歩いて尾瀬ヶ原でも一泊し、テントを背負って燧ヶ岳に上って来たのですから、今の体力ではとてもできそうにありません。 |
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小屋の横から回りこむと鴨の親子が散歩していました。 ここから尾瀬沼を時計回りに一周します。途中で三平峠から来る道や大清水平を経由してくる道を合わせます。 |
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沼を周回する道ですので大きなアップダウンはないのですが、この区間はあまり通る人が多くないらしく、木道もやや荒れています。でも静かな湖面を味わうことができますし、湿原や花・モウセンゴケもいます。 |
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沼尻に着くと低い発電機の音がします。ここには私設の有料トイレがあります。ROで説明が出ますが、 公設のトイレが建設できなかったので環境を考えて私費で設置しました。浄化槽を設置できなかったために全量を空輸排出しています。運用資金のご協力をお願いします というようなことが書かれています。 ↓沼尻休憩所。ROでトイレの設備、洗浄便座付です |
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沼の周回を終えて、また頼んでシャッターを切ってもらいました。沼山峠からまたシャトルバスで御池に戻ります。 ↓ 沼山バス停のレストハウス |
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御池のホテルで日帰り入浴のあと、今日の宿の駒止峠(旧道)に向かいます。 30年前にはやはり桧枝岐を経由して駒止峠(旧道)を越え、会津田島駅までバスで戻りました。当時御池にはこれといった施設がなかったので桧枝岐の民宿でお風呂を借りました。現在は立派なトンネルがありますので九十九折の旧道ですれ違う車はありませんでした。 静かな峠の一夜(トイレ付Pあり)を過ごした翌朝、湿原を散策し、福島別荘へ寄って帰路につきました。 |
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