「川原毛地獄と大湯滝」 2007.10.27-28      
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 秋田県南部、湯沢市(合併後)に日本でも有数のお湯の滝があります。お湯の滝では「カムイワッカの滝」が有名です(私は知床五湖までしか行ったことがないです)が、写真から判断しますには高さとその周辺の景色ではこちらも負けてはいないと思います。それに知床まで行くことを考えると、アプローチがはるかに楽です。仙台からだとたぶん2時間半程度で来られるのではないでしょうか。 
 今回は近くの小安峡なども含めて、やや観光地めぐりっぽいのですが、回ってみました。はじめに小安峡に向かいます。

 
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 岩手からのアプローチは、秋田自動車道の横手ジャンクションで湯沢道路に乗り換え、湯沢インターで降りるのが時間的には最短です。
 が、今回は雨も降っているし、土曜を含む平日は高速道の工事で待ち時間が最大12分あるとのことで、107号の下道をゆきます。道の駅山内はいろんな要素が組み合わされていて結構充実した道の駅です。バスコンがPキャンしていました。CAMOSの自動追尾衛星アンテナをつけていましたので、山奥などではよさそうです。(9時通過)
 横手市街では、後半に予定していた買い物を実施。カーショップ・DIY用品・ダイソー・AEONなどを回って昼食をget。昼近くに南下します。
 下道での小安峡方面は、湯沢市街は経由せずに十文字町からショートカットします。稲庭うどんで有名な稲川町の稲川城の上り口Pで昼食にして、小安峡に向かう手前の皆瀬ダムから少し回り道をします。ダムの上は大型車は通行不可ですが、そこを過ぎると改良された広い道になります。小規模な集落がある道をくねくねと進みます。いつもは国道をまっすぐ進んでしまうので、日本では意外なところに集落があって多くの人が住んでいるのがわかります。
 前方に塔のようなものが見えてきました。知らなかったのですが、宇宙大橋という橋が架かっています。
 「バスケットハンドル型ニールセン系ローゼ桁」という形式らしいです。要するに円弧型(アーチ)が、籠の取っ手2本を合わせたような形で路面より上方で支えていて、橋桁は鋼線で斜め交互方向に吊っているもの、ということらしいです。(間違っていましたらご指摘ください)
 塗装はされていなくて、耐候性の鋼材を使用しています。由来については検索すると結構情報がありました。

 上振り返って見下ろした宇宙大橋です。時折雨が降っていますので、霧がかかったりしています。

 左は橋の上からとったものです。峡谷が結構深いところです。

 小安峡は谷底に沿った遊歩道の途中に、大噴湯という、地熱で熱湯・蒸気がすごい勢いで噴出しているところを回ってこられるようになっています。国道はその渓流に沿った数十メートル上を走っています。下に下りる階段は南北に1箇所ずつあって、今回は割合に空いていることが多い北側駐車場の階段から入りました。
 最初は緩やかなのですが、途中からROのようになります。
 国道と同じ高さの橋をはるか上に見上げるようになるとまもなく谷底です。水滴まじりの蒸気が激しく吹き出ているのでカメラを隠して通り過ぎます。
 晴れていれば青空をバックに、橋の赤と緑と紅葉と・・・コントラストがたのしめるのですが、まあ台風がかすめていった日にしてはひどく濡れなくてすみました。
 小安峡のあとは川原毛に向かいます。途中にはいくつかの沼があります。桁倉沼のそばにひっそりとあるのが苔沼です。苔も秋色になっていますが、夏は緑です。(手前は採草地の緑。沼は向こう) 右下は部分アップです。ひつじ草のような葉が広がっている水面もありますが、はまったら抜け出せないようなところです。
 泥湯へ向かう途中で寄り道をして、東北電力の上の岱地熱発電所PR館を見学します。同社では2箇所目の地熱発電所で平成6年にナントカ・・・? 地熱発電は松川が先駆で昭和50年頃には稼動していたのでは?と思ったのですが、たぶん経営主体が違うのでしょう。
 八幡平の澄川にも同様のPR館があります。トイレなどは完璧な施設です。このようなエネルギー利用がもっと効率的に普及する術があればすばらしいのですが、まだ発電に占めるシェアは多くありません。
 泥湯温泉は帰りに立ち寄ることにして通り過ぎ、川原毛に向かいます。
 川原毛は日本三大霊地(霊山・霊場とはまた違うようです)の一つです。共通するのは、硫黄噴気地帯で、いわゆる地獄のような荒涼とした景色が広がるところを賽の河原に見立てているのでしょうか。
 後日アップしますが、今年は下北恐山にも行きましたので一年でこの三大霊地を回ったことになります。

 川原毛地獄は小雨と霧の中でしたが、歩道を巡って戻る頃にやっと見通せるようになりました。所々にガスが吹き出ていますので以前には回れた歩道も一部立ち入り禁止になっています。
 ここから歩道を15分ほど下ると大湯滝への降り口にある駐車場に行くことができます。駐車場へは車だとかなり遠回りをすることになります。
 
 帰りに泥湯温泉に立ち寄って温泉に浸ります。3〜4軒の宿があります。露天風呂など日帰り向けにも力を入れている奥山旅館のお風呂には何度か入ったことがあります。今回は小椋旅館のお風呂をいただきました。素朴な湯屋の廊下を行くと、源泉掛け流しの湯船があります。打たせ湯もありますが、蛇口は水だけですので、湯治向けです。ゆったりと、壁越しに夫婦で話しながらお湯につかりました。(一時二人だけになりましたが、前後には他のお客さんもいらっしゃいました)
 湯上りに傘をさして路地を通り、奥山旅館の外の売店に立ち寄りました。玉こんにゃくは売り切れだったので、温泉ゆで卵と岩魚の塩焼きをいただきました。すだれで囲った中にもうストーブが焚かれています。
↓泥湯温泉の家並み。右に無料大駐車場がある 
 翌朝は車だとかなり迂回した所にある駐車場から、「徒歩15分」とある大湯滝まで下りてゆきます。実はお湯の熱源は駐車場のすぐ脇にある源泉脇出口なので、下流に行くほど水温は下がっていきます。
 季節や雨の状況によってどの位置が適温か違いますが、私が行った中では駐車場の近くが入浴適温でした。



←駐車場のすぐ下の川原、湧き出し口。今回はここが適温でした。
 右上写真は滝のすぐ上にある大きく深そうな湯船。行くのは困難そうです。



 この日は朝早いこともあり、出会ったお客さんは一人だけでした。大湯滝まで行くと体温よりもだいぶ低い感じでしたので足湯を少しだけいただいて戻りました。
 最下段の左右に数人ずつ入れる湯船があります。酸性が結構強いのでしぶきが目に入るとしみます。銀系の貴金属は黒くなるので要注意です。左の滝の斜面を登ると、3mくらい上に2人ほど入れる湯船もあります。もっと上にもあるようですが行ったことはありません。
 この一帯には他にも沢登りをしないとたどり着けないような温泉もあるようですが、記録を見させていただくと景色や湯量などではここのほうがいいみたいです。簡単に行ける中では最高の場所ではないでしょうか。