パワーショベルのラジコン  
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小中学生のころには、いわゆるプラモデルを多く作っていました。お城とか鎧兜といったものもありましたが、動くものを模型化した製品(自動車・戦車・船舶・航空機)といったものが好きで、中でもモーターライズされて動くものが好きでした。ラジコン飛行機も50年以上前から大人の趣味でありましたが、模型用2サイクルエンジンを使ったものは子供には高額で手が届きませんし、技術的にも難しそうでした。中学生のころにはそれでも学校のクラブでUコンと呼ばれる、ワイヤーでぐるぐる回る機体を試してみたりしてはいました。 電池を動力源にするものが実飛行が可能であればよいのですが、当時の模型飛行機はせいぜいそよ風が吹く程度のプロペラしか駆動出来ませんでした。
 時は流れて、電池のエネルギー密度が飛躍的に向上し、液晶モニターやWifiの普及進歩により、ドローンが電動で実飛行・産業用領域までカバーするようになりました。戦車などの無限軌道(クローラ・キャタピラー)を備えた車両も、1万円以下の安価で大きい物が市販されるようになりました。おもちゃの中でも走破性に優れたキャタピラー車両ですが、動きに関しては戦車よりも、パワーショベルの方がだいぶ楽しむことが出来ます。上を見ればきりが無いのですが、最低限の機能として、走行(前後・旋回)、車体上部の左右旋回、作業機の作動(人間でいうと、肩・肘・手首の独立作動)が出来るのが要件です。 上級機になると各部の動きが可変速だったり、上部旋回回数が無制限だったりしますが、そうなると数十万単位の費用が掛かりそうです。 これまでの経験から、井上陽水の歌「限りない欲望」にあるように、何かを手に入れても、もっと上の物が欲しくなる、という可能性が大きく、あまり高価なものを手に入れてもつまらなく思えてしまってももったいないので、既製・完成品の無線操作ができる機体を中古でGETしました。

 車体に書いてある文字を、大抵の人は「タイセイケンセツ」と読んでしまいますが、拡大してみるとわかる通り、「フトセイ…」です。多分実在しないので、実在する大手ゼネコンの前者よりは良いネーミングかもしれません。
 電源はシールパックされた7.2vの専用充電池でしたが、性能が落ちるのが早かったので、ちょうどはまるサイズの電池ボックスをネットで探して、百均で売っているニッケル水素充電池を使うように改造してあります。
 自分で組み立てる部分は無いのですが、まあまあ本物を模して細かいところまで作られています。
 実は私は何十年か前に、ショベルの実車で部品の組付けに携わったことがあります。その感覚からすると黒い高圧油圧ホース(もちろんこの価格クラスではダミーで、油は通っていません)は長すぎます。 油圧駆動ではなくラジコンのサーボモーターで直接歯車を回して各部を作動させています。↓
 実車では動力源のエンジンは運転席の後方にあって、重量バランスの偏りを避ける役割もしています。油圧ポンプを回して、発生した油圧(作動油が高圧で流れる)は、配管を通って作動機のシリンダーを伸縮させたり、走行(キャタピラー駆動)用の油圧モーターをも動かしています。ですのでよほど大きな鉱山で使っているようなショベルでもなければ、「全油圧式ショベル」ということで、走行を含めて油圧駆動されます。ちなみにパワーショベルは和製英語らしく、Hydrauric Excavator が通じる英訳になります。
 パワーショベルの各部は、よく人間の腕にたとえられます。先端から見て行くと、手のひらに当たる部分はバケットと呼びますが、この部分には他にも破砕作業に使うピックや、物をつかみ上げるグラップルなどのアタッチメントが各種あります。「バックホウ」とショベル本体全体を呼ぶことがありますが、本来はこのアタッチメントの名称です。
 次に、肘から手首までの前後に動く部分は アーム です。そして肩から肘までに当たり、上下する上腕部は ブーム と呼びます。これはクレーン車でも主柱に当たる部分を同じ名前で呼びます。
 そして左右に向きを変える動作は 旋回 です。
 二点間を往復して、両端で作業したりする場合には、素人考えでは戦車のようにキャタピラー(商標。一般にはクローラー。同様にラジコンやプラモデルも実は商標)を左右逆方向に動かして向きを変えたくなるのですが、実車でそのようなことをすることは無く、上部だけ向きを180度変えて、「走行レバー操作を前進にすると車体が後退する」状態で移動させるのが普通です。 
 あとはクローラーを動かす 走行 の操作があります。つまり全部で6つの操作・動作から成り立っていて、それぞれにアクチュエータであるシリンダー(伸縮)やモーター(回転)が活躍します。。
 1.バケット 上下
 2.アーム 前後
 3.ブーム 上下
 4.旋回 左右
 5.右クローラー 前後
 6.左クローラー 前後
 こちらがコントローラーです。私はゲームはしないのですが、家庭用ゲーム機の物に似ています。大きく突出したスティックで全て操作できれば良いのですが、これは走行(クローラー)の操作だけしかできません。
 作業機の操作に係るのは、中央右上の2つがブーム 左下の半丸組がアーム 右下の半丸組がバケット になります。
 
 このほかに上面(左写真)の2つのボタンで左右旋回を行います。
 この構成では複数操作を連携して一度に行うのは困難です。現代の実機では少なくとも作業機部分は2本レバーで、両手で2本を同時に握ったまま、前後左右に動かすことで 4種類の動作を連携して切れ目なく行うことが出来るようになっています。
 また安価なおもちゃの宿命ですが、作動速度は可変ではなくてスイッチのON・OFFしかできません。このため微妙な調整を必要とする作業は出来ません。
 何十年か前の実機ではレバーが6本並んでいる構造で、これもまた連携操作には難のあるものでした。
 動かして遊ぶ際に学習した事項です。
 小さい段差であれば(本2冊)難無く乗り越えて行きます。
 これが大きな段差になると(本3冊)、前後バランスが保てず、後方にひっくり返ってしまいます。またクローラーで取り付くことのできない大きさの段差ではそれ以上進むことが出来ません。
 大きな段差(本4冊)を乗り越えるには、実機での車両積載などで見かける方法を使います。まず段上にバケットを載せて、クローラー前方を持ち上げます。
 次にそのまま前進して、クローラーを段に引っ掛け、バランスを崩さない程度まで前進します。ブームは上げます。
 機体上部を旋回させて後ろ向きにして・・・
 ブームを下げることにより機体を水平に持ち上げ、クローラーとアームの繰り出しを行って全体を段上に載せることが出来ました。この時点で車体下部は左方向が前、車体上部は右向きになっているので注意が必要です。

 小さい子供たちにやらせてみようとすると、操作より先に手で機体をつかんで動かすので、小学生以上でないと「高度な使いこなし」は出来ないかもしれません。

(この項おわり)