二人乗りのカヤック  
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 カヤックとは、カヌーの一種です。私の知っている範囲での定義ですが、カヌーにはカヤックとカナディアンがあって、前者で使うパドルは両端にブレード(水掻き)が付いていて、後者は一端にだけついています。またカヤックの多くは底に近い位置に座って、座席以外は甲板で覆われていて、波のある所でも進めるものが多い。カナディアンは、デッキがオープンで片膝を立てたり、少し上がった椅子に座って片側ずつ漕ぐことが多い・・・ といった違いがあります。とはいっても例外もあって、カナディアンのワイルドウォーター競技では、デッキは覆われていて、立膝でシングルパドルで漕いだりします。 
 ウチにあるのは二人乗りのカヤックで、底が丸くて方向を変えることは容易ですが、逆に海などでまっすぐ進みたいときには上手く漕がないと曲がってしまいます。
 ここでは、久々に乗るために引っ張り出して、一部水漏れ補修をした様子を報告します。

 裏庭の片隅にひっくり返して保管(といっても野ざらし)していたのですが、暑い日が続いたこの夏に、せっかくだから二十数年ぶりに利用してみようと、近くの川で漕ぐことにしました。
 長さが4mほどあって、重さは20kgほどです。以前にキャラバンやステップワゴンに乗っていたころには、ひょいと持ち上げてルーフキャリアに積んで、各所で漕いでいました。知床の海や道内何か所かの湖(オンネトー・洞爺湖・大沼…)にも浮かべました。
 でも今の運搬車はキャンピングカーで、屋上にはソーラーパネルもあり、簡単に積み込むことはできません。とりあえず徒歩数百メートルの川原迄運ぶのに、カヤックキャリーなるものを用意して、積んで引いて行きました。
 以前からの懸念事項だったのですが、海での使用に備えて、後部に舵を取り付けられるように改良してあり、その軸穴の隙間から少しずつ水漏れしてきます。金属パイプを軸穴にしているのですが、そのパイプを通すためにFRP艇体に開けた穴との充填剤が劣化して漏れるようになりました。
 用意した補修材は、FRP補修トライアルセット なるものです。以前にもっと大規模なFRPの加工を経験していますので、特性は理解していますが、一応説明書通りに進めます。
 説明書で欠落しているのが、ガラスマットの扱いに対する注意です。FRPはガラス繊維強化プラスチックという意味ですが、この繊維は目に見える太さで、皮膚に刺さります。素手で扱うのはもってのほか。軍手など繊維手袋もダメ。不用意に触れようものなら、服や肌に付いて大変なことになります。
 切り抜きは普通のハサミでできますが、相手がガラスなので、切れ味が鈍っても良い鋏を使います。 
 最初にペーパー掛けをして、樹脂が良くつくように表面を荒らします。手では捗らないので、サンダーに付けるペーパー(百均製)を使います。その後ホコリと油分を溶剤で拭き取ります。
 主剤と硬化剤を混ぜて、規定時間内に終わるように染みこませてゆきます。ガラスマットには写真のように凹凸に良くなじむ不織布タイプと、2次曲面までの対応になるが強度に優れた平編み形状の物があります。補修用なので前者が付属してきます。
 大きさの違う2枚を重ねて形を整え、硬化を待ちます。硬化後にはみ出た部分を削り取って完了です。
 必要に応じて塗装したり、舵の軸穴を再度ドリルで開けなおす予定です。
 ついでに排水用品の説明です。カヤックには何かと水が入ってきます。海で漕いで波がある場合には、バウ(前側)が一度宙に浮いたあと下に叩きつけられ、しぶきを被る…を繰り返すことがあります。スプレースカートを装着して、コックピットに浸水するのを防ぎますが、いくらかは浸水します。
 また沈(転覆)して投げ出された場合には、何とか這い上がってコックピットに戻ったとしても、艇内には大量の水が入ってしまいます。
 排水作業は、手で掻き出しても底のほうまでは出来ませんので、排水ポンプが必要となります。左上写真上側、灰色の物が以前自作した排水ポンプです。VU(排水用塩化ビニル管)の50ミリ径の市販材料を組み合わせて作りましたが、まだ十分使えるようです。浮力材は保温用巻き付け材を使っています。自重だけで沈んでしまいます。
同下段はこの夏にモンベルショップで見つけた同社ブランドの排水ポンプです。価格は、ナント! 1,980円です。造る手間を考えたら、一桁間違えているんではないかと思って買ってきました。
 底の構造を見ると写真尿に違いますが、自作の方が早く掻き出せそうです。でもモンベル製は、内部構造はわからないのですが、押すときにも排水されます。
 また機会を見てカヤックに孫たちを乗せようと思います。