最初にアンテナを従来のアナログ用のもので間に合わせられないかを検討しました。 今までのアンテナは、車両購入時にオプションとして取り付けたダイバーシティアンテナです。 ダイバーシティアンテナの作動には、受信機から映像信号を返送出力する機能が必要です。その返された信号の強度によって、複数あるアンテナ(大抵3〜4本)の中から最適なものを選択使用する仕組みになっています。 各社の地デジテレビの仕様を調べましたが、上記映像信号(アナログ)を出力する機能を持ったものはありませんでした。 |
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代わりに候補に挙がったのは、地デジ・BSチューナーです。これなら当然映像出力が付属します。ところが注意点があります。ダイバーシティアンテナに出力するのはアナログの従来の解像度の信号(黄色いRCAピンジャック)ですが、ハイビジョン対応ディスプレイに出力するにはD4以上又はHDMI出力が必要です。テレビを見ながらダイバーシティアンテナの選択を随時させるには、この両方に同時に出力できる必要があります。 この条件を満たすものを探しました。意外に該当機種は少なく、結果選定したのは IOデータのHVT-BT200 という機種です。 |
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早速購入して、テレビは従来のものをモニタにして、地デジの電波をねらってみました。ウチのあたりではケータイのワンセグを見ることができますので、視聴エリアに入っているはずです。 お目当ての既設ダイバーシティアンテナとの相性はどうでしょうか。 いろいろ試してみましたが、このアンテナの感度では地デジ放送を受信することは出来ませんでした。 |
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次のステップに進みます。アンテナの更新です。諸先輩の資料を元に、室内・屋外兼用で、ブースタ内蔵、本体の大きさが室内使用に耐えるくらい小さい、こちらの製品を選定しました。八木アンテナのUWPA-UPです。デジハットは現在製造されておらず、ヤフオクに流通している新古品でもこの2倍程度の価格がします。それから電気的操作で8方向に指向性を切り替えられるようですが、UWPAを室内に設置した場合では手で向きを変えることで瞬時に無段階で精密に方向を合わせられます(あたりまえですが)。感度的にもUWPAの方が評価がよいようです。 |
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この段階で走行中にテレビを見ることはあきらめました。既述のとおり、当地ではたとえ高感度のダイバーシティアンテナがあったとしても、谷あいの走行が多くて断続するのと、受信できる放送周波数がめまぐるしく変わりますので、見ているほうがストレスが溜まります。 無指向性のアンテナも検討しました。方位調整が不要ですので、走行中に向きが変わってもある程度電波の強い所であれば途切れずに視聴できます。しかし電波が限界に近く弱い所では、最高感度の高い指向性のアンテナが優れます。 先日見かけた広島ナンバーのキャンカーは後部にこの2つを積載していました。おそらく走行中は無指向性、停泊時には指向性に切り替えて使っているのではないでしょうか。 |
同じく八木のDUCA |
次にBS・CSのアンテナです。以前にBSアナログ用にフラット型の長方形のアンテナを使ってみたことがありますが、感度が低くて車内では役に立ちませんでした(車外に置くと使えますが)。やはり楕円のパラボラ(放物面)アンテナが必要です。BSアンテナを近くで見るまでは円形の反射板だと思っていたのですが、家に取り付けたアンテナの形を見ますと、反射板は縦長の楕円形をしています。車内、バンクベッドの部分には狭くて取り付けが困難そうです。各メーカーのアンテナを見ると、東芝で楕円が横長のものがありました。感度も数値上は悪くなさそうなのでこれにしました。 |
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アンテナの設置方法はとりあえず架台を作って、バンクベッドの上にポンと置くことにしました。仰角は本体で調整設定したあとでこの架台に取り付けます。3点支持で、各点の高さを微調整するようにしてありますので、傾斜地に駐車した場合でも調整可能です。 そのうち天井や仕切り壁を使って、調整や収納が楽に出来るように修正予定です。 |
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指向性アンテナを使用した場合に必要になるのが、電波強度を測定するアンテナチェッカーです。 前項のBSアンテナの向きを調整する場合には、受信チャンネルをBSで選んでおいてから、アンテナを水平面上で回転させながらテレビ画面を見ていれば受信可能な方角がみつかりますのでこのチェッカーは不要です |
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もし、車外にBSアンテナを取り付けた場合には、テレビ画面を見ながら設定することが出来ませんので、アンテナの近くにこのチェッカーを取り付けてLED表示を見ながら方角を合わせます。 UHF受信の場合には、まずこれで指向性UHFアンテナの向きを最大電波入力のところで固定します。そのあとでテレビのチャンネル設定を行います。当然この作業は受信場所や方向が固定された後に行います。 |
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いよいよテレビ本体についてです。希望する条件は次の事項です。 1.なるべく大画面 2.なるべく薄く、車内設置場所に納まる 3.地デジ・BSの両対応 4.少ない消費電力 5.広い視野角 6.取り付けしやすいこと 7.なるべく安く 他にもありますが、一つずつ見てゆきましょう。 ←ROで取付け場所 |
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1.なるべく大画面〜 16:9の画面で、サイズが決まれば横幅はほぼ各社各製品とも大差ない範囲になります。コルディーのこの場所には上限が26インチのようです。 2.なるべく薄く〜 このテレビ取り付け場所の下には横向きの座席がありますので、厚みが大きいと座るのが困難です。本体のスペック上の厚さ数字も大切ですが、各種接続コードの取り付け方法も重要です。中にはせっかくの薄型テレビでありながら、接続口が真後ろ方向のために、さらに数センチ取り付けに余裕を持たせなければならない製品がいくつかありました。選定したものは全ての接続が横出しです。 ↓下の写真参照 |
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3.地デジ・BS両方対応(できればCSも)〜 各種製品の中には、特に安価な22型にはBSチューナーを内蔵していないものがありますので、外付けを含めた検討が必要となります。 4.少ない消費電力〜 これは各社仕様を比較するしかありません。言うまでも無く電源容量に制限のあるキャンパーにおいては重要な要素となります。これまでの20型4:3のテレビより少ない値とすることができました。今後LED化などでさらに少なくなるかも知れませんが、現状のベストを選択するしかありません。 |
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5.広い視野角〜 ある程度機種範囲を絞り込んだ所で、市内のホームセンターで適当なものがありましたので、お金をにぎりしめて買いに行きました。棚の上の方に並んだお目当ての製品を見ると、どうも画面が黒ずんでよく映像が見えません。スペック上の視野角は170度あるのですが、現物を見ると、車内で斜めから見るのに支障が出る程度の性能でしたので外しました。これは液晶の方式によるもので、安価な製品では気をつける必要があります。また正面からだけ見るという場合にはあまり気をつける必要はありません。 |
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テレビ機種の選定・購入が済みましたら、車体への取り付けです。車体側の構造は、前回と同じく、窓枠取り付け用の強度部材が入っている所を探して支点をとります。中央下部が主支点で垂直方向の荷重はここで受けます。 材料はホームセンターで売っている穴あきのL型金具と、水平方向ズレ防止に貫通させる6ミリのボルト、振動吸収用のパッドです。パッドは多孔質ゴムは次第に嵩が減ってペッちゃんこになり、クッションの役割を果たさなくなるので、防振用の縦横に溝が入ったゴムが適しています。 |
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次に上部の左右の2点を押さえて、前後左右とねじれ方向のブレを防止します。 材料は、さほど力がかかる所ではありませんので、アルミのフラットバーを曲げて、長いCの字(上から見て)を作り、機体に当たる部分には十分な緩衝材を貼り付けます。 取り付けは、先に機体上部を押さえ枠の下から差し込んで、天井まで当たる辺りまで上げ、下の支点のボルトをくぐらせて固定します。 |
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そして音響面の仕上げです。左右のスピーカーは従来のものを使用しますが、アンプが必要です。(今まではアンプ内蔵のDVDプレーヤを使用)それ以前の条件として、テレビ側に音声出力端子が必要です。 そこでアンプとサブウーファ機能があって、収納部に収まる機種を探しました。これも近くのホームセンターにぴったりのものがありました。ワイヤードリモコン付きで、メインスイッチがあり、サブウーファ出力も20Wほどありますのでテレビ視聴には十分です。 |
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このあとブルーレイプレーヤを設置して作業は完了となりました。このプレーヤも収納場所に入ることが絶対条件となりますので特に注意が必要です。本体は入っても、接続コード類を取り付けるとかなり苦しくなります。家庭用のプレーヤはほとんど小型化を考慮していません。 これでほぼ地デジ化作業は終了ですが、使った感想としては、BDソフトを見るのは最高ですし、BS受信も快適です。しかし地上波の選局は、家庭用(固定場所用)テレビの特徴もあって、とても時間がかかりますし面倒です。車載用のチューナーとアンテナをそろえて、26型テレビに繋げればいいのでしょうが、あまりに費用がかかります。これからのいろんな環境の変化を見ながら進路を決めてゆく予定です。 |