1.磐梯山登山 

 最も一般的なコースと思われる八方台の駐車場から登ります。前日の夕刻に到着して、翌日の昼頃まで駐車場の木陰になりそうな場所に車を止めて夕食をいただきます。
 場内は未舗装ですが結構な広さがあり、簡易水洗トイレもあります。ただしこの水源はトイレ舎内の高いところに水タンクが設置されていて、給水車が来て補給しているようです。 
 駐車場の広さは十分かと思われましたが、午前10時半に下山したときには満杯で、前後の道路にあるちょっとした路肩にもたくさん車が止まっているという状態でした。
 早起きして朝ごはんを食べないで6時前に歩き始めます。(朝食は頂上でいただきました)
 25〜30分ほどで中の湯に着きます。今は廃墟になっていますが、以前は温泉旅館として営業していたようです。建物は立ち入り禁止になっていますが、一部から噴気があがって、宿の前の水溜りはぶくぶくと泡が吹き上げて、足湯として利用できるようです。帰り道に寄ることとして先に進みます。

 少しずつ高度を上げてゆくと、突然見晴らしの良い、崖の縁に出ます。明治の噴火の時に崩落したところでしょうか。また樹林帯に入って、時々縁に出るということを何度かくりかえして、見晴らしも良くなって来ました。
 道が頂上の急勾配にかかるまえに広場があって休憩の出来る小屋が2軒あります。近くには冷たい飲み水が流れ出ています。7時半時点でまだ営業開始していませんでした。毎日麓から通ってくるのでしょうか。
 「トイレブース」があるのですが、トイレはありません。早池峰山などと同様に、この山での登山者の「用足し」は全て持参したポータブルトイレによることになります。
 急勾配、石の段差の大きい道をあえぎながら登って頂上に出ます。頂上からは飯豊の山並みに残る残雪をはじめ、眼下の猪苗代湖、桧原湖など、本当に360度の展望が楽しめます。

 ↓ 猪苗代湖(南側)とROで桧原湖(北側)
↓ 飯豊連峰に残る残雪。ROで磐梯山もう一方の双耳峰櫛が峰秋元湖

動画でもご覧ください↓
  磐梯山山頂 360度の眺め 2012.08.04

   (更新間隔が開いてしまいましたが、11月アップの8月の記録です)
 車を使った登山では、大抵は登りと下りで同じコースをたどることになりますが、一部だけでも違うルートを取れる場合には、なるべくそちらを回って見るようにします。
 小屋の前からお花畑を通る道をたどります。八月に入ると花の数は少なくなりますが、夏山を感じさせる彩のものが咲いています。
 多分学校登山の、元気な小学生たちと、そのあまり元気ではない保護者たちが大勢上がってきました。道が狭いところでは登り優先でしばらく待っていてあげますが、体力差で列に隙間が出来たところを縫ってこちらも歩を進めます。
 私も自分の子供たちが中学校の時の学校登山には全て同行しましたが、先生も慣れた人ばかりではなく、ペースメーカーになるべきはずの先生が、一人でずーっと先に行ってしまって、私が先導したこともありました。
 弱った子のために杖を作ってあげたり、また喘息で歩けなくなった子を背負って下りて来たこともあり、アクシデントへの備えと知識を持った人が同行することも大事だと感じました。

 野外活動から得られる様々なことがらで、身体的・精神的対応能力が向上することや、情操面でも得られる経験は、教育というものが、その後の人生における基礎を作るとともに、その子が将来進む進路の選択肢を増やしてあげる、という意味でもとても大切なことだと思います。
 でもウチの子供3人目の頃にやってきた校長は事なかれ主義で、体育祭での公傷も隠蔽するような人物でしたので、学校行事としての登山はその後実施されなくなってしまいました。なんとかそのような事態をひっくり返してやりたいものです。
 さて、登り口から30分ほどのところにあって、帰りに立ち寄ってみようと思っていた中の湯にやってきました。「足湯」の看板があって、湯船のそこからはブクブクとたくさんの泡が絶え間なく上がっています。熱かったら大変そうです。早速靴を脱いでお湯に浸かります・・・と、「お湯」の温度は高くなく、多分20度以下でやや冷たいと感じるくらいでした。火照った足には気持ちよく、白濁した温泉をしばらく楽しみました。

    右画面クリックで動画再生します →
 駐車場に戻って、この日は朝が早かったので少し休憩お昼寝をしたあと、昼食をいただきます。警備員が出て駐車場内の誘導整理をしています。

 磐梯山は、見かけより険しくなく、比較的短時間で登ることができ、天候が良ければ独立峰なので360度の眺望が楽しめます。やや登山人口が多いのが気になりますが、結構充実した山歩きが出来ました。

2.裏磐梯五色沼のあたり
 有名な観光地ですのであえて説明することは少ないのですが、ビジターセンターの駐車場に車を置いて、館内で少し勉強してから歩き始めます。みやげ物店が並ぶ毘沙門沼畔の駐車場までは少しの距離です。
 多くある沼の中で最大の毘沙門沼には大きな鯉がいて、貸しボートもたくさん浮かんでいます。ここからはこの日の朝に登ってきた磐梯山が望めます。
 でも。私の以前の記憶(30年くらい前)では、毘沙門沼は変わりありませんが、磐梯山がもっと大きく見えたような気がします。
 つまり、磐梯山の手前にある木が伸びて来たために、磐梯山の一部が見えにくくなってきているのです。あと50年もすればこの景色からは磐梯山が消えて毘沙門沼だけになってしまうのではないでしょうか。
 以前に宿泊した小野川湖畔のペンションのオーナーが言っていましたが、以前は湖が見えたんだけど、手前の木々が生長して見えなくなってしまった・・・ということもあるようです。保護区域であるために自分の土地でも自由に木を伐採できないのです。

 右写真クリックで、遊歩道動画です→
 
 私の考えですが、自然公園や山岳観光道路では眺望も大事な構成要素です。原生林などのように数千年単位の自然の変化の中で安定した状態になった植物相であるならその貴重性と保護の重要性もわかるのですが、裏磐梯の明治時代に噴火によって出来上がった自然の庭園はまだ変化の途中にあります。ゴールドライン・レイクラインなどの山岳観光道路は開通からしばらくの間はすばらしい眺望を楽しめましたが、今通ってみると森の中をくねくねと走るだけで、ほとんど眺望は期待できません。おかげでレイクラインは震災後無料化されているにもかかわらず、すれ違う車はまれでした。
 つまり、観光道路の眺望は、森林保護に優先して植生を管理(低木のみ植樹するとか、伐採する)すべきであると思います。それが出来ないのなら、最初から観光道路など作るべきではありません。 誰にも見せない、見ることが出来ない自然は、観光資源としては扱わずに、重箱の中にしまっておいてはどうでしょうか。
 裏磐梯の植生は、噴火後その復活にかけて努力してきた人たちの力によるところが大きいと聞きました
里山の森林も人為的に手を加えることによって健全な状態が保たれています。どうか公園管理当局には発想の転換をお願いしたいところです。
 五色沼遊歩道はけっこう長くて全長をたどるには時間がかかることと、車に戻らなければならないために、毘沙門沼付近の遊歩道はキャンプ場の辺りを通ってビジターセンターに戻りました。そして反対側の遊歩道入り口に移動してそちらからの沼めぐりを行います。
 青沼・るり沼・弁天沼までを歩いてみました。人通りも少なく、特にるり沼は2日前に葦の押し倒しを観光協会のほうで行ってくださったとかで、沼の水面が良く見えるようになっていました。山と沼の色の調和がすばらしいものでした。このように眺望に配慮した対応をとっていただけるのはありがたいことです。
 ←左上画像クリックで動画
 大きな岩が重なっている所が遊歩道沿いにも確認できました。たぶん磐梯山の山体崩壊の際に押し寄せてきたものではないでしょうか。


 水面が良く見えるようにしていただいた るり沼と磐梯山↓
弁天沼の展望台から吾妻の山並み
「磐梯山への登山と裏磐梯五色沼」             2012.08.04
 ずーっと前から、五色沼や猪苗代湖のあたりから眺めるだけで登ったことの無かった 磐梯山。ことしやっと登ることができました。それから東北地方の観光地の中で、最もきれいだと私が思うのが裏磐梯の五色沼のあたりです。一日ではしごしましたので状況をお知らせします。