ビデオカセット復活大作戦
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 PCの世界ほどではありませんが、オーディオ・ビデオの世界でも技術革新による規格・媒体の変遷があります。8ミリビデオカセットは既にデッキの新品はありませんし、VHSも間もなくDVDに移行してゆくものと思われます。
 そこで、旧資産からデジタルデータへの引越しが必要なものが出てきます。VHSテープをデッキにセットして早送りをしました。最後まで巻いて止まる時の音が ぴきん と鳴ったような気がします。巻き戻そうと思ってもすでに遅く、テープは切れていました。他のデッキに入れてもテープはローディングされません。 このようなことが2回ありましたので、古いテープがだめになって困っている方のために復活方法を載せてみます。

 用意するものは、精密ドライバーセットとはさみ。♯1番のプラスドライバと2ミリ以下のマイナスドライバ、それにピンセットがあれば作業が楽になります。
 場合によってはセロハンテープを使用した方が楽なこともあります。ただし今後も繰り返し使用する場合には下記のような復活方法のほうがよいでしょう。
 
 切れてしまった部分。送り出し側のリールに、テープの端がくっついているのが見えません。
 まずはテープをひっくり返して、四隅と真ん中あたりの計五本あるねじを完全に緩めます。再度ひっくり返して五本のねじが落ちてくればOK。
 そーっとケースの上半分を上に外します。リールや中央下部にある空転防止爪が取れてしまわないように気をつけます。
 このカセットでは、テープの端のリーダーテープである、透明な部分がもろくなって、リールから2cm位の所で切れていました。
 リールの芯にうまくテープの端を固定できればOKなのですが、1回限りの「復活」でよい場合にはセロハンテープで端をくっつけて、巻き戻せば再生できます。
 ただしこの方法では再生・早送りを行うとはがれるおそれがあります。
 送り出し側のリール拡大。
穴の部分に、テープの端を噛み込んで止めるための、Ω(オーム)型の部品があります。この部品を、マイナスドライバでこじって、図の穴の部分から取り出します。
 透明なリーダーテープはもろくなりやすいので、はさみで切り取って、黒いテープ本体を直接リールに取り付けることにします。
 Ω型の部品で、テープの長い方(端でないほう)を先にはさみ込みます。そのあとテープの端に近い方を力任せに円心方向に押し込むと、パチン!とはまります。
 逆のほうから挟み込むと、押し込むときに摩擦でテープが切れることがあります。
 あまったテープはカッターで切り落とすのがよいのですが、面倒な場合にはしわにならないように折り込んでも大丈夫です。
 ここまででリールとテープが繋がりました。
 ケースに収めます。注意点は、正確に元と同じ経路を通して、挟み込みが無いようにすることです。
 VHSカセットには、リールの空転防止用のストッパと、テープカバーが自動的に開かないようなツメがありますので、その機能を失わないようにリンクの外れがないか気をつけます。
 5本のねじを締めて完成です。デッキに入れる前に、先のストッパ(真ん中の止めねじの近くにある、丸い小さな穴を押すと外れる)を外して、指でリールがうまく回るか確認します。
 次にデッキに入れてうまくローディングされることを確認。再生テストをして完了です。