「奥八九郎温泉」 2006.9.23
2010.01.11, 2013.01.12 
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 これまでの3箇所の「本当の秘湯」は岩手と秋田の八幡平にあるものでしたが、久々の報告になる今回の奥八九郎温泉は、秋田でも北部の青森との県境に位置する小坂町にあります。あまり日程には余裕が無かったのですが、八甲田山から戻る途中に夕方に立ち寄ってみました。この温泉は、車を降りてから5秒でたどり着くことができますので、せっこきな方や歩くのが大変な方にもオススメです。
 
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 八甲田山麓の酸ヶ湯から傘松峠、焼山、奥入瀬と進み、発荷峠で十和田湖に別れを告げます。
 ここから小坂町へは樹海ラインを経由します。建物のほとんど無い、まさに樹海の中を20km近く上り下りしながら走って、小坂町康楽館の近くに出ます(ちなみに私は康楽館のステージに客席から引っ張られて上がったことがあります)。

 小坂町から国道282号を北上し、小坂川沿いに入って地名に八九郎とある集落を目指します。リンクフリーで使用できる「ちず丸」にはその地名はないのですが、逆に今回目指す「奥八九郎温泉」の記載があります。
 やがて未舗装の道になりますが、小さな看板が立っていて、注意すれば迷うことなくたどり着けます。

 今回訪れたのは奥八九郎温泉ですが、この地域には何箇所か湧き出ているところがあり、他に集落に近い「八九郎温泉」や「奥々八九郎温泉」という名があるそうですが、ここが一番良いところらしいです。
 未舗装の林道を数キロ進むと急に開けた台地状の所が現れます。湯気がたちこめていて、温泉であることがわかります。
 先に入浴していた青年がいました。青森県内からバイクで来た学生さんで、いろいろと教えてもらいました。
 道路向かいに車を停めて周りをあるいてみます。流れ出たお湯でぬかるみ状のところがあるので注意!です。
 周りには脱衣所はありませんが、輪切りした木の腰掛や洗面器があります。

 入れそうな「湯船」は3箇所あります。右が湧口で一番温度が高い(彼の説明によると42度)ところです。仮に1号泉とします。 写真のように常時連続して泡とお湯が混合して湧き出ています。これは多分炭酸ガスなのであまり大量に吸い込まないほうがよいとのことでしたが、炭酸泉にしては肌に泡粒があまり付きませんでしたので不明です。大きさは5〜6人は入れるでしょうか。
     
 ←奥の1号泉から溢れて手前の2号泉に入ります。こちらは41度とのことです。

 湯船のほとりには成分が沈積してゆきますので自然に水平がとれてゆきます。 ↓

 近くに地図で見ると「古遠部川」というのがありますが、県境を越えて青森側には「古遠部温泉」があります。ここには泊まったことがあるのですが、沈積の具合や台地状に積み重なってゆくところがそっくりです。鉄分も結構強いのかも知れません。
 ↑1号泉から3号泉へあふれ出る水路。
3号泉は40度とのことで、三つの中では一番温くて長く入っていられます。→

 もちろん無料ですが、何かお役に立てることは?と周りを探し回って、水たまりに壊れた傘とビニル袋がありましたので回収して折りたたんで持ち帰りました。
 お湯の温度が、注水無しでも完璧に適温です(9月時点ですが)。湯船の大きさ、深さ形も完璧です。なかなかこのような構成が自然にそろっているところはありません(どなたかが湯船形状の管理に普請しているのかもしれませんが)。貴重な楽園です。 今回はゆっくり出来ませんでしたが、ここだけのために一泊していつか入りに来るのもいいかと考えています。

2010.01.11 冬の奥八九郎温泉へ  こちらの記録は、2010.1.22の朝、NHKの番組「おはよう日本」の中の「とれたてマイビデオ」の中で放送されました。ご視聴いただきました皆様、ありがとうございました。
 4年ぶりに奥八九郎温泉を目指しました。東北道を岩手から秋田へ北上して、まずは腹ごしらえ(間食)で、花輪SAに立ち寄るとおいしそうなカレーパンとみそたんぽがありましたので3人でいただきます。
 小坂インターで降りて、R282を北上します。ナビには目標物はおろか、細い林道は載っていませんので勘と紙の地形図を思い出しながら行きます。入り口を忘れていて少し行過ぎましたが、無事八九郎集落への道に入りました。
 人家のあるところまでは当然除雪されていますが、その先の林道はどうなっているかわかりません。

 ですので雪が深い場合に備えてスノーシューとクロスカントリースキーを用意しました。2組ずつあるのですが、今回は3人でのアタックですので、スノーシュー2組とスキー1組を使用しました。
 除雪車(ローダ)が通ったあとがありますので行けるところまで行って見ましたが地面から雪面までの厚みがだんだん大きくなってきましたので、スタックする前に広めの所に車を置くこととしました。
 帰る方向に向けて車を止めます。後部荷室から雪上歩行用具を取り出して準備をします。クロスカントリースキーは20年近く前に米国から通販で購入したものですのでビンディングは75ミリです。一応現状不具合無く機能します。
 除雪がこの先どこまで済んでいるのかわかりません。予想では八九郎温泉までは至らず、途中で除雪跡は別方向の林道へ進むものと思っていました。何台かの車がアタックしたものの、進めなくなって引き返した跡がいくつもありました。もしウチのコルディーで進んでいたら、転回できる場所も無く、ひどい目にあっていたかもしれません。
 いくつ目かのカーブ・分岐点で図のような大きな看板とともに、小さな奥八九郎温泉の案内板が立っています。夏には草に埋もれそうですが、注意して進めば見落とさない程度の大きさです。(RO)
 雪の積もり具合が不自然に少ない所があります。辺りは温泉地帯なので、地熱のせいかもしれません。また豪雪で木が倒れた跡もありました。
 車を置いた場所から30分ほど歩いて、雪が融けた所が見えてきました。流れ出たお湯や地熱で雪が積もりません。
 無雪期とはまた違った風情があります。2人は足湯で、私は早速雪見風呂です!(解像度、落としてます)

入る前後に寒くないのかというお尋ねをいただきますが、歩いて行って体が温まった状態で入ります。上がるときにもお湯の温度が適温なので暖かくなっています。さらに、上半身を湯船に使った状態で拭き取ってから出ると着替え時間を短く出来ますので大丈夫です。
 以前と変わらず泡交じりで自噴しています。泡のマッサージ効果もありますが、流れがあるために熱く感じます。
 この奥八九郎(おくはちくろう)温泉は公衆浴場ではありませんので、事故・けがなどについては全て自己責任となることは言うまでもありませんが、営林署の断り書き標識があります。前回はあった記憶が無いので、どなたかが、掲示しなければならない使い方でもしたのでしょうかね。
 
 無雪期には車で横付けできる温泉ですが、冬は秘湯の感が増します。ここもとてもよい温泉です。
 動画もご覧ください。NHKで放送されたものの原版ですが、人物登場部分はカットしてあります。
2013.01.12 奥八九郎温泉雪見露天風呂
 三年ぶりにまた冬の奥八九郎温泉を訪れました。冬の秋田にも毎年のように出かけますが、岩手県の太平洋沿いから来るとその雪の多さに毎度ながら驚かされます。
 国道282号から分岐して家並みが途切れて、水道の配水池へ向う脇道に入ります。

 前回使用したクロスカントリースキー用具は、板は何とか大丈夫でしたが、靴底がはがれて使えなくなってしまいましたので、盛岡のスポーツ店で新調しました。その他に、3人で使う場合を考えて、もう一組探していたのですが、盛岡福祉バンク(リサイクルショップ)で、アルペンスキーに混じってクロカンスキーを売っているのをみつけて、次女用にサイズもちょうど良いので購入してきました。今回は2人だけのアタックとなりました。

 写真では良くわからないのですが、結構雪が降っていて帽子が白くなってきました。着替え用の自立式ツェルトも持参しましたが、何とか無しでも大丈夫でした。早速入浴します。この欄では本人出演部分は割愛させていただいています。

 ↓で動画をご覧ください。
 この日は道の駅鹿角あんとらあに一泊して、翌朝次の目的地の後生掛温泉に向いました。 大湯沼までスノーシューで行こうと計画したのですが、降雪が続いていて、視界も悪く、風もあります。安全重視でとりやめにして、温泉に入ります。
 
 夏は岩手側まで通り抜けできるのですが、冬季はアスピーテライン閉鎖のため、ここ後生掛温泉が終点になっています。でも結構駐車場には車がいて、宿泊客も多いようですし、宿のマイクロバスも送迎に忙しそうです。オンドル(温泉熱による床下暖房)の湯治部にはたくさんお客さんがいて、時々大浴場にやってきます。のどかで良いところです。ゆったりと湯船に浸かってきました。
 鹿角から安代までは下道を走り、そこから東北道に乗って滝沢インターで昼食にしました。前回と同じく半田屋で、レバニラ定食をいただきます。ご飯が多いのが標準で、食べられるかどうか不安でしたが、最後までおいしくいただけました。
 この冬のうちにまた再アタックできれば良いなと計画しています。

 後生掛温泉に至る道と、温泉のようすです。 ↓