「玉川湯ノ沢」 
2011.07.02 
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 玉川温泉は、特に温泉好きでなくてもテレビで取り上げられる事も多く、ご存知の方が多いと思います。今回行ったのはその玉川温泉の近くを流れる玉川の小さな支流です。

 
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 この温泉に行くのは3度目になります。最初は20年近く前でしょうか。長男(当時小学低学年)と歩いて目指しました。その存在は雑誌で読んでいたのですが、水力発電の取り入れ口を管理するための小屋があり、その近くに湯船が作ってあるということで、上部の林道を経由して歩いて降りてくる形で到達しました。 地形図には描いていない山道ですので、電力会社に尋ねると、秋田県企業局の小和瀬発電所の管理ということで、そちらで作業をされているTさんという方から、林道から山道の入り口目印などを聞いてたどり着くことが出来ました。
 一般の人のルートとしてはそこなのですが、作業でこられる方は車で現地まで到達することが出来るような作業道があります。施錠がしてありますが、当時はバイクであれば通り抜けられましたので、その後バイクで到達したことがあります。

 八幡平の西側を南北に通る国道341号のすぐそばに小川を渡る鋼橋があります。玉川温泉の名をいただいている 玉川の支流、渋黒沢の合流部です。
 このあと目指す玉川湯ノ沢(温泉)へ至る方法を地形図で探していると、五十曲という坂の上り口にこの橋があり、そこから東へ玉川に沿って延びる歩道があります。よく見ると途中にトンネルもあります。この勾配からすると森林鉄道が通っていた可能性もあるのではないでしょうか。
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 この橋を渡ってみて道路状況を確認しますが、橋の先は通る人は少なく、ほとんど藪のようです。水平距離でも10km近くありますのでここからのアプローチはあきらめて、上部の蟹沼へ至る林道へ回ます。
 国道から見る入り口は狭くてキャンピングカーが通れるかどうか不安ですが、入ってみると以外に通行には支障がありませんでした。
 
 未舗装の林道を10kmほど進むと、右へ分岐する作業道の入り口があります。そこから少し下ったところに施錠がしてあり一般の車は入れないようになっています。
 ここから谷底まで下って行きますが、車道としては傾斜が急な所が多く、4WDでトランスファー(副変速機)のある車でないと戻ってくることが難しいかも知れません。
 玉川本流に至って 上流に少し進むと吊り橋があり、それを渡ります。
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 歩行経路は右地図の赤い線になります。784mの小山のあたりにゲートがありますので、そこから温泉までは約200mの標高差があります。詳細は最下段にあります。
 途中で温泉に入る山歩きは、本当は登った先に入浴スポットがあって、帰りは下り坂・・・というのが理想的なのですが、なかなかそういう野湯は多くありません。


 今回は八幡平周辺で、いつも気になりながらも立ち寄っていない所を気の向くままに歩こうということで、田沢湖町のいつものスーパー スズフクで食材を仕入れたあと宝仙湖で昼食にしました。 湖畔のダム管理事務所に隣接する見学者用の施設も初めて見ることが出来ました。どのダムにもいろんな生い立ちがあるようです。

 R341上の森の中に蜂蜜を製造直売している所がありますので、寄ってみたのですが、この日は誰もいなくてしまっていました。今回は上記の林道入り口から少し入ってみた所、奥へ進めそうですので、本日の目的は玉川湯ノ沢温泉にしました。

 
 温泉ももちろんいいのですが、途中の木々の緑や川の流れも楽しみながら進んで行きます。
 
 最下段の地図にある橋(吊り橋)を渡ります。赤い線の軌跡は端の位置とずれていますが、測位がずれているのか、地形図がずれているのか、良くわかりません。
 監視小屋(と言っても立派な2階建て)の前を過ぎて、南へ曲がると立派な露天の湯船があります。以前は小さな東屋とベンチがあったのですが、冬の豪雪で無くなったのでしょうか、湯船だけが満々とお湯をたたえています。ここで入浴・・・と行きたいのですが、泉源直通のパイプからは熱湯が出てきます。薄めようの水のパイプからは出ていません。手を短時間入れるのも困難なほど高温ですのでこちらでの入浴はあきらめます。時間があれば水の配管を辿って温度調整して入る事もできるのですが、今回は適温の場所を探して下流へ向かいます。
 熱湯の流れに沿って下流に進みますが、藪です。玉川本流に合流するあたりに行けば、湯水混合で適温のところがあるはずです。最初に本流に出て下流に行こうとしましたが、歩行困難ですので再び藪を漕いで湯ノ沢に向かいます。少し進むと冷たい沢水との合流点がありました 
 右の写真はその合流点から見た冷たい方の沢、上の写真は湯ノ沢です。石の上に立っても靴を履いていないと熱くて何秒も居られません。
 早速入浴タイムです。混合の度合いでちょうど良い湯加減の所を見つけてしばしくつろぎます。

    
 地形図には温泉のマークが一箇所あるだけですが、実際のお湯と水の流れから入浴適地を探すのもまた楽しいものです。
 今回も自然の湯船でとっておきのおんせんを楽しむことが出来ました。

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※国道からの進入路ですが、新玉川温泉から南へ下る林道が地形図には描かれていますが、現地は閉塞処理がしてあり、路面には樹木が繁茂して通行不能ですのでご注意ください。
→その後災害により一時新玉川温泉からしか行くことが出来なくなりましたが、また2015現在では元の経路に復旧しています。